[CSD]2006年 8月20日《ヘッドライン》

[CSD]2006年 8月20日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★ケニアで教育・自立支援活動を展開——市橋孝雄・さら夫妻帰国報告
★8・15靖国参拝に危惧——JEAが小泉首相に要請書

 = 2 面 ニュース=
★信仰と政治分けるべきでない——日基教団東京総会で「改憲反対決議案」否決に北支区常任委から要請文
★「テポドンを怖がる必要ない」——北朝鮮ウオッチャー重村計智氏がVIP渋谷で講演
★イスラエル軍の空爆即時停止を要請——NGO団体が抗議声明
★<教界ニュース>岐阜県基督教連合会、日本福音連盟
◎<落ち穂>地球温暖化の危機訴える映画「不都合な真実」

 = 3 面 クリスチャンライフ=
★友のため命捨てた少年——織田金雄著『荷籠をかついで』改訂増補版、コミック版も
★<私の子育て失敗談>神様を探している子ども 記・斎藤 望


 = 4 面 ビジネスパーソン=
★一人ひとりが経営者——堀井 洋二・卓さん[下]([有]アーク・ビレッジ)
◎現場にいる人たちこそ成功を達成する動力——ミッシェル・メストレ氏講演から

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★講演:福音主義神学会東部部会研究会より[2]神のしもべか、貪欲な獣か<2> 油井義昭
◎<オピニオン>靖国神社「無宗教化」は国家護持の別名 記・根田 祥一

 = 6・7 面 建築特集=
★構造リフォームで耐震補強——TOH建築設計事務所
★免震工法で顕著な効果が——立教学園諸聖徒礼拝堂
★「建築には『遊び心』が大切」——宇佐美建築工房1271
★光が人を包む礼拝堂・聖学院大学チェペル——香山壽夫氏が日本芸術院賞受賞

 = 8 面 関西だより=
★次世代神学校教師育成めざす——神戸ルーテル神学校創立50周年節目に飛躍
★光と笑顔がモチーフ——伝道活動担いたいとミズタニデザインワーク開設
★「真珠湾からゴルゴタへ」再刷——淵田美津雄大佐の証しに反響
★アジアの賛美歌を学び歌う——日本賛美歌学会神戸大会

 = 9 面 全面広告=
☆聖句書道紙上展
<神奈川県>横浜展:9月13日(水)~17日(日)、会場・清水ヶ丘教会ホール
<埼玉県>川口展:10月23日(月)~25日(水)、会場・川口総合文化センターリリア3階
<石川県>金沢展:10月25日(水)~30日(月)、会場エムザギャラリー 2階
<東京都>日本橋展:10月31日(火)~11月3日(金)、小津ギャラリー
問い合わせ先:Tel&Fax.06-6727-3219(聖句書道センター)

 = 10 面 リポート/意見=
★リポートチア・サマーキャンプin仙台
★リポート第108回関西聖会
★投稿:みことばのTPO
★投稿:「今どきの若者」に思う

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★EVENT:ユーオーディア賛美の夕べ(9月23日、2,500円~3,500円)
★CD:「First Time」Joshua (Joshua&Yoshi Blessed、1,050円税込)
★REVIEW:『原理主義』JEAパンフレット6(日本聖書同盟、700円税込) 評・栗林輝夫

 = 12 面 教会=
★関東大震災、東京大空襲、弾圧…多くの試練を乗り越えて——日基教団小松川教会

<落ち穂>地球温暖化の危機訴える映画「不都合な真実」=0608200205

 猛暑が東京を襲った日の昼下がり、冷房の効いた試写室でアメリカのドキュメンタリー映画「不都合な真実」(10月末、東京で封切)を観た。地球温暖化の危機を訴えるこの映画、エネルギーを過剰消費し快適な生活をおくる者には身につまされる内容だ。  「不都合な真実」の主人公は、かつてクリントン政権時代の副大統領アル・ゴア氏。大統領選の敗北以来、地球温暖化の危機を全米でスライド講演会を開き訴えてきた。  ゴア氏が環境問題に取り組んだ動機は家族に起こった悲劇にあった。1989年、6歳の息子が交通事故に遭い生死の境をさまようが奇跡的に命を取り止めた。この時、将来の息子が生きる場所への危機感を強めたという。  映画の中で、もし、CO2がこのままの率で放出されるなら、あと50~70年もすれば、氷で覆われた北極は消滅する、といったショッキングな情報も出てくる。  「不都合な真実」は誰にとって不都合なのか?。映画ではCO2を放出し続けるアメリカ企業への批判が強いが、環境破壊をしてまでも快適な生活を謳歌する我々にとっても、実は不都合な真実が、この映画では浮き彫りにされている。

<オピニオン>靖国神社「無宗教化」は国家護持の別名 記・根田 祥一=0608200502

 任期中8月15日に必ず靖国神社参拝をすると自民党総裁選で公約した小泉首相は、任期最後の今年この日に公約を守るのか。本紙が手元に届くころには結果が出ているだろう。この問題に耳目が集まっている間隙を縫って、とんでもない発言が現職閣僚から出てきた。麻生外相が発表した「私見」である。靖国神社が自主的に宗教法人を解散し、特殊法人の国立追悼施設にするという。それによって、行き詰まりを見せているA級戦犯合祀問題を国会で議論し決着させようという案だ。
 麻生外相は以前から、これに類する考えを漏らしていたが、今回は小泉首相の参拝問題に加え、ポスト小泉の自民党総裁選を控えて「靖国参拝問題」を次期首相候補はどう考えるのか、という関心の高まりの中での発言とあって注目された。
 首相の靖国参拝は憲法違反であり、もちろん問題だ。だが麻生提案は、憲法の政教分離原則そのものを骨抜きにしてしまう点で、もっと問題だ。これでは、1960年代から70年代に再三国会に上程され、大きな議論の末に廃案になったかつての靖国神社国家護持法案の焼き直しである。
 もともと「無宗教」の「国立追悼施設」案は、憲法違反の疑いがあるにもかかわらず小泉首相が靖国神社への参拝強行を続け、中国や韓国からも反発を受ける中で、靖国に代わる代替施設として構想された経緯がある。それが今回の麻生提案では「無宗教」の「国立追悼施設」という概念を援用しながら靖国神社自体を衣替えしてそれにしてしまおうというのだから、巧妙に論点をすり替えようとしている。
 そもそも一宗教法人に対して政府閣僚が、宗教法人格の自主返上を示唆したり、宗教色のない施設への変更を求めたりすることそのものが、宗教への不当な政治介入だ。靖国神社が「一宗教法人」であることを軽視あるいは無視した発言と言わざるを得ない。
 靖国神社はその成り立ちからして「別格官弊社」として陸海軍の所管の下に置かれた、戦前の国家神道の原点である。戦後、日本を民主化するに際してマッカーサーは真っ先に神道指令を発し、軍国主義の精神的支柱であった国家神道を解体することを重視した。靖国神社を「一宗教」の立場に位置づけし直すことは、その中核といえる。
 しかし現実には、靖国神社が「祭神」を合祀するに際しては旧厚生省引揚援護局が「祭神名票」と呼ばれる戦没者の情報をとりまとめて靖国神社に渡すなど、その性格上、国と靖国神社との関係が密になりやすい。しかしだからこそ、民主憲法下で靖国神社が「一宗教法人」とされ、憲法で政教分離が定められたことの意味を意識的に自覚していないと、境界があいまいになりがちなのだ。
 麻生発言が一笑に付されているうちはいいが、いつの間にか真顔で「打開策」として検討されることになりはしないか、注意深く監視したい。