[CSD]2005年4月3日《ヘッドライン》

[CSD]2005年4月3日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★講壇の十字架 落下した教会も——福岡西方沖地震:深度6の揺れ礼拝襲う

 = 2 面 ニュース=
◎新渡戸の精神を次世代に——to be出版が出版記念講演会
★<教界ニュース>東京キリスト教学園ほか
★米国:訪中のライス米国務長官が公認教会で夕礼拝守る
★中国:米国人ら福音派指導者ら10人を拘留・追放
★バチカン:暗殺未遂の黒幕は共産国、と教皇が自伝的新著で示唆
★<落ち穂>「石井のおとうさんありがとう」劇場公開への反響

 = 3 面 全面広告=
☆<宣教まっただ中>タンザニア発[2]力を入れる子ども伝道 記・清水 担
★元日本軍捕虜のS・メティカフ宣教師が半生記を出版——『闇に輝くともしびを継いで』(フォレストブックス、1260円)

 = 4 面 牧会=
★<今、家族を考える>[5]犯人捜しをしない 記・堀 肇
★<牧会ジャーナル>[2]「耳・目・手」 記・大塚寿郎
★<オピニオン>「現代の福音派の礼拝」に意見を求む 記・後藤 喜良
★<恵みのどんでん返し>倒れた父に教えられた御言葉の意 記・野中 宏樹

 = 5 面 神学・社会=
★<ローザンヌ運動30歳>グローバリーゼーション 記・杉岡 直樹
★「ダ・ヴィンチ・コード」の錯誤
★<今月の神学書評>『日本と西洋キリスト教』ロバート・リー著(東京ミッション研究所、2940円)評・東條隆進

 = 6 面 関西だより=
★被災者の画家が描く震災絵画展——大阪女学院で開催
★「聖書の研究わかった」——京都・大阪で新改訳聖書第三版セミナー
★<震災から10年>[最終回]福音の光 高く掲げて 記・小平照夫
★ヒュー・ブラウン氏が語る「新しい人生」——4月9日茨木市民会館で
★今こそカウンセリングを学ぼう——4月22日「キリスト教カウンセリング理論と実際」

 = 7 面 放送伝道特集=
◎日本の電波伝道の父・羽鳥明氏——放送伝道開始50周年
★メディアの変遷と放送伝道——送り手、団体から教会や個人へ
★日本の放送伝道略年表

 = 8・9 面 新地域特集/大阪=
★座談会:大阪宣教祈祷会の歩みと将来への展望——団結力日本一の地で福音の業前進

 = 10 面 ビジネスパーソン=
★小西 孝蔵さん[中](農林水産省大臣官房統計部長)
★<気持ちが伝わる話し方>キリストはお笑いになったか? 記・中野 雄一郎

 = 11 面 教会学校=
★<教会学校教師のひろば>着実に実を結ぶ工夫と祈り——同盟基督・伊那聖書教会:レインボーキッズ
★<CS分級>段ボールで作ろうノアの箱舟 記・石橋 えり子

 = 12 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報、放送伝道ハイライトほか
★CD:「なつかしの日曜学校讃美歌/讃美歌で綴るイエスの生涯」三鷹木曜会合唱団(同合唱団、1000円)
★BOOK:『生きかたを変える聖書のことば60』フォレストブックス(いのちのことば社、840円)
★BOOK:『ちんぷんかんぷん! It's Greek! 聖書ギリシア語おもしろ講座』橋本滋男著(日本キリスト教団出版局、1260円)

 = 13 面 今週の動き=
★<今日は何の日>4月3日—9日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ

 = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>Jリーガーといっしょにキックオフ——カンバーランド・高座教会

 = 15 面 教会生活=
◎福岡県西方沖地震:増改築献堂式に揺れ——礼拝中の強震 対応さまざま
★「神様からのギフト」受け取って——日本・ハワイ知的障がい者交流プログラム

 = 16 面 ひと=
★水谷恵子さん(インドネシアでボランティア活動)——「神様に言われ」スマトラに飛んだ

 = 別刷り教会建築・教会案内特集 =
★街と礼拝堂を結ぶ光の小道——日本基督教団信濃町教会
★街の内部空間を形成する美と用を備えた会堂——日本基督教団大和キリスト教会
★「ここに教会あり」——この街のもうひとつの顔を知らせよう

新渡戸の精神を次世代に−−to be出版が出版記念講演会0504030201

 「何をするか(to do)の前に、何であらねばならないか(to be)をまず考えよ」。キリスト者であり、日本を代表する国際人として知られる新渡戸稲造の言葉だ。この新渡戸のような先人たちの志を後の世代に伝えようと、昨年3月にto be出版(米窪博子代表)が発足。3月7日、『現代に求められる教養を問う―今、新渡戸稲造、南原繁、矢内原忠雄、吉田富三に学ぶ』(鴨下重彦編)、『南原繁と現代―今問われているもの』(南原繁研究会編)という2冊の本の出版記念講演会を、東京・文京区の東京ガーデンパレスホテルで開催した。
 『現代に求められる教養を問う』は、樋野興夫氏著『がん哲学』の出版を記念し、昨年4月に東京・渋谷区青学会館で開催された公開講演記録を、『南原繁と現代』は、昨年11月に千代田区の学士会館で、南原繁没後30年を記念して開催されたシンポジウムを中心に、それぞれ編集したものだ。
 出版記念に際し、「今、なぜ『to beか』 新渡戸稲造・南原繁に学ぶ」と題して東京女子大学学長の湊晶子氏、拓殖大学副学長の草原克豪氏、順天堂大学医学部教授の樋野興夫氏が講演した。
 昨年12月に『新渡戸稲造と妻メリー―教育者・平和主義者として』(キリスト新聞社)を出版した湊氏は、「21世紀の教育の指針―なぜto beか」「新渡戸稲造の人格論とリベラルアーツ教育」「新渡戸稲造の人格論を現代に橋渡しした南原繁」について講演した。
 湊氏は「to know(知ること)だけでは十分ではない。to do(それを実行すること)が大切である。しかし最も大切なことは、to be(あなたがあなたとして存在すること)である」「Personality(人格)のないところにはResponsibility(責任)は生じない」と、新渡戸の人格論を集約した言葉を紹介。「新渡戸の人格論は、人格的神との垂直縦関係に樹立される自己の形成で、キリスト教の神学に根ざした人格論だった」と述べた。現在、教育基本法改正の動きが、日本の愛国心を養うことに傾いていることにもふれ、「今こそ新渡戸の人格論、教養教育に根ざした教育が行われなければならないだろう」と語った。
 草原氏は、新渡戸が学監を務めた拓殖大学とのかかわりを中心に講演。新渡戸の同大学にかかわる資料があまり残されていないことを挙げ、戦後の民主化の中で、植民政策にかかわる新渡戸関係の資料を弟子たちが表に出さなかった、という仮説をたてた。「新渡戸は俗世間を離れて信仰や教育の世界だけで生きた人間ではない。複雑な国際関係の中で日本の国益のために尽力した現実主義者だった。植民政策者として新渡戸を考える時、歴史観が問われる。しっかりとした世界観、歴史観、倫理観に立った座標軸を確立することが現代に求められているのではないか。それがto beではないか」と語った。
 『われ、21世紀の新渡戸とならん』(イーグレープ)の著者で、to be出版の編集長でもある樋野氏は、同出版の設立の経緯を述べ、「新渡戸稲造、南原繁、矢内原忠雄、吉田富三という先人たちの思想を後世に伝えなければもったいない、ということが出版のモチベーションだ。なすべきをなそうとする愛であり、今回の出版は時代の要請である」と語った。
 その後に開催された懇親会では、成蹊大学教授加藤節氏、東京大学名誉教授福田歓一氏があいさつ。資生堂代表取締役社長池田守男氏と教文館会長宮原守男氏が祝辞を述べた。

日本の電波伝道の父・羽鳥明氏−−放送伝道開始50周年0504030701

 日本における「電波伝道の父」と称されるラジオ牧師、羽鳥明牧師(太平洋放送協会名誉会長)の放送伝道開始50周年を記念して、3月14日、東京・新宿区のウェスレアン・淀橋教会で記念感謝会が開かれ、関係者ら約140人が集まった。
 羽鳥牧師は「栄光神にあれ」と題して説教。毎朝、妻や子どものための祈りを紹介。「私がしょっちゅう外に出て、妻はやもめのようになって子どもを育ててくれ、4人の子どもも神を恐れる者になり感謝。神様に、妻に感謝です」と妻、黎子さんをねぎらった。
 羽鳥牧師はアメリカ留学中の1950年に、現地の日系人向けに日本語でラジオ伝道をスタート。帰国後の54年、宣教師が始めていた放送伝道に加わり、以来ラジオ牧師として活躍し、今も現役のメッセンジャーだ。「ここまで来られたのは、私ではなく、神の恵みです」と語った。
 感謝会発起人代表の峯野龍弘氏は、「羽鳥先生は日本のメディア伝道の草分け。日本の教会の大功労者だ」と話した。
 いのちのことば社の多胡元喜会長は、同社から羽鳥牧師の信仰書が26冊、52万部発行されていることを紹介。文書伝道においても、大きな貢献があったことを語った。

福岡県西方沖地震:増改築献堂式に揺れ−−礼拝中の強震 対応さまざま0504031501

 福岡県福岡市の北西、玄界灘を震源とする地震が起きたのは、3月20日の10時53分ごろ。同地域の多くの教会が、ちょうど礼拝中の時間だった。突然襲った強い揺れに、その対応は、教会によってさまざまだったようだ。      ◇
 福岡市東区にあるKKFF・香住丘キリスト福音教会の野村幸生牧師は、「大きな車両が通るとガタガタと揺れがくることがありますが、最初はそれかなと思っていました。揺れ方が大きく、少し続くので地震だと分かりました。揺れ始めて地震だと分かるまでは、ほんの2、3秒だと思いますが、時間がかかりました」と言う。
 聖餐式と福音集会(礼拝)の合間の時間にあたり、教会員それぞれが、集会の準備や立ち話などをしているところだった。教会内でそれほどの混乱はなかったという。台所のガラス製の食器がいくつか棚から落ちて割れたりなどの被害があった。
 会堂を約2倍の広さに拡張した増改築が完成し、午後には献堂式を予定していたが、増築部分とこれまでの建物の接合部分にひびが入った。交通機関の乱れなどもあり、出席者の到着が遅れる場面もあったが、開始時刻を20分ほど遅らせて献堂式を予定通り行った。
 その後も余震が続き、野村牧師は「余震がこんなに続くということには驚きました」と語った。地震後の数日、強い雨が降り続いたが建物に雨漏りなどもなく、建物内部のひび以外は特に支障はない状況だ。
 同市のほぼ中心に位置する中央区大名のバプ連盟・福岡国際キリスト教会(木村公一牧師)では、礼拝を中断し、強震がおさまった時点で路上に一時退避、40分後に落ち着いた後で再開となった。教会堂の建物の近くを活断層が走っているため、今回の地震で教会堂の建物が12センチほど東に向かって傾いていたことが分かった。同教会ではバイリンガル礼拝を行っているが、英語圏から来ている人の多くはあまり地震の経験がなく、一時はぼう然自失の状態だった。
 今回の地震で特に被害の大きかった福岡県前原市にあるバプ連盟・福岡西部バプテスト伝道所(藤田英彦牧師)では、教会堂の建物には被害はなかったが、「福岡市内から通う教会員には、経営するお店の建物が被害を受けたり、自宅が大きな被害を受けた人がいる。こうした人たちのためにぜひ祈ってほしい」と藤田牧師は言う。
 同市中央区のバプ連盟・鳥飼バプテスト教会(金美蘭牧師)では、礼拝の説教中だったが、礼拝を一時中断、併設する幼稚園の園庭に緊急避難、野外で礼拝を続けた。 教会堂は木造とコンクリートだが、壁や床のあちこちにひびが入った。建築業者による調査の結果、金牧師は「表面以外の部分も含めて、建物がかなり傷んだのではないか」と言う。
 地震の時、教会員には妊婦がいたことと、それ以外にも体調不良を訴える人がおり、ぜひ教会員の健康のために祈ってほしいという。     ◇
 今回の地震被害に対し、日本国際飢餓対策機構では、義援金を受けつけている。
郵便振替00170・9・68590 福岡県西方沖地震支援と明記。