[CSD]2005年2月6日《ヘッドライン》

[CSD]2005年2月6日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★歌で社会と教会の橋渡し——新宿で路上ライブ神山みささん

 = 2 面 ニュース=
◎「日本宣教学会」6月発足へ——プロテスタント各派・カトリックが共同研究
★<教界ニュース>フェリス女学院、信教の自由・人権と政治学会ほか
★ドイツ:教会は1週間いつでも開いていてほしい——世論調査で4分の3が希望
★米国:津波被害、救援か伝道かで意見対立
★イタリア:F1のシューマッハが教皇にフェラーリのモデルカーを贈呈
★<落ち穂>三浦文学は夫妻の二人三脚から

 = 3 面 宣教リポート=
★<宣教まっただ中>フィリピン発[2]各国からマニラの神学校に 記・島先克臣
★シマトラ沖地震・津波:迫害受けた異教徒を支援——スリランカ東岸の教会
☆<とっておきの情報の話>[9]非常識?なお祈り

 = 4 面 牧会=
★<ディアスポラ日本人伝道を考える>[4]ディアスポラ宣教の4段階-1- 記・清野 勝男子
★JEAが「帰国者のフォローアップを考える」懇談会を呼びかけ
★<オピニオン>震災時、地元教会は世の光として輝きたい 記・碓井 真史
★<恵みのどんでん返し>中国での聖書運びに失敗し 記・開登 翔

 = 5 面 神学・社会=
★アメリカ福音主義神学の動向<上>:多元主義の世界で福音の弁証を探る
★<今月の神学書評>論集『聖化論の研究』小林和夫著(日本ホーリネス教団、4200円)評・藤本 満

 = 6 面 関西だより=
★震災から10年、揺れ動かぬ愛で未来に望む——各地で阪神大震災メモリアル集会
★<震災から10年>[2]震われない御国 記・小平照夫

 = 7 面 ビジネスパーソン=
★人生のNPOシフトが社会を豊かに——山岡義典さん[下](日本NPOセンター副代表理事)
★<うつは心の風邪>[6]うつ病の予防-2- 記・吉田 博

 = 8・9 面 2・11特集=
◎危うさ残る司法判断——自衛隊宿舎ビラ投函事件判決文は教会活動にどう影響?
★日の丸・君が代強制は信仰の根幹にかかわる——都立高校教師・岡田明さん
★教会の土台は信仰告白に——絶対的な存在は教会でなく唯一の神
★JEA信教の自由セミナー報告書が発刊——「教会と平和~憲法九条を軸として」
★2・11関連集会


 = 10 面 教会教育特集=
★次世代の教会の柱を育てる——兵庫・光の子どもクリスチャン・スクール
★聖書の役立つ教科書シリーズあいついで出版
★教会学校教師セミナー

 = 11 面 教会学校=
★<教会学校教師のひろば>キックベースボールで教会がリフレッシュの場——荒川聖泉キリスト教会:五つのパン
★<CS分級>ふしぎな物体・スライムづくり 記・石橋 えり子

 = 12 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「Ray/レイ」(1月29日公開)
★BOOK:『レゴで遊ぶ天地創造ものがたり』ブレンダン・バウエル・スミス著(二見書房、1700円)

 = 13 面 今週の動き=
★<今日は何の日>2月6日—12日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ

 = 14 面 教会=
★虫プロ出身の牧師による絵画・まんが教室——JECA・柿生キリスト教会

 = 15 面 教会生活=
◎雪で修復作業進まず——今も余震続く新潟中越地方
★豊かな神のふところに憩う——大自然の中で野外礼拝
★<林檎の風にのせて>[17]神様からの金メダル 記・正村 八重子

 = 16 面 ひと=
★野々村須寿子さん(びーいんぐの会世話人)——引きこもりの経験を生かし親子を支援

「日本宣教学会」6月発足へ−−プロテスタント各派・カトリックが共同研究0502060201

 キリスト教の宣教分野にかかわる学者、研究者、神学校教師らを広く糾合し、「日本宣教学会」を発足させようという動きが具体化してきた。東京ミッション研究所(TMRI、金本悟所長)が呼びかけて1月25日、同研究所の事務所がある東京・東村山市の東京聖書学院で発起人会が開かれ、福音派、主流派、ペンテコステ、カトリックから20人余りが参加し、どのような性格の学会を目指すかなどについて意見交換した。6月17日に東京聖書学院を会場に同学会を設立することを申し合わせ、規約の起草など準備のためのドラフト委員会を立ち上げた。   キリスト教がそれぞれの文化・社会にどのように伝わるのか、その歴史や社会的要因、また実践とその背景にある神学など、複合的な要素を扱う宣教学は、聖書論や教理的立場によって分かれる他の神学分野と異なり、教派的な違いを超えて研究を共有しやすい。アメリカ宣教学会では、いわゆる福音派からNCC系(主流派)、カトリックまで、幅広い学者が共に研究活動をしている。日本にはこれまでそうした宣教学会はなく、宣教学に携わる人々は日本福音主義神学会の中で実践神学部門の一部として活動しているほか、各教派や神学校の研究機関で個々に活動してきた。  「日本宣教学会」は、そうした従来の個別的なあり方を乗り越え、共通の課題をもつ研究をぶつけ合いながら、対話と議論の中でさらに研究を深め、発表するようなグループを目指す。TMRIでは89年に発足以来、多様な立場の講師を迎え、対話と討議を進めてきた。西洋の宣教の歴史に対する見方に根底から変革を促し、プロテスタント・カトリック双方に多大な影響を与えたメノナイト派の宣教学者デイヴィッド・ボッシュの著書『宣教のパラダイム転換』(新教出版社)を99年から01年に邦訳出版した際には、カトリックやNCC系も含めた幅広い翻訳者の共同作業によって実現した。また国際的な神学会議で、宣教学研究者のネットワークの必要が認識されるようになってきた面もある。そうした経緯を背景に日本宣教学会発足の機が熟してきた。  正式の規約作りはこれからだが、これまでの話し合いでは、学会の目的を「日本における宣教を学問的厳密さと信仰的洞察をもって検証し、預言者的存在として聖書的使信を大胆に提示し、新しい時代に向けて主の教会に仕えていく」こととし、リサーチや研究発表、論文集の出版、集中討議、インターネットでの対話などの活動を想定している。  発起人会の出席者からは「専門的な視点をもった人も、宣教をとらえ直してみたいという一般的な関心をもった人も参加でき、各神学校で宣教学を教えている人が宣教とは何かを話し合うことができるような学会であってほしい」「新約学、旧約学では教派的に立場が分かれるが、宣教学会は教派を超えた交わりがもてることを期待している」などの意見が出た。出席者らは、当初の暫定的な事務所をTMRIに置くことを申し合わせた。  東京ミッション研究所事務所=東京都東村山市廻田町1ノ30ノ1、TEL&FAX:042・396・5597、Eメール=tmri@zar.att.ne.jp

危うさ残る司法判断−−自衛隊宿舎ビラ投函事件判決文は教会活動にどう影響?0502060801

 昨年2月、東京・立川市の市民団体「立川自衛隊監視テント村」のメンバー3人が、自衛隊イラク派遣反対を訴えるビラを防衛庁立川宿舎の各室に配ったところ住居侵入容疑で逮捕、75日間拘留された。昨年12月東京地裁八王子支部(長谷川憲一裁判長)は全員に無罪の判決を言い渡した。この事件はクリスチャンに何を投げかけるのか。判決文から読み解く。
 判決では、メンバー3人の宿舎への立ち入り行為は「居住者及び管理者の意思に反するというべきであり、『侵入』に該当する」としている。その上で動機の正当性、行動態様の相当性、結果として生じた被害の程度などから、刑事罰を受けるような違法性はないとし、「居住者及び管理者の法益の侵害は極めて軽微」と結論づけている。「3人が行ったビラ投函は憲法21条1項の保障する政治的表現の態様であり、民主主義社会の根幹をなすものとして、営業活動など経済的自由に比して『優越的地位』にあり、憲法上特に強い保障を受けると判示した」との法学者声明が出ている。
 実際、住居の郵便受けには様々な商業チラシが投函されている。投函するためには、住居の敷地に入ることも当然ある。そのような中で、テント村のチラシが問題にされたことに、東京基督教大学の櫻井圀郎教授は「資本主義の誤った理解からか、営利活動を保護育成しようという視点から、営業活動について寛大である反面、非営利の活動については厳しいという傾向をもっている。政治・宗教活動については特にそうだ」と指摘する。
 裁判の過程で警察が「被害届」を自ら作成して、住民に署名させたということが明らかにされている。表現の自由は侵されてはならない国民の権利だ。教会が集会案内チラシなどを地域の住宅にポスティングするといった場合、チラシの内容によっては今回のようなことが起こりうる。
 テント村のメンバーと市民活動を通じて面識のある関口美樹さん(カンバーランド長老・国立のぞみ教会員)は、「今回は、表向きには住居不法侵入とされ、ビラの中身により3人は逮捕、起訴されたという二重構造になっている。これは検閲に当たる。憲法で表現の自由が保障されているのにもかかわらず、権力に対して意見できない社会になっていることが恐ろしい。教会が歴史に責任をもたず、声をあげなければ見張り役としての存在意義をなくしてしまう」と警鐘を鳴らす。  キリスト者は事件を見過ごしにはできない。

雪で修復作業進まず−−今も余震続く新潟中越地方0502061501

 昨年10月に新潟県中越地方を震度6強の地震が襲った「新潟県中越地震」。発生から約3か月たつが、会堂の補修に多額の費用がかかる、雪で修復作業が進まない、教会員に精神的な後遺症がある、余震が続いているなど、被災教会のメンバーは不安な日々を送っている。
 震源地に近い小千谷市城内町にある伝道福音・小千谷福音キリスト教会の日野尾美佐子牧師は「会堂は、日本バプテスト連盟、新潟聖書学院、日本飢餓対策機構(JIFH)ほか、教団教派を超えて全国の諸教会からの援助を受けたので守られている。しかし、家がつぶれたり家族が今も仮設住宅で生活している教会員がいる」と語る。「今は義援金を送ってくれた教会、団体などへのお礼状書きなど、事務処理に追われている。疲れも出ている」と語った。
 栄町の日本宣教会・小千谷キリスト宣教会の丸山旭牧師は、「町はまだ落ち着かない状態。雪の重さでつぶれた家も。2月初めからひびが入った会堂内側の補修を始めた。余震がなくなるよう祈ってほしい」と述べた。
 長岡市では、学校町の長岡聖契キリスト教会(日吉俊泰牧師)が昨年12月11日、被災した市民の励ましにと、ゴスペルジャズ演奏家のロン・ブラウン氏を招き「長岡市民クリスマスチャリティーコンサート」を開いた。「町の人たちのため私たちのできる最大の努力をささげた」と日吉牧師。24日には山古志村に義援金を届けに来たゴスペル歌手の森祐理さんを招き、同教会でクリスマスイブコンサートを開催した。
 会堂にダメージを受けた同教会は、雪解け後全面的な会堂改修を行う予定。「被害がない土台と柱を生かしつつ、大きな地震に耐えられる会堂に修復したい」。今年1月には建築委員会を立ち上げ、「私たちにとって経済的に何が一番いい方法か」を同委員会で検討していく。
 西新町にあるインマヌエル長岡キリスト教会の勝間田充夫牧師は、「今は雪との戦い」と語る。「家にひびが入っており、みな雪に敏感になっている。負担を少しでも軽くするため、みな早めの雪おろしをしている」
 同教会は地震の影響で、会堂の壁のいたるところにひびが入ったり、駐車場が波打ってでこぼこになるなどの被害に遭ったが、雪が溶け、春にならないと修復作業に取りかかれない状態だ。勝間田牧師は「教団を始め多くの教会から支援をいただいたが、修復費用がいくらかかるか全く分からない状態。地震時に受けた精神的ショックもある」と祈りの要請した。
 緑町の伝道福音・長岡福音キリスト教会(新保勇牧師)は、礼拝堂の2階を支える柱や梁がずれ、床もでこぼこなため、一時は1階ホールで礼拝を守った。「建物は危険な状態だったが、JIFHから派遣された大工が応急処置をしてくれ、何とか使用可能。建て直しも検討中。日本福音同盟(JEA)を始め全国からお見舞い、祈り、励ましをいただいた」と新保牧師は感謝する。「地震の影響で精神面に後遺症が出ている信徒もいる。祈ってほしい」と述べた。
 十日町市本町西の日基教団・十日町教会の新井純牧師は1月の教会総会で被害甚大だった牧師館の再建を承認。一時中断していたボランティアも1月末から受け入れている。新井牧師は「例年に比べ雪が多い。被災者の方々に平安があるよう祈ってほしい」と述べた。