[CSD]2006年 9月24日《ヘッドライン》

[CSD]2006年 9月24日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★信じる者は儲かる——『営業のバイブル』に注目
★ラマダンに合わせ「ムスリムのための30日の祈り」——YWAMがガイドを発行

 = 2 面 ニュース=
◎囲いの外にいる魂のため——こころの友伝道ソウル国際大会0
◎子どもの減少、スタッフ不足が深刻な課題——子どもたちのための祈祷会
★米軍による犯罪被害者の人権擁護活動の高維京さんに「やより賞」決定
★<落ち穂>サリン事件から11年——「教祖」の四女

 = 3 面 クリスチャンライフ=
◎世界に広がる「父からのラブレター」——150か国、70言語 日本では口コミで
★<暮らしの中の信仰>初めてのゴミ当番 記・東後 勝明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★「クリスチャン事業家も必要」信徒として神に仕え——三輪 喜一さん[中](東和工業[株]代表取締役社長)
★<佐藤綾子のイキイキクリスチャン自己表現法>[17]突然ひらめいた「大善」

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★講演:福音主義神学会東部部会研究会より[7]神のしもべか、貪欲な獣か<7> 内田和彦
★<オピニオン>願望の実現を超える祈りの不思議 記・榎本 惠

 = 6・7 面 宿泊特集=
★天の都を目指す人生の旅の宿——シオン錦秋湖
★「ほっ」とする和風旅館——丹波の宿 恵泉
★環境・国際化を視野に——富士山YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ来春オープン

 = 8・9 面 特集/いずみの森=
★木もれ陽踊る湖畔の園——シニアレジデンスいずみの森
★九州キリスト教社会福祉事業団の福祉事業——神のミッションを推進
http://www.izuminosono.jp/izuminomori/
 = 10 面 教会学校=
★<成長攻略法>[最終回]モーセによるエジプトからの脱出 記・中台孝雄
★<CS分級アイデア>パズル「10のわざわい」って!? 記・矢吹 博

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★GOODS:「三浦綾子文学カレンダー」——三浦綾子の言葉と美瑛の風景がマッチ
★CD:「カタチのないもの」神山みさ(MSエンタテイメント、1,300円税込)
★REVIEW:『プロテスタント教理史』渡辺信夫著(キリスト新聞社、4,830円税込) 評・正木牧人

 = 12 面 ひと=
★神の愛で体も心も矯正します——整体師・桑山 欣也



囲いの外にいる魂のため−−こころの友伝道ソウル国際大会=0609240201

 牧師と信徒のパートナーシップを大切に伝道活動を続けてきた超教派団体「こころの友伝道」(横山義孝会長)が、8月28日から30日まで、韓国ソウル市内のホテルを会場に、ソウル国際大会を開き、日本から102人、韓国から約100人の参加者が、一人が一人を導く伝道活動の研修を受けた。  元々、今から55年前に「訪問伝道」活動として始まった「こころの友伝道」。これまでは、その大会はすべて国内で行われていたが、今回、和解の使者としての認識を新たにするために、かつて日本が深い傷を与えた韓国の地での開催が決定。韓国のクリスチャンと共に、歴史を支配される主のみこころを求める機会となった。
 大会では、日本人講師により、「こころの友伝道」の原則などを学んだが、夜の集会では、バプテスト教会長老で88年のソウルオリンピック組織委員長や、02年の韓国ワールドカップ組織委員長を勤めた朴世直氏が、両大会を成功に導いた信仰のあかしを披露、最終日の夜には、韓国キャンパスクルセード総裁の金俊坤氏が、韓国教会の課題を最近のデータをもとに語った。
 金俊坤氏と言えば、1974年、ソウルのヨイド広場で行われた百万人集会「エクスプロ74」で主講師を務め、70年代後半の韓国教会の爆発的成長の口火の役割を果たした人物。事実、74年頃に約280万人だった韓国のクリスチャン人口は、1年後には、400万人近くに増えたという。その後、韓国の教会は急成長を続け、人口の25パーセントがクリスチャンという統計が一般的となった。だが、金俊坤氏によると、最近の政府から出された公的統計では、韓国の教会の成長は下降して、クリスチャン人口も876万6千人で、これは、人口の18・2パーセントにあたり、明らかに、この10年で、教会に来ている信徒数は減少しているという。また、70年代には、大学生の回心が教会成長の大きな要因の一つでもあったが、22万人の大学生を対象に行った最近の調査では、クリスチャン生活を続けているという学生は4パーセントにしか満たなかったという。「確かに、韓国の教会は、熱心に働いてきた。しかし、自分たちの教会を大きくすることには熱心でも、教会の外に出て福音を伝えることにだんだんと疲れてきた。韓国の教会はいつの間にか肥満化が進んでいる。大きな教会には水平移動で、ますます人が増えるが、それは、囲いの外にいる魂が救われていることを意味しない。韓国の教会は、再び、外にある魂の救いのために立ち上がらなくてはならない。教会は教会のために存在するのでなく、まだ救われていない魂のために存在している。たとえば、教会の外にいる家族の中に子どもが生まれたなら、教会は、その小さな魂の救いのために祈る使命がある。そして、外にいる人々にも、教会が外の人のために祈っていることを知ってもらう必要がある」。これは、韓国教会として恥ずかしいデータだと言いつつ金俊坤氏は語った。また、現代の左翼的政権の危うさや、増え続ける経済界の犯罪にも言及、今、韓国の教会は、道徳的危機、霊的危機にあると、とりなしの祈りを要請した。

子どもの減少、スタッフ不足が深刻な課題−−子どもたちのための祈祷会=0609240202

 今年も東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで9月4日、「子どもたちのための祈祷会」(全日本宣教祈祷運動主催)が開かれた。
 同祈祷会は毎年、「今を生きる日本の子どもたちの心の叫びと、働き人の心の内に聴き、共に祈り合う」ことを目的に開かれているもので、今年で5回目。児童・学生伝道団体や教会学校(CS)のスタッフ、牧師、母親など、子どもへの伝道に重荷をもつ参加者らが集った。
   ◇
 祈祷会では、木村裕彦氏(大阪基督教短期大学講師)が「熱く燃えるクリスチャン青年を育て上げる」と題して語った。木村氏は、「冷め切った心が青年たちの中に広がりつつある」と懸念し、ルカ24・32から「クリスチャンはこのように熱く燃えることができる。もしそうなれば、本人はもちろん、世界も変わっていくはず」と語った。ではどうすれば、心を熱く燃やすことができるのか。それについて木村氏は、信仰生活の重要性を強調。「日常の生活に信仰が生きていなければ、熱くなることはできません。大事なのは、子どもたちが成長の中で信仰を育んでいくこと。周囲が、信仰を知識として教えるだけでなく、子どもたちの様々な悩みに耳を傾ける中で、物事を信仰的に解決していく手助けをしていく。そのことにより、信仰の何たるかを子どもたち自身が学び取っていきます。信仰的な知識に加え、生活が同時に進行していかなければならない。そのために、まず私たち自身が熱く燃え上がらなければ」と語った。
 参加した各伝道団体や、小グループに分れての分かち合いの際には、多くのCSで子どもが減ってきているだけでなく、スタッフ不足が深刻な課題としてあげられた。また、子どもが加害者となる殺傷事件が相次いで起きていることに対し、懸念の声が聞かれた。中学生聖書クラブ協力会(CSK)からは、そのような時代の中にあっても、教会につながる中高生がいること、神の言葉である聖書が与えられており、それを理解できる教育を中高生が受けていることを感謝する祈祷課題などが挙げられた。大学生伝道に携わるキャンパスクルセード・フォー・クライスト(CCC)からは、今年の4月から7月の間に、東京CCCでは約60人の学生が信仰をもったという喜びの報告があり、続けて学生のために祈っていくよう呼びかけられた。祈りの時、参加者らは子ども伝道のため、虐待やいじめなどにさらされている子どもたちのため、伝道団体やCSのスタッフの励ましのためなど、それぞれ熱心に祈り合っていた。

世界に広がる「父からのラブレター」−−150か国、70言語 日本では口コミで=0609240301

 「わたしはあなたのすべてを知っている」から始まり、「わたしの子どもになってくれるかい? 待っているよ」で終わる「父からのラブレター」。父なる神様が子どもである人間をどんなに愛しているかを50あまりの聖句を並べ詩的に編集されたこのラブレターは、今までに150か国、70以上の言語に訳され、今、日本のクリスチャンの間でも口コミで広まっている。編集者はカナダ人のバリー・アダムスさん(ファーザー・ハート・コミュニケーションズ代表、ウエストビュー・クリスチャン・フェローシップ会員)。現在、このレターを世界中に広めるミニストリーを展開している。バリーさんに話を聞いた。  きっかけは97年10月、「キャッチ・ザ・ファイヤー・カンファレンス」に出席したこと。それまで19年間、新聞の仕事をし、広告部門で数々の賞を受賞。教会でもボランティアの青年牧師、礼拝リーダーを務めるなど精力的だった。だが精力的な理由は「愛を得るただ一つの方法は熱心に働き、多くのことを達成すること」と信じていたからだった。その後、300人の信徒を牧会する牧師に。仕事も増え、心身共に行き詰まりを覚えていた。
 カンファレンスでは、若い牧師がバリーさんのために祈った。「私は今一つの絵を見ている。あなたは赤ん坊、神はあなたの父。今、あなたの臍の緒が神様と結びつけられた」。以来、「父なる神様をもっと深く知りたいと思った」。翌年の6月、オンタリオで行われた男性リトリートに参加。講師が「もっと父なる神の愛を深く知るように」と祈ってくれた。「その時、神様の温かい御腕が私を包み、愛を求めていた幼少期の頃の傷に触れてくれた」
 「私は神様について神学的理解はあったが、神様に直接触れられた経験は初めて。その後、聖書を読むと至る個所で父なる神の愛を発見した」。同年12月には「あなたが聖書を秩序をもって並べるなら、聖書は世界の人々へのラブレターになる」との静かな声を聞いた。
 早速、創世記から黙示録まで57の聖句を拾い「父からのラブレター」を編集。それをもとに99年1月から家庭集会で説教を開始。すると「人々が父なる神の愛についての簡単な説教に応答し、天の父との親密な関係をもつようになった」。
 その年の11月にはウェブサイト「ファーザーズ・ラブレター」を立ち上げ、無料でダウンロードできるサービスを開始。すると「あんまり多くの人が一度にそれを見ようとしたので、プロバイダがシャットダウンした」。新しい宣教の必要を感じ00年9月、「父なる神の愛」を分かち合うことを目的とした「ファーザー・ハート・コミュニケーションズ」を設立した。
 「父からのラブレター」は今までに300万回以上ダウンロードされ、世界各国のラジオ、テレビ、新聞で紹介されている。中東では、アラビア語で衛星テレビを通し放送された。そのほか
1.CD・ビデオが中国地下教会の信者たちに配られた
2.ケニアでは、自殺しようとしたエイズの女性がこれを読み、死を思い留まった
3.一人の女性を通じ米アリゾナ州の刑務所にいる4万人以上の囚人にこのCDが手渡された、などの反響が寄せられている。
    ◇
 日本では、バリーさんとも面識がある田村淳・優子夫妻(チャーチ・オブ・グローリー吉祥寺牧師=東京・武蔵野市)が本人の了解を得、同教会ウェブサイト(http://church.ne.jp/glory/)に日本語訳をアップ。教会では「父からのラブレター」を日本語に訳したビデオやCDを上映し、「多くの人が癒されている」という。
 長野県上水内郡飯綱町にあるサンクゼールチャペル(久世まゆみ牧師)では、コピーを受付に置いている。久世牧師は「来られた方たちが勝手に持っていく。読むたびに響いてくる聖句が違うので、自分の霊的状態を知るために定期的に読んでいる。新来会者のための学びにも使っている」と述べた。ホームページhttp://fathersloveletter.com/(英語)