[CSD]2005年6月5日《ヘッドライン》

[CSD]2005年6月5日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★三宅島帰島後初、5年ぶり礼拝開く——民宿の一室に12人集まる

 = 2 面 ニュース=
◎無関心が許す暴走、「昭和の日」本音は天皇崇拝——「2・11同様抗議の日に」と西川重則氏
★戦後カンバーランドの草分け——吉崎忠雄氏逝く
★ウェスレアン・ホーリネス教団:ミッション・ステートメント採択
★<教界ニュース>第4回国会祈祷会
★<教界人事>クリスチャン文書伝道団、日本福音協会連合
★<落ち穂>ある韓国文学の日本デビュー

 = 3 面 ニュース=
★<宣教まっただ中>韓国発[2]韓国語と手話、習得に意欲 記・長澤 久美子

 = 4 面 牧会=
★「説教と牧会」講演[3]セルグループの形成 エドモンド・チャン師夫妻
★<牧会ジャーナル>危機に瀕する家庭への牧会 記・具志堅 聖
★<オピニオン>女性の特性を生かして仕える 記・神津 喜代子
★<恵みのどんでん返し>高校生が1人 立っていた 記・ 宏樹

 = 5 面 神学・社会=
★<ローザンヌ運動30歳>子どもたちの伝道[下]壁を乗り越えるため既成概念を捨てた発想で 記・杉本 玲子
★国際:WCC宣教会議でカリスマ派に注目
★<書評>『これからのキリスト教』工藤信夫著(いのちのことば社、840円)評・森 直樹

 = 6 面 関西だより=
◎祈りから生まれたグループホーム「シャローム」——「しんどいけど神様と歩む」俣木夫妻
★カルト問題セミナー——聖神中央教会事件受け
★『クリスチャンの職業選択』出版記念講演会
★日韓連合青年キャンプ8月開催
★<保険の付き合い方>活発な教会活動支える賠償責任保険 記・小林 雷三

 = 7 面 チャーチスクール特集=
★知恵と工夫でよりよい学習効果——変わらない聖書の価値観に基づく教育こそが土台
★小さいうちにかかわることが鍵——あざみ野キリスト教会付属ハレルヤインターナショナルスクール

 = 8・9 面 特集=
★純白のチャペルが美しい——ニューオーサカ「アガペ」
★三浦綾子読書会が結婚部門立ち上げ——東京・大阪・沖縄でセミナー
★亭主関白は結局未熟だ——夫は「上司」、妻は「部下」だった 兵庫・藤井恵嗣さん夫妻

 = 10 面 今週の動き=
★<今日は何の日>6月5日—6月11日
★<日めくり元気の素>名著・聖書日課から一言メッセージ

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報、放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『NPO・NGOとは何か』平田 哲著(中央経済社、2520円)
★TRACT:「君は愛されるために生まれた」(EHC、105円)

 = 12 面 ビジネスパーソン=
★「たたきなさい」で知った神の存在——伊藤 能俊さん[上]([株]メディカルクリエーション会長)
★<ミッションと起業>五十嵐 健治(白洋舎創業者)[中] 記・五十嵐 有爾

 = 13 面 教会学校=
★<教会学校教師のひろば>のどかな田園地帯に賛美響く——日本バプテスト連盟篠栗キリスト教会
★<CS分級>牧師に花をプレゼント 記・永井 真衣子

 = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>礼拝堂からはいつも賛美の歌声——日本バプテスト連盟船橋バプテスト教会
★<奉仕する恵み>弱さのうちにこそ完全に現れる——山形千鶴子さん(国際シャロームキリスト教会)

 = 15 面 家庭・あかし=
◎公園にもてなしがあった——野外伝道の「オン・ザ・ムーブ」
★歌、朗読、映像で星野富弘ワールド——できたての大賀ホールで
★<スマトラ 祈りと希望>[最終回]神は愛なり 記・水谷 恵子

 = 16 面 ひと=
★相馬 幸恵さん(ミニチュアクラフト作家)——自分の手のわざで神の栄光現したい


無関心が許す暴走、「昭和の日」本音は天皇崇拝−−「2・11同様抗議の日に」と西川重則氏0506050

2007年から4月29日の「みどりの日」を「昭和の日」に、5月4日の「国民の休日」を「みどりの日」に変える改正祝日法が5月13日、参院本会議で自民、公明、民主3党などの賛成多数で可決し成立した。これを受けて「政教分離の会」事務局長の西川重則氏は、「戦争責任、戦後責任が未決の戦後60年にあって、アジア太平洋地域の国々、人々との信頼関係を回復するために、改めて最善の努力をなすべき決意を新たにし、ここに抗議の意思を表明する」と、「『昭和の日』成立に対する抗議声明」を発表し、キリスト教界に警戒を促した。
 祝日法の改正案は、00年と02年の過去2回提出されており、いずれも審議未了のまま廃案になっている。西川氏は00年の廃案時に、改正案が再提出されることを予見し「私たちは、政治優先の論理で廃案になったことを楽観視することは許されない。特定の宗教と思想に基づく巨大な組織から成る運動体を直視し、預言者的な警鐘を鳴らし続ける責任と課題を痛感する」(00年6月18日号本紙)として警告を発していた。
 改正祝日法では、「昭和の日」を「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日と位置づけているが、これに対して西川氏は「4月29日は昭和天皇が生まれた日であり、昭和天皇がいかに偉大であったかということを国民に教え、その栄光と名誉をほめたたえることが『昭和の日』である。推進派のリーダー格の人が、そういった意味のことを成立した喜びとして率直に発言している」と「昭和の日」の真の意図を指摘する。
 1948年に制定された祝日法は、第一条でその意義を「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め」るとしており、西川氏は「昭和天皇が昭和の時代にやってきたこと、戦争責任などを考えると、昭和天皇をたたえることを目的とする『昭和の日』は、『国民がこぞつて祝う』祝日法に値しないことは明白」と語る。
 成立の背景について「今回は、数の面で推進派が圧倒的に多く、通らなければ不思議なほど。出せば必ず通ると見越しての改正案提出だろう」と語る一方、「国民にあまりにも関心がなかったのではないか。反対の立場の声が高いとそう簡単には通らない」とも。「最近は数の論理で法案が通ってしまう。それを許しているのが主権者である国民であり、その中に残念ながらクリスチャンも入っている」と、「はだかの国会」に対する関心の低さを指摘した。
 「昭和の日に限らず、戦争ができる国をつくるためにどういう法律が必要か、ということを多くの国会議員が考えている。ただ『反対』と言うだけでなく、なぜ問題なのかを知っていなければならない。なぜ反対なのか、ではどうすればいいのか、一人ひとりが自分に問いかける。今後、成立してしまった『昭和の日』を2月11日の『建国記念の日』に匹敵する抗議の日とし、本当の平和をつくり出すために歴史の事実を学ぶ日にしていかなければ」と施行後の対応について語った。 【藤野多恵】  
●昭和の日  
 89年1月7日の昭和天皇死去により、同年以降、4月29日は天皇誕生日として存続できなくなった。当時から同日を「昭和記念日」など昭和にちなんだ新祝日として存続させようという意見があったが、社会情勢など考慮して「みどりの日」という名称に改められた。その後、「昭和の日」の実現を目指す諸団体の運動に呼応する国会議員により、00年、02年に議員立法として国会で審議されたが、国会会期満了・衆議院解散などにより可決にいたらず廃案となっていた。

祈りから生まれたグループホーム「シャローム」−−「しんどいけど神様と歩む」俣木夫妻050605060

「やすらぎの介護 シャローム」(大阪府堺市=俣木泰三代表取締役)が、グループホームを備えた小規模多機能型介護施設「シャローム泉北」(堺市大庭寺)を開設した。ここではグループホーム「ノア」のほかにデイサービス、ショートステイ、ホームヘルプ・ケアプランなど、介護支援機能をほぼ全域カバーする。
 グループホームは、認知症の高齢者がスタッフと共に日常生活を送る小さな有料老人ホーム。家庭的雰囲気の中で、24時間態勢の充実した介護ができるグループホームは、シャロームの念願だった。「うちの5つ目の介護事業所です。スタッフが育ってくれて実現したこと。もうね、勢いだけで神様まかせなんですけど」
 俣木泰三・聖子さん夫妻が自宅を開放して介護事業所を始めたのは5年前。草創期の奮闘は、テレビドラマにもなった聖子さんの著書『花、咲きまっか』にも詳しいが、今や自宅は事業に差し出してアパート住まい、車も事業にささげて、「社長になったら家も車もなくなった」と、2人でからから笑う。
 「経営は厳しいけれど、採算はイエス様が取ってくださるから。介護所はたくさんありますが、シャロームは体と身辺のケアだけでなく、心のケアという、うちにしかできない仕事を神様から託されていると信じています」
 公にキリスト教主義は出せないが、お風呂場でさりげなく福音を語ることはできる。デイサービスは賛美歌でお開きとなる。壁にかかったみことばが利用者、訪問者を見守っている。クリスチャンの利用者は平安をもたらすムードメーカーだ。  
 「現場のクリスチャンスタッフの祈りや、教会や、私たちの知らないところで祈ってくださっている多くの方の祈りに支えられています。祈らず、みことばを持たず、一生懸命収益を上げても心は虚しくなるばかり。心が満たされるのは神様の力があるからだと実感しています」
 来年の介護制度の見直しによって、利用者や事業所はさらに厳しい状況に立たされるだろうと、俣木社長は懸念する。「でも、ピンチをチャンスに変えて、介護保険の縛りの中で、縛りがあるからこそ、人々の必要に応えるシャロームならではの自由な発想のサービスを行っていきたいと考えています」。配食サービスや住宅の介護用リフォームの構想がある。ISO9001の取得も、8月に実現する見込み。「行政は『ノア』のような地域密着型の多機能施設をすすめていることだし、ここがモデルとなり、マニュアルを作ってクリスチャンに広めていけば、フランチャイズも夢ではない。クリスチャンの働き場が増えることになるし」と、俣木社長。
 「まあ、夢と幻は得意ですわ」と、聖子さんは お茶を入れながらも「クリスチャンこそ新しいことができる」と、シャロームの5年の歩みを通して確信している。
 「荒野ばっかり歩いてるような気がしますが、荒野ならばこそ恵みがわかる。荒野も楽しいです。しんどいけど、神様に歩ませてもらってます」
 グループホーム「ノア」は認知症1以上の人を9人募集している。入居金50万円。12万5千円と介護保険1割負担が月額。美しい田園風景と明るい 住まい、温かいサービス に、スタッフらの毎日の祈りという得難い特典が付いている。       シャローム泉北=TEL:072・295・0080、(受付は月~土、午前9時~午後5時)大阪府堺市大庭寺294ノ1

公園にもてなしがあった−−野外伝道の「オン・ザ・ムーブ」0506051501

野外でバーベキューをし、賛美を聴き、食事と会話を楽しみながら福音を伝えていく「オン・ザ・ムーブ」(マーティン・グラハム代表)。そのチームが5月に来日し、9日から11日まで東京・北区の飛鳥山公園で活動した。同公園にはバーベキュー施設がなかったため食事はサンドイッチとクッキーだったが、3日間で延べ190人が賛美の歌声に耳を傾け、サンドイッチをほおばりながら福音にふれた。またスタッフの個人伝道により、11人が信仰決心した。
 暖かい春の日差しがまぶしい平日の昼下がり。公園内にある野外ステージからは、欧米、アジアなど約10か国の青年たちがギターとドラム、キーボードなどで演奏しながらワーシップソングを延々と歌い続けていた。
 すると通りすがりの家族連れや散歩中の女性、缶コーヒーで一息つくビジネスマンなどが、ポツリポツリといすに腰を下ろし、のんびり歌に聴き入った。スタッフはサンドイッチを配り、脇に座って「こんにちは。いかがですか」と話しかけた。「何かホッとしますね」と犬を連れた女性がポツリ。そこから会話がはずむ。中にはスタッフに悩みを打ち明け、祈ってもらう人もいた。
 今回オン・ザ・ムーブの窓口となった日本聖契キリスト教団グレース・ミッション・チャーチの宮本俊一牧師は「伝道のイメージが根底から変えられた。賛美をしていると、少しずつ人が集まってくるんです。ピクニック気分だし、力むような伝道ではないのでほとんどの人が心を開き、福音を聞いてくれます。従来の伝道方法を変えないといけないと思いました」
 実際にいろんな背景をもった人が心を開いた。心身共に病気がちだった82歳の男性は初めて福音を聞き、信じる気持ちになり、ステージに上がって音楽バンドの前で信じる決心をした。また「昨日リストラされたばかりで、生まれて初めて飛鳥山公園で一夜を過ごした」と語る60代の女性は、昔行っていた教会学校を思い出し、信じる決心をしたという。さらに「仕事に追われ苦悩しながら公園に来たら、音楽ともてなしがあった。スタッフに祈ってもらったら元気が出た」と語る50代のビジネスマンも。
 この働きは97年、英国で始まった。マーティン・グラハムさんが集会中、「フルタイムの働きを始めなさい」という神様の語りかけを受けたのがきっかけだったという。
 グラハムさんは「特徴は音楽(賛美)と食事と愛。この3つは世界共通ですね。賛美するとその場所が主の臨在で覆われます。神の愛、喜び、平安という雰囲気が人々に安心感を与え、人々の心が開かれていきます。食事は人々を結びつけます。一緒に食事をし会話を楽しむことで交流が深められていくのです」と語る。
 初めての日本での開催を「予想以上に多くの人が心を開いてくれた」と語る。「たぶん、神様がここにおられるという雰囲気が、彼らの心を柔らかくしているのだと思います。日本人は福音に対して心を閉ざしていると言われますが、決してそうではありません。日本には必要がいっぱいあります」と述べた。
 05年には世界30か国でやりたいと語るグラハムさん。「特徴はどんな人でも参加できること。食事を作る、配る、歌う、一緒にいて話をする、これらは誰にでもできます。私の願いは日本人の手でこの働きが続けられていくこと」と語った。  「オン・ザ・ムーブ」の問い合わせはTEL:03・3908・0888、Eメール=miyamoto7@aol.com、オン・ザ・ムーブ日本事務局・宮本まで