[CSD]2006年1月15日号ヘッドライン

[CSD]2006年1月15日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★長崎から希望の歌声を——「きみは愛されるため生まれた」作者イ・ミンソプ来日コンサート

 = 2 面 ニュース=
★戦争しないため軍がある——反戦平和と矛盾せず 談・石破 茂氏
★軍事優先の社会にするな——大きな歴史の逆行だ 談・西川重則氏
◎平和憲法の改悪を憂慮するーー明治学院名誉教授らが声明を発表
★<落ち穂>神第一の歌手イ・ミンソプ

 = 3 面 ニュース・ルポ=
★新春映画ガイド:「白バラの祈り」——ナチに抗った女子大生(キネティック配給、2月公開)
★新春映画ガイド:「ホテル・ルワンダ」——虐殺から隣人救った男(メディ・スーツ配給、1月14日から公開)
★ルポ・わたしたちはひとつ[4]:神戸西バプテスト教会?生き方を変えた出会い
☆祈りのガイド

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★神の救い明かしするため夫の遺志継ぎ出版社経営——山本 れい子さん[上]([株]山本書店 店主)
★<ミッションと起業>相馬愛蔵・黒光[5]中村屋創業者 記・塩入 隆

 = 5 面 牧会=
★<スピリチュアリティと心の援助>[7]神との交わりが人間の支え——キリストの救いと神の国での完成 講演・近藤 勝彦
★<オピニオン>教会は子どもたちの「場」づくりを 記・瀬底 ノリ子
★<恵みのどんでん返し>「むなしさ」を与えられ 記・池田隼人

 = 6 面 全面広告=
☆東京聖書学院 2006年度学生募集
http://www.jhc.or.jp/tbs/
 = 7 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報、放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『きみは愛されるため生まれた』河野勇一著(新風社、840円)
★DVD:「メタセコイヤの木の下で」(ありのまま舎、5000円)
★BOOK:『筋ジス患者の証言』山田富也著(明石書店、2415円)

 = 8・9 面 葬儀特集=
◎夢はキリスト教葬儀を日本全国に——聖心セレモニーグループ代表・疋田 博さん
★多磨に偲ぶ 教界の先達たち
★BOOK:『キリスト者と葬儀』山口 隆康著(玉川平安教会出版部、1500円+税)
★再会の希望伝える葬儀を——しらゆりセレモニー・山口 宗義さん

 = 10 面 世界=
★<宣教まっただ中>エチオピア発[1]援助に頼る体質 今も 記・森田 哲也
★カッティング・エッジ・リポート[6]養子をケアする教授——家庭の愛を必要としている子 記・中台 孝雄
☆祈りのガイド

 = 11 面 教会学校=
★<教会学校教師のひろば>子ども伝道の「証し」として50年——インマヌエル船橋キリスト教会:教会学校新聞「ひかり」
★<CS分級>パズルに挑戦 記・矢吹 博

 = 12・13 面 神学・社会スペシャル=
★特集/イスラエルのたどった道——離散から帰還まで 記・菊池 実
★<書評>『勇気あるリーダーシップ』ビル・ハイベルズ著(福音社、2625円)評・三谷 康人

 = 14 面 教会=
◎<ちゃちゃチャーチ>韓国人青年との兄弟愛——バプ連盟・長崎バプテスト教会
★<奉仕する恵み>ユーモアと通してメッセージを 戸澤 千夏さん

 = 15 面 家庭・あかし=
★「ハリウッドから聖書的・家族的な映画を」——テッド・ベア氏(ムービーガイド社社長)来日
★各地のクリスマス集会:香川・老人ホームで生誕劇——恵みの森キリスト教会
★各地のクリスマス集会:北海道・さっぽろ市民クリスマス2005
★石田勝子宣教師宅に強盗——治療のため一時帰国

 = 16 面 ひと=
★青山亜紀子さん(JIFH派遣スタッフ)——エイズ孤児と共に生きる働きへ

平和憲法の改悪を憂慮する=明治学院名誉教授らが声明を発表0601150203

 明治学院大学(東京都港区)の名誉教授有志(代表=森井眞・元同大学学長)が、「戦後日本の支柱となってきた平和憲法の改悪をめぐる現下の動きに強い危惧の念を抱き」、声明「平和憲法の改悪を憂慮する」を発表した。
 声明では、先の大戦における日本の過ちや犠牲の大きさを指摘し、悲劇を再び繰り返すことは許されないとしている。その上で現在の憲法「改悪」の動きに対して、「『人間を完全に陵辱し抹殺する戦争への道には絶対に進んではならない!』と叫ばないではいられません」と訴えている。
 05年12月19日、同大学で開かれた記者会見で森井氏(写真)は、「私たちはアジア・太平洋戦争の時代を生きた。戦争は精神の自由を奪った。精神の自由は人間の本丸だ。今、多くの人が自由を捨てたがっているのではないだろうか。戦争をすることは、悪魔の道具になることだ。もう決して戦争をすべきではない」と強い調子で語った。
【藤川 義】

夢はキリスト教葬儀を日本全国に−−聖心セレモニーグループ代表・疋田 博さん=0601150801

 キリスト教葬儀社・聖心セレモニーグループ([有]聖心セレモニー、[有]輝)のホームページはユニークだ。トップページにアクセスすると「クリスチャンでない方も葬儀はキリスト教で」とのロゴ・テキストが目につく。「結婚式」なら理解できるが、「キリスト教葬儀」を勧めるキャッチコピー。それは「キリスト教葬儀こそ形骸化していない、心のこもった葬儀だから」という同グループ代表の疋田 博さん(日本ルーテル・竹の塚ルーテル教会員)に聞いた。  キリスト教葬儀の本質は、他宗教では「故人を中心に行われることが多いが、キリスト教葬儀は神が中心であるということ」。その天地万物の創造主、救い主イエス・キリストの御名を日本に広め、一人でも多くの人たちが救われ、ほんとうの喜びと平安をもってほしいと願って「クリスチャンでない方々にもキリスト教葬儀をお勧めしている。葬儀社の務めは、故人の霊を創造主なる神の御手にお委ねする、お手伝いですから」。 それだけに依頼してきた人がどれだけ真面目に考えているのか「必ずお会いしてお話しさせていただいています。故人が生前に希望しておられたとか、キリスト教で結婚式を挙げたのだから、葬儀もキリスト教でというご主人もおられた。教会学校に通っていた息子だったから葬儀はキリスト教でというお母さんも」など、依頼者は真面目な求道者というのが実感のようだ。 「キリスト教葬儀は神が中心である形式で、キリスト教の精神すなわち神を愛し人を愛することを心とするのもの。ですから必ずどこかで教会につながる方が起こされています」。だが、伝道する目的で遺族と接することはないという。「なによりも、神を中心とした葬儀をとおして、故人と遺族を慰めることが大切」。クリスチャンは信仰をもったことで真に解放されたことを知っている。だが、そこまでに至っていないクリスチャンでない人たちにとっては、伝道されていることを強く感じさせることに疲れを覚える人も出てくる。「ご遺族にとっては、愛する人を亡くした悲しみを受けとめられ、慰められることで解放され、救われるということを実感されるのではないでしょうか」。その思いから、遺族の前でも「自分の親のような思いで」遺体の身だしなみを整えたり顔向きを直したり丁寧に扱い、カウンセリング・マインドをもって遺族に接する。故人の遺体を大切に丁寧に接すると、遺族は慰められる感情を抱くのか「ありがとう」と丁重にお礼を言われることが多いという。 10年前に外交畑の仕事から葬儀社の仕事に転職した。「もっとやりがいのある、一生を託すのにふさわしい仕事はないだろうかと毎日祈っていた」ところ、知人の親族が営む葬儀のための花輪を貸し出す会社の手伝いを頼まれたのがきっかけだった。その後、独立して葬儀社を起こしたが「日本の葬式の9割は仏教式。キリスト教葬儀社として始めたが、当初はたまに入る仏教式の葬儀も後ろめたい思いで手伝っていた」。その気持ちに踏ん切りをつけさせたのが「式場を備えた葬儀会館業者の進出でした。会場の貸借料が抑えられるので葬儀費用が低料金になり、お付き合いのあった近所の人も利用するようになる。そのことが、キリスト教葬儀一筋に進むべきことを神様が退路を絶って悟らせてくださった」。それからは、依頼者のできるだけ近所にある教会に会場使用の協力をお願いして、牧師の司式で執り行ってきた。 キリスト教葬儀とともに、葬儀に掛かる費用を「なるべく低料金で、費用の項目を明朗にすること」も一貫してとおしてきた。このことも、開業当初に手伝っていた葬儀社の「もうけ過ぎを目の当たりにして」憤りを覚えた経験からという。 一般の葬儀社では「ウン十万コースというような料金表が多いと思いますが、うちは必要なものにかかる料金だけを加算していけばいいという考え方。その方が無駄がなく、喪主の方の負担も少なく済む」。
 昨年4月に、自らの経験をとおして確信を与えられた葬儀観、故人を葬送る思い、遺族への心配りをまとめた『キリスト教葬儀』(イーグレープ刊、千50円)が出版された。「私がキリスト教葬儀について言い続けてきたことは、ほとんど書きました」 その本の締めくくりには「キリスト教葬儀を日本全国に広めたい。そのための方策として葬儀を目的とした教会を建てたい」との夢がつづられている。葬儀式場だけの教会堂ではなく「主日礼拝を毎週行い、教会の働きの最重要な目的として葬儀を行うことを理解する教会員によって形成されるちゃんとした教会」が建てられること。「葬儀と結婚式の両立は難しいと思うので、葬儀のみを行うほうがいい。葬儀が行われるときは、教会員が積極的に協力する」。それは、クリスチャンでない人たちがキリスト教での葬儀を望んで来たということは「神を知らず神に背いていた歩みから、神の方に向いたということだと思います。クリスチャンの方々にもそのことを大切にしていただきたい」と願っている。 「キリスト教葬儀を日本全国に広めたい」というビジョンで葬儀社経営を行ってきたが、そのことに思いを同じくする人たちが起こされ、05年10月に聖心セレモニーグループに発展した。同じ思いで葬儀社を経営する者同士、「この仕事は使命感がないと続けることができない。そう、だから神様から与えられた仕事なんだ」と話し合っているという。10年前に「一生を託すのにふさわしい仕事」と祈っていたこたえを実感するかのように語っていた。【聖心セレモニーグループ】TEL:03・3857・9229
 http://www.seishin-c.co.jp/

<ちゃちゃチャーチ>韓国人青年との兄弟愛−−バプ連盟・長崎バプテスト教会=0601151401

 「永遠の神の愛は我らの出会いの中で実を結ぶ」(「きみは愛されるため生まれた」作詞・作曲/イ・ミンソプ、訳詞/神明宏 朴鐘弼&B.B.J.)。一つの歌が国境を越え、長崎の人々と一人の韓国人青年との出会いを実現させた。「長崎から希望の歌声を!『きみは愛されるため生まれた』感謝コンサート」(同実行委員会主催)翌日の05年12月28日、イ・ミンソプさんと長崎バプテスト教会(友納靖史牧師)のメンバーは市内の「長崎ちゃんぽん」発祥の店で、涙の証しと心温まる交流の時をもった。 イさんは原点の人
 「きみは愛されるため生まれた」が長崎県内の公立学校に広がるきっかけは、同教会の教会学校に通う山口菜摘ちゃん(当時小学3年生)がこの歌を学校で口ずさむのを、当時担任のY先生が「いい歌だね。CDはないの?」と聞き返したことからだった。そのY先生も駆けつけ、イさんに感謝の言葉を述べた。
 「もし、イさんがこの曲を作らなかったらこの曲と出合えなかったし、僕も子どもたちに伝えることはなかった。また、こんなに多くの人に広まることもなかった。イさんは私にとって原点の人。本当に会えて良かった。これからも教師である限り、この歌を子どもたちに伝えていきます」。Y先生はこの歌をきっかけに今、教会に通い始めている。 人柄と歌が一致
 以下、メンバーのコメント。「この歌と出合ったのがつらい時だったので、この歌に感謝しています。『愛を受けないと周りの人に与えられない』ので愛を受けていこうと思いました」、「このCD配布活動を始める時に、イさんを呼べたらいいなあ、と思ったが、まさか本当に実現するとは思わなかった」、「このコンサートに(学校関係者など)クリスチャンでない人がたくさん来ていた。普通なら神様や信仰の話になるとシャットアウトするのに、昨日は愛にいっぱい満たされていたからそういうのが全くなかった(涙)」「(イさんは)本当に我が子という感じ。一緒にいるだけでも神様の愛が伝わってきます」、「この歌と出合い、CD制作をしたことでいろいろな人と出会わせていただき、『ありがとう』といううれしい便りもいっぱい届いた。このコンサートを区切りに今まで出会った方々にお手紙を書きたい」(事務局で奉仕する女性)、「人柄に触れ、初めて『きみは愛されるため生まれた』を作られた方なんだと納得できた」(楽屋でイさんを接待した女性) 「神様ありがとう」
 友納牧師は「CDを一人でも多くの人に届けたいという願いで動いた時、神様は次から次へと扉を開いてくださった。不可能と思われることがどんどん開かれていくのを、ここにいるみんなが見せていただいた。イさんに感謝を表すより、『神様ありがとうございます』と言うことをイさんは喜んでくれるでしょう。その信仰を私たちも引き継ぎ、神様にすべての栄光をお返ししたい」
 最後にイさんは、一つの幻について語った。「7年前、神様が一つの絵を見せてくれました。日本が見え、港が現れ、船が現れ、その上に男がいた。男は鍵を持っていて、その鍵で船の扉を開けた。すると水がいっぱい流れ出し、船、その町、そして日本中を水で浸した。今朝、私は長崎が港町であることを知りました。皆さんを通して神様の愛が日本を満たしていくのではないかと、今そう思っています」  日本バプテスト連盟長崎バプテスト教会=長崎県長崎市片淵1ノ1ノ4。TEL&FAX:095・826・6935。         【中田 朗】