[CSD]2004年6月20日《ヘッドライン》

[CSD]2004年6月20日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎早期老化症アシュリーちゃんの母が語る「神様と病気」——ロリー・ヘギ著『みじかい命を抱きしめて』(フジテレビ出版、1,470円)
★ハンディサイズ「聴く」聖書が完成——携帯音声聖書「バイブルトーク」日本聖書協会が発売
★やったよ、お母さん——第1回チア・にっぽん杯読書感想文大会
★<恵みのどんでん返し>妻のアトピー 完全に癒される中で 記・松岡 淳裕
★<落穂抄>存亡の危機にあるアッシリア教会への祈りを

 = 2 面 =
★死刑囚の重い言葉「もっと早く福音に出会っていれば」——「死刑を止めよう」宗教者ネットがシンポジウム
★EU:憲法前文に「キリスト教の伝統」盛り込むか——加盟国外相会議で議論
★米国:「国連がイラク介入を」——教会指導者らアナン事務総長に進言
★<論説>世界宣教——青年に生きる価値を 記・山口 譲
★<教界の動き>社団法人好善社、ニューホープインターナショナル横浜
★<今週の本棚>『恩寵の選び』小山恒夫著(いのちのことば社、1,260円) 評・畑野順一
★<今週の本棚>『信徒の献身と献金の信仰』鈴木重義著(いのちのことば社、1,470円)
★<今週の本棚>『十字架の戦士』サムエル・リー著(東京第一教会、1,260円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 文書伝道特集=
★恥ずかしがり屋に代わって——会社帰りのトラクト配布
★トラクト・文書伝道動向——社会との接点はっきりと 企画性高い内容に
★文書伝道オススメ本
★<書籍紹介>『バイブルに見るビジネスの黄金律』(マナブックス、840円)
★<書籍紹介>『CALLING——何処までも』まんが・勝間としお著(らみいコミックス、819円)
★<書籍紹介>『となりのクリスチャン』みなみななみ著(休息的時間、1,365円)

 = 4 面 =
★聖地発掘調査で分かることは——考古学は事実を実証し納得できる解釈を提示
★提言をめぐって:「なぜ『高価で尊い』のか?」に疑問——神の愛はすべての人への約束 記・坂本 淳
★提言をめぐって:聖書解釈に心理学の混乱を危惧——価値の有無でなく生死が問題 応答・ボーマン・ルリ子

 = 5 面 父の日特集=
◎牧師、信徒本音で語り父のプライド回復——日本でも第3回「父親学校」開講へ
★父を亡くし、娘を亡くし、出会った天のおやじ——ゴスペルシンガー・岩渕まことさん
★父のゆるしと神の贖い——記・持田嗣生
★父へのてがみ——記・高橋愛一郎

 = 6 面 =
★移民支えた「お城の教会」——ハワイのマキキ聖城キリスト教会創立100周年

 = 7 面 =
◎シンガポールチームと協力し愛知47大学に宣教を——名古屋CCCインマヌエルミーティング
★星野富弘さんの詩を歌曲に——CD「二番目に言いたいこと」——発売記念コンサートに星野さんも特別出演
★英国:予想外のアクセスにインターネット教会混乱
★インド:南部の州首相にキリスト者医師が就任
★写真入り伝道ツール「学生の反応は上々」——日本CCCの新4つの法則「KGP」
★<CDの時間>「おうちへ帰ろう」JOIN(ジョイン企画、2,310円)

 = 8 面 ビジネスのページ=
★<信仰人スピリッツ>神が必要とされるところへ——(株)リンクマネージ 常務取締役・山岡 清太さん
★<ミッションと起業>企業デモクラシーと救ライ協会——オリジン電気(株)創業者・後藤 安太郎 記・鈴木功男
★<ブックレビュー>『ザ・ビジョン』ケン・ブランチャード&ジェシー・ストーナー著 評・中野 雄一郎(ダイヤモンド社、1,460円)
★<書籍案内>『「なんでだろう」から仕事が始まる』小倉昌男著(講談社、1,360円)
★<書籍案内>『はじまりの家』佐藤綾子著(NTT出版、1,575円)
★<書籍案内>『ビジネス・セラピー』青木仁志著(PHP研究所、1,470円)
★<書籍案内>『あなたの部下に「大きな魚」の釣り方を教える方法』ローリー・ベス・ジョーンズ著(大和書房、1,575円)

早期老化症アシュリーちゃんの母が語る「神様と病気」−−ロリー・ヘギ著『みじかい命を抱きしめて』(フジ

 「普通の人の1年が8~10年になるほどの速さで年をとってしまう病気」と言われるプロジェリア(早期老化症)。今年の3月、この難病プロジェリアと闘うアシュリーちゃんの人生を追ったドキュメンタリー番組「サイエンスミステリー? DNAが解き明かす人間の真実と愛~」がフジテレビ系列で放映され、大きな反響を呼んだ。また、この放映に合わせ『みじかい命を抱きしめて』(ロリー・ヘギ著・フジテレビ出版、千470円税別)が出版されている。
     ◇
 プロジェリアは遺伝子異常による病気で、800万人に1人の割合で発生し、世界で3、40人くらいしかいない。平均寿命は13歳で、今のところ原因がわからず、治療法も発見されていないという。本書の内容は、難病プロジェリアと闘うアシュリーちゃんと、人生のどん底を経験し、そこからキリストを信じる信仰によって変えられていった母ロリーさんのヒューマンドキュメントだ。
トムボーイ
 ロリーさんは幼少のころから、男まさりの女の子を指す「トムボーイ」と呼ばれた。15歳のころから悪い友だちと付き合うようになり、毎晩パーティーをしマリファナを吸い、家にも帰らなくなった。15歳の時には窃盗の罪で警察に捕まり、鑑別所に送られた。まさに堕落の道を突き進んでいた。 17歳の時には遊び仲間と肉体関係をもち妊娠。その時出産したのがアシュリーちゃんだった。大きな青い目をした、とてもかわいい赤ちゃんだった。
 ところが、しばらくしてアシュリーちゃんに異変が起きた。皮膚が厚くなり、硬くなる。体重も順調に増えていかない。しかし、言葉は普通に話せ、知能の遅れは見られない。 アシュリー   ある時、医者がロリーさんにある雑誌の写真を見せた。アシュリーちゃんとそっくりの、プロジェリアの女の子だった。ロリーさんはアシュリーちゃんがプロジェリアだと知った時の心境を、こうつづる。「治す方法もない病気、おまけに私はシングルペアレント…。家に着き、ひとりになるとさらに涙があふれ出ました」
 生きる目的を失っていたロリーさんは、アシュリーちゃんを知り合いに預けながらドラッグ、アルコールづけの毎日を送る。ある時、鏡の前に立ったロリーさんは、自分の哀れな姿をまじまじと見た。自分が人生のどん底にいることを認めると、崩れるようにひざまずき、泣きながら祈った。「神様、お許しください。私は罪を犯しました」
 その時から、ロリーさんの人生は変えられていった。熱心に聖書を読み、教会に通うようになった。昔の仲間からの誘いも受けたが、一切拒否した。そして信仰告白し、洗礼を受ける。アシュリーちゃんも、ロリーさんに続いて洗礼を受けた。
 

牧師、信徒本音で語り父のプライド回復−−日本でも第3回「父親学校」開講へ0406200501

 「父が生きてこそ、家庭が生きる」のスローガンを掲げて、1995年に韓国ソウルのツラノ書院から始まった「父親学校」。これまで韓国内36地域、海外9か国で計420回以上、約3万人が参加したこのムーブメントは、韓国では一般のメディアにも取り上げられるほど、国民的な関心と広がりを見せている。
 この広がりの背景には、実は韓国内における家庭危機の問題が横たわっている。「東方礼儀の国」「儒教文化の国」と言われた韓国での昨年の離婚率は48%。急激な経済発展と自由化の風潮のなかで従来の倫理観や道徳意識の崩壊が急速に進んでいるのだ。「神が与えてくださった家庭が、今、崩壊しつつあります。父の権威が揺れています。父の本当の姿を回復しなければなりません」。「父親学校」を始めるにあたってのあいさつ文で、オンヌリ教会のハ・ヨンジョ牧師はそのように訴えた。
 日本でも昨年11月と今年4月の2回、大阪オンヌリ教会で「父親学校」が開催された。何を学び何を感じたのか、参加者たちに聞いてみた。
 「家内や子どもに手紙を書く宿題があって、その宿題と取り組みながら、父親としての姿勢を振り返ることができた」と新野吉男氏(55歳。3人の娘の父)は語る。「ほんとうは、子どもとたわいもないことを仲良く会話したがっていた自分に気づいた。家内をハグする(抱きしめる)という宿題もある。今では自然にそれもできるようになった。一番驚いたのは、妻の頭の上に手をおいて祝福の祈りをしたとき。ガラッと変わったわけではないけど、小さな変化がとてもうれしい」
 40年間企業人として勤め上げて退職、信仰生活48年の岡田謙一郎氏(65歳。成人した3人息子の父)。「息子のいいところを20項目あげなさいと言われた手紙に書いた。息子から、感動したという返事が届きました。愛していると思っていても私たちは表現することが苦手。学びの最後には妻を招いてみんなの前で洗足式をやる。そのときは、ほんとうにみんなで泣きました」
 寺本延善氏(55歳。2男1女の父)は、父という立場で牧師も信徒もみないっしょ、本音でしゃべり合えた体験に感動したという。「父という立場で集まることに意味を感じた。父としての切り口から聖書の真理が入ってくる体験だった。仕事ばかりに追われて家庭も地域も空洞化してしまった日本で、父としての役割を妻も子どもたちも求めていると思う。家庭が健全であれば職場も国も立ち直れることを深く確信した」と話す。
 父親に与えられた神からの霊的権威の回復こそが、家庭と社会の回復の鍵。クリスチャンだからこそ悟ることができる真理がある、彼らは口をそろえる。
    ◇
 日本地域「父親学校」の責任者であるダニエル朴潤秀氏は語る。「この運動は3つの柱があります。まず生活実践運動であること。そして、組織とか教会の思惑を超えた聖霊に導かれる運動です。宣教団体とかりっぱな組織をつくることが目的ではなく、ただ良い父になろうという運動です。3番目が一般信徒による運動だということ。奉仕もメッセージも信徒が中心になって行う。学校に参加して変えられた信徒が、今度はまわりの父親たちにこの感動を自発的に伝えながら、また自分も成長し続けていくのです。神は私たちの父である。神を知ることはほんとうの父を知ることだし、それが父としての使命感、霊的権威の回復につながる」と朴氏は語る。
 「父の霊性が教会や国家の霊性となる。良い父は、家庭の牧者であり、教会と社会のリーダーとなります。父としての正しいプライドの回復こそが重要だと思います」。朴氏自身も、この「父親学校」との出会いで、自分でも気づかなかった深い心の傷を癒された体験をもつ。「日本の父親たちのために、韓国でも熱心に祈っています。日本人の手で『父親学校』が運営されることが当面の目標です」と朴氏は話す。そのために、2回の「父親学校」参加者たちの親睦交流の会が継続して開かれている。
 多くの父親が挫折と絶望感に陥っているのは日本も同じ。父なる神との関係のなかから回復への道を示すことによって、社会をも変えていこうという「父親学校」のビジョン。日本でもその火が燃え広がることが期待される。近々、日本での3回目の「父親学校」が開かれる予定だ。
(連絡先Tel:06・6771・9781、日本ツラノ書院、パクまで)   【孫斉賢】

シンガポールチームと協力し愛知47大学に宣教を−−名古屋CCCインマヌエルミーティング0406200

 「愛知県内にある47大学すべてに働きかけたい。そのために100人の弟子が礼拝できる場所を」と祈り続けてきた名古屋キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(名古屋CCC。名古屋市中区の名古屋YMCAの一室が与えられ、今年の4月から週1回、そこで学生の弟子訓練を目的としたインマヌエルミーティングを開いている。5月24日から6月18日にかけては、来日したシンガポールの宣教チーム「シンガポールフレンズ」と協力し、宣教と共に今まで名古屋CCCがかかわってこなかった大学に行き、拠点作りのための調査が行われた。名古屋CCCが15年目を迎え、他大学にも宣教活動を拡大しようとしている。
 5月28日に開かれたインマヌエルミーティングでは、南山大学、中京大学ほか約40人の学生が集まった。
 集会は明るく和やかな雰囲気のなか、賛美、シンガポールフレンズ12人の紹介、シンガポールCCCスタッフのイライザさんによるメッセージ、弟子訓練へと続く。
 弟子訓練では、クボ・ジョディさん(名古屋地区ディレクター)から、ジョディさん自身が考案した「サーバント伝道」を学んだ。1対1でなく2人で組んで個人伝道する方法で、「シンガポールフレンズと一緒に学内で伝道する備え」だという。
 「お互いが証しができるようお膳立てをします。相手が証しをしやすいようにふってください。ふられた方も上手にのって証しをします。プレゼンテーションでなく会話の方がいい。どうやってパートナーに証しをさせるかがポイント。証しがすばらしい伝道の道具です…」
 そして3人1組になり、クリスチャンでない学生役に、1人が証しし、1人が横で聞くという形で練習をした。写真入りの新しい伝道ツール「KGP(KNOW- ING GOD PERSONALLY)」を使った伝道の仕方も実践した。
 インマヌエルミーティングは、福音を聞きクリスチャンになった大学生が、今度は弟子訓練を受けることで友だちに伝道するようになることを目的としている。いかに福音を伝えていけばいいのか、小グループでの個人伝道の実演、練習が主だ。「具体的には、楽しく伝道の仕方を学ぶこと」とジョディさんは言う。
 クリスチャンでない学生も参加している。当日も10人いた。彼らは、メッセージのあとに、求道者向けのイエスがどういう方かについて聖書から6回シリーズで学ぶコースに出席する。
 毎年、この時期に伝道のため名古屋に来るシンガポールフレンズの目的も変わった。今年は伝道だけでなく、未開拓の大学のリサーチが加わった。
 イライザさんは「今年はリサーチチームがあります。リサーチチームは、名古屋CCCが行ったことがない大学に行き、クリスチャンの学生や教師がいないか、情報を集めることが目的。いたら、彼らとコミュニケーションをとります。キャンパス内では祈りながら歩くプレア・ウォーキングをします」と語る。
 名古屋CCCは90年にスタートし、南山大学、中京大学、名古屋大学を中心に活動してきた。そのうち、南山大学での名古屋CCCの活動「南山アライブ」は、学内ではほかのサークルとは違う楽しく明るい雰囲気のあるサークルとして評判だ。
 スタッフの一人、水野秀昭さんは「真理を求めて来るというより、ほかのサークルと何か雰囲気が違う、ということで学生が来るケースが多い。そういう学生にはいきなり伝道するよりも、まず友だち関係づくりをし、それから証しをする方が効果的ですね」と語る。
 3大学を維持していくだけでも大変な状況の名古屋CCCだが、「数年前から3大学をベースにしながら、愛知県内にある47大学へ働きを広げていこうとのビジョンがスタッフ一人ひとりに与えられた」と水野さん。「その中で名古屋YMCAのあの場所が、好条件で与えられました。神様が道を拓いてくださったのだと思います」と語った。       【中田 朗】