[CSD]2004年8月22日《ヘッドライン》

[CSD]2004年8月22日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎英連邦戦没者追悼礼拝10年——戦時下の残虐行為の謝罪を若者世代へ
★春日部福音自由教会・敗戦記念礼拝——ドイツの歴史に学び平和祈る
◎日本福音同盟:アジア教会の迫害に緊急の祈祷課題発表
★<恵みのどんでん返し>ライフからソウルサイクルへ 記・滝田 新二
★<落穂抄>ボンヘッファーのことば  = 2 面 =
★民主党の創憲への中間報告「一神教」批判に意義——土肥隆一氏、党憲法調査会に参加へ
★<イラク戦争肯定の理由>[7]印象は政府見解の代弁者 記・渡辺 聡
★イラク:教会爆破事件に世界の教会指導者が非難
★千代崎秀雄氏しのぶ記念会——9月11日にホーリネス・東京中央教会で
★<論説>生涯教育について考える——勉強は一生続けたい 記・杉本 玲子
★<今週の本棚>『恵みを知らないクリスチャン』デイビッド・A・シーモンズ著(イムマヌエル綜合伝道団出版局、1,785円) 評・中島 秀一
★<今週の本棚>『聖書を信仰と生活の規範として—Q&A』佐藤 順著(アンカークロス出版、840円)
★<今週の本棚>『アポリュオン』ティム・ラヘイ、ジェリー・ジェンキンズ共著(いのちのことば社フォレストブックス、1,890円)
<情報クリップ>催し情報ほか  = 3 面 社会福祉特集=
★訪韓で障がい者の自立図る——単立・淀川栄光教会
★ケニア・パラダイス孤児院新築——エリム宣教会  = 4 面 会堂建築特集—被災教会の会堂再建=
★信徒10人の小さな群——鳥取・西伯法勝寺教会
★二重苦乗り越え再建へ——兵庫・志筑教会
★「祈られた地を下さった」——広島・吉浦キリスト教会
★「ここに新会堂を」と思いがけない献金——北海道・虻田福音キリスト教会  = 5 面 =
★豪から若者の波押し寄せる——超教派青年ミニストリー「ユースアライブ」来日
★インタビュー:ポール・アンドルーさん(ユースアライブ中心メンバー)
◎バッハゆかりの教会で「ヨーロッパ・キリスト者の集い」——在欧邦人が音楽伝道会
★アテネ五輪:注目されるなでしこジャパンのゴールキーパー小野寺志保選手
★オルガニストいない教会にもニュース——賛美歌・聖歌自動演奏機能付「ヒムオルガン」今秋発売へ  = 6 面 教会学校教師のひろば=
★「総キリストの弟子」目指す——福井自由キリスト教会・MEBIG
★<先生 キラッ>鶴岡 大さん(福井自由キリスト教会)
★<ゆっくり行こう!CS教師>[24・最終回]創造的教育に勇気と信仰を 記・福井 誠
★<オッフーの神様と出会っていますか?>[12・最終回]神さまは常に真実な方 記・藤田 桂子
★<まいまいのちょっと愛デア>[12]若者の質問にどう答える? 記・永井 真衣子

英連邦戦没者追悼礼拝10年−−戦時下の残虐行為の謝罪を若者世代へ0408220101

 英連邦戦没者追悼礼拝(同実行委員会主催)が、今年で第10回目を迎えた。神奈川県横浜市保土ヶ谷区の英連邦戦没者墓地で8月7日に開かれた追悼礼拝には、イギリス、オーストラリア、オランダなどの大使館関係者ほか、横浜隼人高等学校の生徒約80人が自主的に参加。第2次世界大戦中、日本軍が英連邦及び旧連合軍兵士にしてきた残虐行為が戦後の若い世代にも知られ、日本がかつて諸外国にしてきたことに対する謝罪の意識が広がりつつある様子が見られた。クリスチャンも多数かかわるこの草の根運動は10年目を迎え、今まさに戦後世代へと引き継がれようとしている。
 同追悼礼拝は、第2次世界大戦中、日本軍に強制連行され、過酷な労働を強いられたのちに各地の収容所で亡くなった英連邦及び旧連合軍兵士千873人を覚えるもの。
 戦後50年に当たる1995年に、戦時中、タイとミャンマーを結ぶ泰緬鉄道建設にかかわり、罪の意識からその戦後処理のため謝罪活動を続けてきた永瀬隆氏(元日本陸軍通訳)と、斉藤和明氏(国際基督教大学名誉教授)、雨宮剛氏(青山学院大学名誉教授)の呼びかけで始まった。
 追悼礼拝で大庭昭博氏(青山学院大学教授)はエペソ2章の「敵意という隔ての壁を取り壊し」から、「この10年は敵意を取り除くことに寛容な社会ではなかった。しかし、この敵意を取り除かなければ、本当の平和、人々が共に生きる世界はできない」と追悼の辞を述べた。
 英連邦を代表し、オーストラリア大使館武官M・E・ホアー陸軍大佐は「世界の平和を作るためには、歴史をしっかり見、和解の仕事を確実に行い、特に若い人たちが永瀬さんのような仕事をすること」、旧連合軍を代表しオランダ王国臨時代理大使のヤン・ヘイツマ氏は「戦後60年の今も、オランダ人にとって戦争は日常生活の生々しい一部。過去に起こったことを忘れるべきではないのと同時に、未来にも目を向けなければならない」とあいさつした。その後、納骨堂、オーストラリア、カナダ・ニュージーランド、インド・パキスタンの墓地を回り、戦没捕虜たちの碑に花を献げた。
 最後に呼びかけ人の1人の雨宮氏は「戦争することは簡単だが和解することは大変。今も和解ができていない。だから若い人たちがぜひこの活動を引き継いで、この追悼礼拝が100年以上続くことを願う」と語った。
 参加した横浜隼人高校の生徒たちは「日本がこんなにひどいことをしているのを、初めて知った」「戦争がなくなるといいと思う」「2度と戦争が起こらないよう、私たちが奉仕していく必要がある」「これからもできるだけ参加したい」と感想を述べた。
 雨宮氏は「今回は特に2人の後継者に任せて、追悼礼拝を実施した」という。東京ホライズンチャペル伝道師の奥津隆雄氏と、雨宮氏が主催するフィリピン体験学習に参加し人生が変わったという志田芳江氏だ。雨宮氏の教え子でもある奥津氏は「この活動を継承していく一番の大きな理由は、自分の中の罪と向き合うことが平和につながるということ。雨宮先生が払ってきた犠牲を私も引き継ぎたい」と語った。
 また実行委員の1人で青山大学経営学部4年生、横浜隼人高校卒業生でもある矢口貴大氏は、高校の恩師に参加を呼びかけてもらったことが、生徒が来るきっかけになったと語る。「自主的に参加した高校生が多かったのがうれしい。生徒の何人かがボランティアに参加したいとも言っている。この活動がもっと若い人たちに広がってほしい」と語った。
 永瀬氏は「若い人たちに我々の願いが浸透していていることを喜んでいます。私もそう長くないので、若い人たちにこの追悼礼拝を継続していってほしい。また、地元の人たちがもっとこの活動にかかわってほしい」と感想を述べた。  「英連邦戦没者追悼礼拝」実行委員会では、ボランティアを募集している。問い合わせはTel&FAX:04・2959・7567、奥津まで。

日本福音同盟:アジア教会の迫害に緊急の祈祷課題発表0408220103

 8月1日、イラクのバグダッドとモスルで教会をねらった同時多発テロが起き、10人以上が死亡した事件が起こった(2面に関連記事)。このほかにも7、8月にはアジアのいくつかの地域でキリスト者や教会をねらった迫害が起こっている。これに対し日本福音同盟(JEA・小川国光理事長、具志堅聖総主事)は、「緊急の祈りの依頼」の文書をJEA加盟会員、教会など関係者、関係機関などに向け送った。文書は世界福音同盟報告書などによる情報。文書では、スリランカ、インド、インドネシア、イラクの状況と祈祷課題が掲げられている。
スリランカ
 国会において宗教的回心を刑事犯罪とする条例が制定されようとしている。また、それを通じて仏教徒僧によって管理される非公式の法廷で、国の法律や警察の関与なしに村々で諸問題を解決することができるようにしている。戦闘的な仏教徒が法的力をもってキリスト教会に圧力をかけ、撲滅を企てている。
【祈祷課題】
1.スリランカ政府が真の正義と自由を保つことができるように。
2.最高裁に嘆願書を提出したスリランカ福音同盟のヨガラジャ総主事のために。
3.スリランカの教会が聖霊の注ぎを受けて困難の中でも守られるように。
インド
 新政府はキリスト者をはじめとする少数派の人々を宗教闘争から守るため条例を制定しようとしている。ところがヒンズー教国家主義者が反対運動を繰り広げている。ヒンズー教急進派の一部はアッセンブリーの宣教師の妻、マヌルナベン・ディナナ氏を誘拐した。
【祈祷課題】
1.インド政府の条例制定のために、神が豊かな知恵を与えてくださるように。
2.ヒンズー教国家主義者による反対運動が終わり、暴動がやむように。
3.マヌルナベン・ディナナ氏の速やかな解放のために。
4.インドの教会が信教の自由を正しく保つことができるように。
インドネシア
 7月18日、中部のスラウェシで教会の日曜日の夕礼拝の最中に覆面をした5人の暴徒がスシアンティ・ティヌレレ牧師と信徒を射殺。4人の10代の子どもたちも重傷を負った。それに伴いインドネシア東部で緊張状態が続いている。
【祈祷課題】
1.被害を受けた教会の上に主の助けと癒しが与えられるように。
2.中部、東部にいるキリスト者の上に主の助けと平和が与えられるように。
3.迫害下にある教会が聖霊に満たされて豊かな恵みにあずかれるように。
イラク
 ヨルダン系イスラム指導者、アブムサブ・ザルカウィ氏によるものと思われるテロが起きる中、8月1日の夕礼拝中に4つの教会で爆発が起きた。11人の死亡者と50人以上の被害者が出た。イラクで生活するキリスト者がテロの標的となっている。
【祈祷課題】
1.神が悪しき者の計画を覆されるように。
2.イラクの統治に関して主が御業をなしてくださるように。
3.イラク人キリスト者を主が守ってくださるように。
4.暴力の連鎖が断ち切られ、一日も早い平和が民に与えられるように。

バッハゆかりの教会で「ヨーロッパ・キリスト者の集い」−−在欧邦人が音楽伝道会0408220503

 毎年夏に開催されるヨーロッパ・キリスト者の集いが、7月28日から8月1日まで、ドイツ・ハンブルク近郊のリューネブルクで行われた。ヨーロッパ12か国から39グループ、380人あまりが参加した。会期中の7月31日には、音楽伝道会が開催され、大勢のクリスチャンでない在欧邦人やリューネブルク市長らも訪れ、盛況だった。
 「集い」は今年で21回目。在欧邦人が一堂に会し、互いに祈り励まし合い、各地の日本語集会の牧師らの聖書メッセージに耳を傾けるなどしてきた。特に日本語集会のない地域に住む人にとっては、母国語でメッセージを聞くことができる貴重な時だ。昨年ドイツ・プラハトでの集いでは、関係者の絵画や説教集などを会場に置くなど毎回趣向を凝らしている。
 今回の目玉は音楽伝道会(賛美と黙想の夕べ)。在欧の邦人クリスチャン音楽家らが、総力を結集させた。ブクステフーデやバッハ、フレスコバルディのオルガン曲、デ・フェッシュのリコーダー作品のほか、カタロニア民謡「鳥の歌」、スペイン人作曲家モンボウの「魂の歌」などヨーロッパ各地の音楽が披露された。最後は、伝道会のために有志で編成された聖歌隊によるヘンデルのメサイア「アーメンコーラス」で締めくくった。
 伝道会会場となった聖ミヒャエル教会は、バッハが15歳から17歳まで少年聖歌隊隊員だったゆかりの教会。バッハはこの教会のオルガニストたちから音楽理論とオルガンの構造を学んだという。
 これまでも「集い」では伝道会を開催してきたが、これほど大規模のものは初めてだ。日本から参加したロンドンJCF(Japanese Christian Fellowship)元メンバーの青木勝さんは、「オルガンの響きが本当にすばらしかった。在欧邦人クリスチャンの音楽レベルは非常に高い。クリスチャンでない出席者も、感激しておられた。ヨーロッパ・キリスト者の集いには、毎年日本からでも参加したい」と伝道会の感想を語る。  「毎夏、感謝と課題を分かち合い、祈り合い励まし合うことは貴重な機会。欧州から他地域に異動された方も多いが、クリスチャンのグローバルなつながりで、フォローし合うことができれば幸いだ」と青木さんは話す。
 来年はドイツ・ボンで開催の予定。詳しくはケルン・ボン日本語教会小栗献牧師、Eメールoguken_0612@mac.comまで。