[CSD]2005年5月15日《ヘッドライン》

[CSD]2005年5月15日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★ペンテコステ記念メッセージ:「渇ける人々」 記・藤本 満

 = 2 面 ニュース=
★東京・靖国参拝意見訴訟:憲法判断、明言避ける——韓国人原告悲痛の声
◎「宗教者九条の和」発足——宗教・信条を超えて改憲に反対声明
★ろう者伝道師養成——アッセンブリーろう者聖書学校開校
★<教界ニュース>日本キリスト改革派教会東部中会ほか
★<落ち穂>米国のクリスチャン事情調査結果

 = 3 面 ニュース=
★<宣教まっただ中>ハイチ発[3]大切なのは「魂の癒し」 記・根本律子
◎日本キリスト教会神学校・カルヴァン研究所新設——研究通し教会仕える

 = 4 面 牧会=
★<今、家族を考える>[10・最終回]家族の歴史を導く方が 記・堀 肇
★<牧師のつぼ>春先、疲労がとれない時 記・藤川直孝
◎<オピニオン>問われる「カルト化」への自浄作用 記・根田 祥一
★<恵みのどんでん返し>小さな群れの精いっぱい 記・中村 新造

 = 5 面 神学・社会=
★<ローザンヌ運動30歳>三分の二世界教会[中]日本にとって学ばされるリバイバルの秘訣 記・吉本 牧人
★<書評>『神学のよろこび』アリスター・マクグラス著(キリスト新聞社、2940円)評・具志堅 聖

 = 6 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★EVENT:「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展」東京・国立西洋美術館、5月29日まで
★CD:「WORSHIP SONG Vol.1」

 = 7 面 今週の動き=
★<今日は何の日>5月15日—21日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ

 = 8・9 面 全面広告=
☆月刊「百万人の福音」7月号から変わります
B5判からAB判に拡大。10本以上の新連載スタート

 = 10 面 ビジネスパーソン=
★負け犬だと思えた時に知った神の愛——小川 巧記さん[上]([愛知万博市民参加事業プロデューサー、オイコス・チャペル牧師)
★<ミッションと起業>白洋舎創業者・五十嵐健治[上] 記・五十嵐 有爾

 = 11 面 教会学校=
★<教会学校教師のひろば>人気アニメ上映会大うけ——日本長老教会・東久留米泉水教会
★<先生集まれ>着ぐるみ着てチラシ配り——井本祐介さん(日本長老教会・東久留米泉水教会)
★<CS分級>かんたん材料で作るカーネーション 記・石橋 えり子

 = 12・13 面 全面広告=
☆(財)日本聖書協会——2005年5月9日は「聖書協会世界連盟祈祷日」です
ネットで神のみ言葉を http://www.bible.or.jp/ iばいぶる(携帯電話) http://www.bible.or.jp/i/ 『パノラマバイブル』——体験する聖書 9月1日発売(29,400円)

 = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>教会堂が近隣に証しする——日本バプテスト連盟・郡山コスモス通り伝道所
★<もりべのへぇ~>100年売れ続けた本——『平民の福音』

 = 15 面 家庭・あかし=
★自分たちの味で勝負——知的障がい者らパン・クッキー工房「マナ」開所
★心臓移植必要な山近展敬さん——地域・教会挙げて支援体制
★<スマトラ 祈りと希望>被災地を行く[5]命の水わきあふれ 記・水谷恵子

 = 16 面 ひと=
★岡部重成さん(群馬県吉井町職員)——自殺、殺人未遂から立ち直り「御国づくり」へ


「宗教者九条の和」発足−−宗教・信条を超えて改憲に反対声明0505150202

「日本と世界の平和な未来のために日本国憲法 を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる 努力を、いますぐ始めることを訴えます」(「九条の会」アピール抜粋)。
 このアピールを掲げた「九条の会」が、昨年6月、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎各氏ら著名人9氏によって結成された。これに賛同して、アピールの趣意を宗教界のすみずみに届け、賛同を呼びかける「呼びかけ人」が各宗教界からそろい「宗教者九条の和」を発足、4月15日、京都市上京区のザ・パレスサイドホテル1階(日本聖公会京都教区センター)で記者会見を開き、宗教・信条は違っても「九条の会」アピールへの賛同の思いは同じとして、その意を全国の宗教界に呼びかけ、賛同者を募り、信徒らに9条の尊さを広めていきたいと語った。
 「『宗教者九条の和』の願い」として発表されたのは、次の5項目。1.憲法第九条を「輝かせたい」と願う人々とその意義を語りあい思いを他に伝えたい。2.憲法第九条が世界の文明構築に普遍的な意義を明示し指針を示していると了解したい。 3.世界が国際化を進める中で互いの国の平和が道義的軌範の核となることを信じたい。4.私どもは宗教者として平和を願う人々と真に平和のあり方を考え共に祈誓したい。5.宗教者は自らの所信に遵って平和の世界を具現するために調和と抑制を説示したい。
 15日現在の呼びかけ人54人中、プロテスタント キリスト教界からは次の11人が名を連ねている。
 大矢和男牧師(日本バプテスト同盟総主事)、加藤誠牧師(日本バプテスト連盟常務理事)、佐伯幸雄牧師(京都キリスト教協議会会長)、平良仁志牧師(日本バプテスト連盟理事長)、朴寿吉牧師(在日大韓基督教会総幹事)、松岡俊一郎牧師(日本福音ルーテル教会)、三鍋裕司祭(日本聖公会総主事)、山北宣久牧師(日本基督教団総会議長)、山本俊正牧師(日本キリスト教協議会総幹事=呼びかけ人世話役)、松下起子氏(日本YWCA総幹事)、山田公平氏(日本YMCA同盟総主事)。
 日本バプテスト連盟理事長の平良牧師は、昨年 11月に開かれた第50回同連盟定期総会で発表された「憲法第九条を守る声明」を席上で読み上げた。声明はキリスト教会の戦時の歴史を悔い改め「平和を脅かすいかなることにも決して手を貸してはならないと固く決意しています。その一つとして、キリストの平和をつくり出す者として歩む私達は、9条改廃をねらったあらゆる改憲の企みに強く反対します」と、結ばれている。
 平良牧師は『宗教者九条の和』の発足について、 「9条を守るという一点で、宗教の違いを超えて 願いと祈りを共にできることはいいこと」と、話していた。
 発足に伴った具体的な活動予定はないが、シンポジウムの実現に努力していくと説明。まず各自がそれぞれの立場で運動展開していくことを明らかにした。
 「宗教者九条の和」事務所=〒135-8585東京都江東区潮見2ノ10ノ10日本カトリック会館内、TEL:03・5632・4444、FAX:03・5632・792
E-mail:s9wa@cbc.j.catholic.jp

日本キリスト教会神学校・カルヴァン研究所新設−−研究通し教会仕える0505150302

埼玉県川越市にある日本キリスト教会神学校(三好明校長)内にカルヴァン・改革派神学研究所が開所し、4月1日、同神学校チャペルで開所式を行った。
 同研究所は、日キ教会・東京告白教会内に開設されていたカルヴァン研究所(73年設立)の渡辺信夫前所長(同教会牧師)が、これまで集めた関連図書約1万冊を神学校に寄贈。これを受け、カルヴァン研究所の活動を引き継ぎながらも、新たなカルヴァンと改革派神学を研究する拠点として名称を変更し、同神学校に移転したもの。このほど約7年をかけた移管と登録作業が完了し、開所式を開くにいたった。
 同研究所は、「カルヴァンと改革派神学の研究を通して福音宣教と教会形成に仕える」ことを目的とし、 
1.カルヴァンと改革派神学の研究と普及 
2.カンファレンス・セミナーや講座の開催 
3.研究誌、情報誌の発行 
4.関係学会への参加、研究所間の交流 
5.資料の蒐集・管理を行う。
これと併せ、ドイツ改革派教会の中心的研究施設であるヨハネス・アラスコ図書館(独・エムデン)との提携も進めてきている。
 蔵書については、利用に関して 
1.研究所の蔵書は、神学校講師・学生、日本キリスト教会教職者、及び日本国内外の研究者の閲覧利用に供する。 
2.蔵書の研究所外貸出利用は行わない。 
3.外部からの問い合わせ、コピー依頼についてはできる限り応じる。 
4.蔵書の研究所内での閲覧に関しては、研究所員の在室曜日を決め、利用者の要望に応じる、
と定めている。蔵書のリストは研究所のホームページからダウンロードが可能だ。
 開所式では、南純研究所所長(房総君津教会牧師)が経過報告と感謝を述べ、渡辺前所長があいさつ。アジアに対する日本の教会の罪責をも覚える渡辺前所長は、韓国の教会からも蔵書の譲渡を依頼されたことに触れ、「(日本だけでなく)研究所を訪ねてくる人には、ぜひ研究の便宜を図ってほしい。そのことを通して、ほかの教会にも仕えていきたい」と語った。開所式後には、「カルヴァン研究、昨日・今日そして明日」と題して基調講演も行った。
 同研究所の連絡先はTEL:049・233・5542。〒350-0807埼玉県川越市吉田2ノ2。ホームページはhttp://www3.ocn.ne.jp/~nikkits/

<オピニオン>問われる「カルト化」への自浄作用 記・根田 祥一0505150403

京都の聖神中央教会主管牧師・永田(金)保容疑者による少女暴行事件は、キリスト教界に衝撃のみならず戸惑いを与えた。「教会」と言い「牧師」と名乗る。いったいどういう教団なのか? あれもキリスト教の一派なのか……と。
 新聞やテレビ、雑誌では概ね「キリスト教系の新興宗教法人」として扱われた。これは、被害者たちを支援し取材の矢面に立ったキリスト教会の牧師らが、メディアに対して一般のキリスト教とカルトの違いについて正確に情報を提供したからだ。この牧師らは、従前から統一協会やエホバの証人などカルト問題に取り組んできた。今回の事件はおぞましいが、こうしたカルト問題に対する牧師らの経験が被害者救済と事件の究明に役立ったことは、不幸中の幸いと言えなくもない。
 ただ、それでは私たちキリスト者は「あれはキリスト教ではない」「カルトだから」と他人事のように済ませていいだろうか。95年にオウム事件が起きた際、「なぜあんな危険な宗教を野放しにしていたのか」という批判が高まり、そうした世論をてこにして同年暮れには異例の速さで宗教法人法が改定された。もともと同法は、宗教団体が不動産取引など契約関係を結ぶために法人格を付与することが目的だが、改定で行政による管理・監視の色彩が濃くなり、法そのものの性格が変質してしまった。宗教団体であろうとなかろうと、テロや暴行など反社会的で違法な行為を法律で取り締まるのは当然のことだ。しかし、だからといって、防止策を口実に信仰や教義の内容にまで安易に行政の介入を許すことは、憲法の信教の自由、思想・良心の自由を侵し、社会全体を戦前のような思想統制・監視国家に向かわせる危険をはらむ。
 では、国家の介入を避けつつ危険な宗教団体の害悪を防止するにはどうしたらよいのか。オウム事件後、この問題に直面した宗教界は、宗教自体の自浄作用をいかにして働かせられるかをシンポジウムなどで論議した。オウムは「仏教系」だが、今回は「キリスト教」でないにしろ「キリスト教系」の教義を説く団体で起きた事件だ。「キリスト」の名を汚す暴挙に対して、私たちの対応が問われている。
 対策のひとつは、言論による啓発である。弊社から2月に発行したウィリアム・ウッド著『「健全な信仰」と「カルト化した信仰」』は、時宜を得た出版だ。聖神中央教会の場合は韓国で異端とされる複数の教義を採り入れ、キリスト教の基本教理である三位一体論にも混乱が見られる。だが表面上の教理が正統的か否かにかかわらず、信仰や福音の理解が歪めば指導者が独裁者のように振る舞うなど「カルト化」の危険はあることが同書から分かる。カルト化した信仰と健全な信仰はどう違うのか、まず私たちが理解することが自浄の第一歩となる。