[CSD]2005年10月9日号ヘッドライン

[CSD]2005年10月9日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★町全体の福音化願い——相模原の教会協力、10年記念フェスタ

 = 2 面 ニュース=
★「ハートは常に伝道だ」——ティーンチャレンジ・ジャパン聖会
★無宗教も信教と銘記すべき——米国・「神の下に一つ」宣誓違憲判決 記・櫻井圀郎
★本紙ホームページが「JP NEWS」に改称——使いやすい情報サイトに一新
★<落ち穂>メディア多様化時代に問われている文書伝道のあり方

 = 3 面 ニュース・ルポ=
◎貧困削減の切り札「マイクロ・クレジット」とは——ゲーム通して理解深める
★<連載ルポ>本郷台キリスト教会の給食ミニストリー[5]おふくろの味、ますます広めて
★英国:国教会がイラク戦争謝罪へ
★ポーランド:救世軍が活動を開始


 = 4 面 ビジネスパーソン=
★神と会話しながら生活しつつ考える(下)——永田晨さん(株式会社日経BP特別参与、学校法人自由学園理事長)
★<ちょっと気になる発想法>[5]あなたは異能な空間を持っていますか 記・斎藤 善久

 = 5 面 牧会=
★<こころの対話>「心のケアと現代」[1]——心の専門家はいらない? 記・斉藤 善樹
★<オピニオン>「読書の秋」こそ聖書を読む習慣を 記・榮 義之
★<恵みのどんでん返し>手にいっぱいのミニトマト 記・森 敏

 = 6・7 面 葬儀特集=
★女性ならではの細やかさで葬儀を伝道の場に——(株)シオン
★クリスチャンに聞きました「我が心の葬儀」
★クリスチャン墓石カタログ
◎環境にやさしい棺(ひつぎ)「グリーンアーク」——地球温暖化防止につながる段ボール製
★遺言で神様に栄光を帰す方法 記・磯村 修司

 = 8・9 面 特集/新地域宣教シリーズ・四国編=
★山間部に福音の空白——自治体合併が新たな宣教の機会にも
★島々や門前町にどう届くか——影響大きい信徒や学校、放送
★地域の宣教の課題をシンポジウムで討議
★歴史は物語る:小豆島、丸亀城にキリシタンの痕跡


 = 10 面 世界=
★<宣教まっただ中>台湾発[3]会堂取得のため必要だった 記・丸山陽子
★ネパール宣教の歩みと展望[1]伝道の悲しい歴史 記・ラメシュ・カトリー

 = 11 面 教会学校=
★<教会学校教師のひろば>All English 1日体験——ニューホープ・インターナショナル・フェローシップ東京
★<先生集まれ>子どもが礼拝する喜び知った 藤田 紀子(BM・枚方キリスト教会)
★<CS分級>お手軽わりばし工作——棒取りゲーム 記・石橋 えり子

 = 12 面 神学・社会=
★<講演>米国キリスト教原理主義に見る、日本の福音派の課題[2] 関野 祐二
★米国:米長老教会「不一致の中で生きる」勧告
★<書評>『文芸評論集』富岡 幸一郎著(アーツアンドクラフツ、2730円)

 = 13 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報、放送伝道ほか
★EVENT:「現代に生きる新渡戸稲造」(10月21日、大阪クリスチャンセンター主催)
★BOOK:『愛と光と生きること』三浦光世著(日本キリスト教団出版局、998円)
★BOOK:『風ふく道で』時田直也著(マナブックス、945円)
★BOOK:『歌集 暁の光のように』大坂康子著(砂子屋書房、2940円)

 = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>教会はいつも開いています——バプ連盟・小郡キリスト教会
★<もりべえのへぇ~>目からうろこ 記・守部 喜雅

 = 15 面 家庭・あかし=
◎聖書の真理をゲームにも——米国・キリスト教ゲームのカンファレンス
★父子競演で神の愛伝える——牧師でマジシャンのコングさん、東京で3日間公演
★井澤豊氏偲び追悼コンサート開催
★<お母さんのための絵本のたび>[5]やさしいことをすれば花が咲く 記・澤谷 由美子

 = 16 面 ひと=
★星野 嘉助さん(株式会社星野リゾート会長)——信仰から生まれた企業が時代の最先端に

貧困削減の切り札「マイクロ・クレジット」とは−−ゲーム通して理解深める=0510090301

 今年はG8サミットや国連総会などで、世界の貧困削減について話し合われる機会が多い。日本でも貧困撲滅の政策を政治家らが選択するよう働きかける「ホワイトバンドプロジェクト」の運動がかなり広まってきた。
 そんな中、貧困削減の切り札として注目を集めるマイクロ・クレジットについて理解を深めようと、特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパン(深町正信理事長=青山学院院長)が、9月16日に都内で「ビジネス研修ワークショップ—マイクロ・クレジットは万能か?」を開催した。講師はフィリピン・ミンダナオ島ジェネラルサントス市で貧困層への社会サービスを提供するノートルダム・ビジネス・リソース・センター(NDBRC)副所長のバージニア・マナロさん。同センターはキリスト教主義大学によって運営されている。
 マナロさんによると、ジェネラルサントス市の約60%が貧困層だという。NDBRCではマイクロ・クレジットを効率よく運用するため、貧困層の起業を支援する研修、融資、情報提供、ビジネス計画策定などを実施。また高校などの中途退学者への職業・技術訓練、幼児教育サービスと研修、チャイルド・ファンド・ジャパンとの協力で、子どもとその家族や、地域社会を対象にした開発事業などを展開している。NDBRCは、「教育を受け、健康で、持続可能で、神を愛し、環境と調和して生きる地域社会をつくるために、必要な社会サービスを提供する」ことをビジョンとして掲げている。
 NDBRCでは、貧困層に平均約2万5千円の融資をし、小売業や行商、農業ビジネス、食品加工などの仕事の開始、運営をサポートしている。
 今回のワークショップでは、研修の中で開発事業としてNDBRCが採用しているビジネスシミュレーションゲーム「BESTゲーム」を、参加者がチームに分かれて体験した。この日は、原料の紙を仕入れ、それを使って帽子をつくり、問屋に買い取ってもらうというもの。各チームのメンバーは渡されたおもちゃの紙幣を使い、楽しみながらも真剣な表情で参加していた。このゲームでは、ビジネス計画、原料の仕入れ、製造、販売、貯蓄、銀行への返済、生活必需品の購入、突発的な支出などを総合的に体得できるという。また、ビジネスのハウツーだけではなく、キャッシュフローの大切さを知ったり、収支報告を記録する重要性、収入の予算立てと計画なども学ぶ。
 マナロさんは、マイクロ・クレジットの問題点を指摘しつつも、制度を利用してビジネスを立ち上げている人々の生き生きした様子を報告し、参加者に理解を求めた。
【藤川 義】

環境にやさしい棺(ひつぎ)「グリーンアーク」−−地球温暖化防止につながる段ボール製=05100907

 「主材を合板から特殊三層段ボールに変えることで、森林資源の有効活用、地球温暖化防止につながります」と増田さん。段ボール製のコフィンは以前からあったのだが、火葬した際に「残渣が多い」ことから不評で広まらなかった。もともと葬祭関係の仕事をしていた増田さんは、特殊三層段ボールを製造、販売するトライウォール株式会社がコフィンを専門に扱う別会社、ウィルライフ社の設立に参加。独自開発を目指したが、ある大手葬儀社から「専門業者でないと」とアドバイスされ、国内最大手の棺メーカーに企画を持ち込み、業務提携し1年半かけて開発。外装に美しい布地を張り、良質の段ボール製コフィンの商品化にこぎつけた。
 現在、日本で使用されるコフィンのほとんどは合板製。ラワンなどの南洋材が主材だ。「ラワンなどはかなり切りつくしてしまい、その多くは違法伐採です」と増田さんは言う。木材の大量伐採は、地球温暖化の原因の1つ。増田さんは、「家具や住宅などは、切り出してから加工してしばらくその形を保ちますが、コフィンはすぐに燃やしてしまうので影響が大きい」と指摘する。さらに合板製は、燃焼時に接着剤に含まれる成分によって、硫黄酸化物や窒素酸化物などの有害な排ガスが多く放出されるという。
 それに対しグリーンアークは、「国際規格で管理された持続的な森林経営で環境破壊を起こさず、自然のサイクルを活用」している。原木1立方メートルで約54本のコフィンを製作でき(合板製は36本)、効率的。接着剤には天然でんぷんを使用し、燃焼時の有害物質発生をかなり軽減できる。また斎場での燃焼実験では、燃焼時間が合板製に比べ2分の1以下、しかも完全燃焼というデータが出た。斎場職員からも「きれいに燃える」と好評だった。
 しかし合板製よりもさまざまな点で優れているといっても、グリーンアークも木材を原料にしている。そこでグリーンアークを寄付金付きにし、違法伐採と山火事で消失したインドネシア・カリマンタン島にNPO法人を設立して植林を進めている。「植林を通して二酸化炭素を吸収・削減できる。グリーンアークをご利用いただくことで、地球環境をより豊かにしながら未来へと手渡すことができます」と増田さんは語る。
 環境に配慮した葬儀を進める市民団体でも評判だ。東京ワーカーズ・コレクティブ協同組合が今年設立した「冠婚葬祭サポートセンター」メンバーの浅賀ふみ枝さんは、「葬儀をエコロジーでやっていきたいと思って、たどり着いたのが増田さん」と話す。納得いくもので、最期を迎えたいという人の心をつかんでいるようだ。
 グリーンアークについての問い合わせはウィルライフ株式会社、TEL:03・3511・2898、FAX:03・3511・2897。 ホームページ=http://www.willife.com/
【藤川 義】

聖書の真理をゲームにも−−米国・キリスト教ゲームのカンファレンス=0510091501

 近年、家の中やゲームセンターだけでなく、いたる所でコンピューターゲームを使って遊ぶ子どもたちをよく見かける。ゲームの機能や画像の鮮明度が改良され、より魅力的な新機種、新作ソフトが次々と発売される一方、暴力描写などがよりリアルになり、子どもたちへの影響を懸念する声も増えている。そんな中、それらに代わるよりよいゲームを送り出そうと、世界中でゲーム開発に携わるクリスチャンが立ち上がっている。  7月28日から30日、アメリカで「クリスチャンズ・ゲーム・デべロッパーズ・カンファレンス」が開催された。ヒット商品を作る競争の中、キリスト教の倫理をゲームに応用しようとする開発者たちが、互いに励まし合うことを目的とした唯一の集会だ。年に1度の開催には毎年多くの企業が参加。伝道のためゲーム制作をする企業もあれば、一般企業で神の導きを感じ、キリスト教ゲームを制作する人も。4回目となる今回は、5つの大陸から100社が参加。新作ゲームを披露した。

 「たとえば、オーストラリアの新興企業、ホワイト・ナイト・ゲームズ社が開発したアドベンチャーゲーム『Timothy and Titus』では、プレイヤーはかつて地中海沿岸地域にキリスト教の教えを広めた使徒パウロの2人の弟子、テモテとテトスを演じる。
 ほかのロールプレイング・ゲームで使われるヒットポイント(生命力)や武器ポイントの代わりに、プレイヤーは伝道を遂行するための愛や希望、信仰心のポイントを収集する。敵に遭遇したときも、『Halo 2』(ヘイロー2)のように手榴弾で殺傷するのではなく、相手のために祈ったり、『神の御手』を使って邪悪な心を追い出すなどして栄光(halo)を獲得する。
 このゲームのプロット(原案)を考案したホワイト・ナイト社の責任者、ローレンス・エスカランテ氏によると、今後のバージョンでは、プレイヤーは敵に対して武力を行使することができるようになるかもしれないという。『人々が自分の行動を決められるようにしたい。たとえそれが間違いだったとしてもだ』とエスカランテ氏は述べ、さらに暴力に頼ってもこのゲームでは勝てないと付け加えた」(WIRED NEWSより。「Christians Code Heavenly Games」John Gartner, Copyright 2005: Lycos, Inc. All Rights Reserved)

 このほか、クリスチャンアーティストの楽曲を使用したダンスゲームなど、様々なゲームが出展されたが、今回紹介されたいずれも、日本での発売予定はない。
 また、キリスト教関連映画や音楽のヒットを受け、各社の期待は大きいが、巨額の予算をかけて制作される大手会社と競い合うことはやはり厳しい挑戦という人も。日本の場合その傾向は特に顕著で、あるゲーム関係者は「『相手のために祈る』という選択肢などがあるゲームに大変興味はあるが、日本では売れるかどうかですべてが判断され、そういうゲームを企画すること自体が難しいのではないか」と話す。
 コンピューターゲームで、暴力に頼らない平和的解決への関心が、キリスト教界やクリスチャンでない人たちの間でも広まっていけば、日本でもプレイできる時が来るかもしれない。クリスチャン・ゲーム開発者たちは巨大市場を相手に挑戦している。  【美登かんな】