[CSD]2006年11月26日《ヘッドライン》

[CSD]2006年11月26日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★「戦争準備内閣」止めよう——「福音主義キリスト者平和市民の会」設立呼びかけ
★米国:ハリウッド映画大手がキリスト教や信仰主題の映画に傾注

 = 2 面 ニュース=
◎教会の重要課題と危機感——JEA信教の自由セミナーで「日本宣教と憲法」
★山北宣久氏を教団議長に再選——日本基督教団第35回総会
★「驚くばかりの恵み」——52歳、中嶋常幸プロ4年ぶりのツアー優勝
★<教界ニュース>JFORが非核三原則堅持をと意見書。日本カトリックが教育基本法改定への懸念を表明
★<落ち穂>三浦綾子の『氷点』テレビ化

 = 3 面 クリスチャンライフ=
◎沖縄で初の全県規模の子ども大会——フランクリ・グラハム国際大会子どもファミリーフェスタ開催

★新連載<クリスチャンでない夫をもつ妻たちへ>[1]夫を福音から遠ざけていた… 記・神津 喜代子

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★ここに本物の何かがある——佐々木 達史さん[上](冨士土地[株]営業部)
★<ゴールデンルール>[7]他者に存在の承認を与えなさい 記・田上(たのうえ)昌賢

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★<私の愛国心>[7]聖書はどう教えているか 記・渡辺 信夫
★<オピニオン>平和憲法護持の先頭に立ち福音を満たそう 記・栄 義之
★パレスチナ:降誕の町にキリスト者いなくなる?

 = 6・7 面 葬儀特集=
★2年ごとに葬儀業者を入札制度で複数選定——イムマヌエル中目黒キリスト教会
★葬儀で故人の思い出分かち合うひと時を——「ぱるーしぁ」代表・佐々木 博さん
★まごごろ価格でお手伝い——(株)創世ライフワークス社支社長・野田 和裕さん
★「悲嘆」「喪失」にどう対処?——聖学院大学カウンセリング研究センター
★<書籍>『線と天——死と生、そして葬儀を考える研修会記録』日本バプテスト連盟宣教研究所編(同、1,000円税込)

 = 8 面 特集/愛のささげもの=
★神さまは、どちらを選ばれるのだろうか

 = 9 面 法律特集=
★リーガルマインドと信仰——その狭間から見えた教会 記・阿部 聖津雄
★<書籍>『宗教法人・こんなときどうするQ&A』佐藤丈史著(いのちのことば社、2,520円税込)

 = 10 面 教会学校=
◎子どもこそ伝道のターゲットに——ジョイジョイフェスティバル2006
★<CS分級アイデア>罰ゲームで「隠れたメッセージ」しないように 記・篠田真宏

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「HEARTSTRINGS」岩渕まこと(MAKOTO BOX、2,700円税込)
★CD:「Eternal Blessing PROLOGUE」泉水美保(スタジオシオン、2,500円税込)
★REVIEW:『神なきところに神を見る』森田雄三著(教文館、1,890円税込)

 = 12 面 教会=
★書画が地域に門戸開く——島根県:日本ナザレン教団久村教会での書画展  = ?・? 面 日本キングス・ガーデン特集=
☆人生の先輩に仕える
☆座談会:「求められる福祉・医療・教育の連帯」 稲葉 裕氏(順天堂大学医学部教授)、倉沢正則氏(東京基督教大学学長)、児島康夫氏(特養・川越キングス・ガーデン施設長)
☆再開発で市街地に特養——キングス・ガーデン宮城が複合施設「キングス・タウン」開所
☆三重県南の福祉拠点、利用者本位の運営——キングス・ガーデン三重




◎教会の重要課題と危機感−−JEA信教の自由セミナーで「日本宣教と憲法」=0611260201

 日本福音同盟=JEA=社会委員会(荒川雅夫委員長)は、最近の日本の教会を取り巻く政治状況が激変していることを受けて11月4日、「日本宣教と憲法」をテーマに第19回信教の自由セミナーを開催。教会として憲法問題と宣教を問うことが最重要課題と位置づけ、主講師に憲法学者の笹川紀勝氏(明治大学法学部教授、日本キリスト教会南柏教会員)を迎え、パネルディスカッションで学校の現場から岡田明氏(都立高校教員)、人権とキリスト教について根田祥一氏(クリスチャン新聞編集顧問)、戦争と平和について水草修治氏(同盟基督・小海キリスト教会牧師)が発題した。会場のJECA・キリスト教朝顔教会(東京都世田谷区)には、学生らを含め例年を大きく上回る約90人が参加した。
 笹川氏は「憲法改正と天皇制」に焦点を当て、憲法改正問題で関心が9条(軍備)に集まっているのに対し、国民主権論と天皇制が大きな問題だと指摘した。笹川氏によると、ポツダム宣言受諾にあたり当時の日本政府が最もこだわったのが天皇制国体の護持。日本は立憲君主制だったとして昭和天皇の戦争責任を免責しようとした。そうした天皇を中心とする古い日本の政治権力が残ったことにより、戦前の大日本帝国憲法(明治憲法)と戦後の日本国憲法は建前では断絶し、戦後憲法は「国民主権」をうたっているにもかかわらず、自民党の多数は「連続説」という実態が生じた。
 自民党新憲法草案でも「国民主権」「基本的人権」の文言はあるがその前提として「象徴天皇制」の維持が置かれ、「ここにオーダー(序列)がある」と警告。教育基本法・憲法改定の動きも「国があり、その上で憲法があるというオーダーだ。学校教育の場でもっと天皇制浸透の動きが強くなると思う」と予測した。「これから戦後かつてないほど天皇制が影響力をもつ。地上の教会はこの点でぶつかるだろう。憲法のもとで天皇制をどう見るのか、教派を超えて真剣に考えなければいけない」として、教会と国家の関係を見据えるべきことを強調した。
 パネルディスカッションで岡田氏は、都教育委員会が03年10月23日に都立学校校長に出した通達(通称10・23通達)によって教師を黙らせ、「国旗に向かって起立し国歌斉唱」を生徒に押しつけた実態を証言。それはおかしいと都立学校教員ら401人が原告となって提訴し9月21日東京地裁で原告が勝訴した「予防訴訟」に、原告として参加した体験を述べた。
 「私は惰性的に教会生活を送ってきたが、この問題だけは、今声を上げなければ大変なことになると直感で感じた。クリスチャンとしての意見を法廷で陳述しているうちに、『これは信仰の告白。この陳述書を書かせたのは神様だ。この国を神様は本当にあわれんでおられる』と感動した。この戦いは主の戦いだとはっきり分かった」
 クリスチャンでも「日の丸・君が代」強制に対し態度をはっきりできず悩む弱さがあることにも触れ、「皆さんの中にも何もできないと思う方が多いと思うが、一番有効なのは、国民として、都民として抗議すること。意見でも質問でもいいから声を上げてほしい」と呼びかけた。
 水草氏は、旧約聖書と「キリスト教国」の義戦論を、歴史的な経緯を跡づけつつ批判。新約の時代には「キリスト教国」も聖戦もないとして、平和主義に立つ主イエスの山上の説教を解説。旧約聖書もその視点から解釈すべきことを強調した。

◎沖縄で初の全県規模の子ども大会−−フランクリ・グラハム国際大会子どもファミリーフェスタ開催=061

 11月3日から5日まで、沖縄県中部、北谷町陸上競技場を会場に開催された沖縄フランクリン・グラハム国際大会では、中日の4日土曜日に子どもファミリーフェスティバルを開催した。子ども保護者あわせて4千984人が参加し、フェスティバルの最後には招きにこたえ541人の子どもたちが信仰の決心をした。  このフェスティバルのメインは『たいせつなきみ』という絵本のストーリーのミュージカル。きみは大切な存在というメッセージをフェスティバル全体を通して演出した。
 ミュージカルにはクリスチャンの子どもら41人が出演したが、児童劇団顔負けの演技力に参加者は見入った。出演者は県内の教会からオーディションで選ばれ、2か月半かけて準備した。準備中には泊まり込みの合宿をするなどして、演技に歌に磨きをかけた。当日のステージを見た人から、刑務所でも上演してほしいとの声がかかり、12月に慰問公演として再演される予定。
 フェスティバルは、実際のオープニングの30分前から会場内8か所で賛美やゲーム大道芸などが披露され、スタート。着ぐるみや様々な衣装をまとったボランティアらのリードでじゃんけんゲームや竹馬、○×ゲームなどが行われ、子どもたちの大きな人垣ができていた。これら8つの小イベントは県内の教会学校の盛んな8つの教会が担当し、それぞれが企画したもの。
 オープニングの時間になると「グラハムレンジャー」が登場。5人の正義の味方が悪者を追い払うというショー。悪者に取り囲まれ、絶体絶命の危機に陥った時、お祈りの力で悪者を打ち破るという単純なストーリーだが、オリジナルのテーマソングとグラハムレンジャーの軽妙な動きに子どもたちは大喜び。
 そのほか、キッズクワイアの賛美や森祐理さんのトークショーなど多彩なプログラム。フランクリン・グラハム氏が飛び入りであいさつをしたが、プログラムにはあえて説教は入れなかった。
 最後に子ども委員会の城倉翼委員長(那覇バプテスト教会牧師)が、招きのすすめをすると、子どもたちが次々と前に進み出た。
 「今回の子ども大会は沖縄フランクリン・グラハム国際大会と同じスタンスをとりつつ、大会とは全く別のプログラムとして企画しました。基本的なメッセージはミュージカルで伝えるようにしました。内容は初めて来た子も楽しめるプログラムを考えました。人数的にも全く見当がつきませんでしたが、5千人が集まるようにと祈って準備してきました。天候も守られ、祈りが答えられました」と城倉氏は語る。これまで沖縄では全県規模での子どものための超教派の伝道会が行われたことがなく、今回が初めての取り組み。
 「大会は成功と言えますけれど、これからが課題です。基本的には今後のフォローは各教会にゆだねられますが、何らかの形で子ども伝道が活性化される場をつくっていきたいですね。大会後、各教会の児童伝道のネットワークをつくっていこうと、草の根委員会としてすでにスタートしています。教会学校の情報交換、横のつながりを密にすることが必要ですし、求められています。フランクリン大会以前と以後では児童伝道の流れが変わったと言われるような働きにしていきたいですね」と城倉氏。

◎子どもこそ伝道のターゲットに−−ジョイジョイフェスティバル2006=0611261001

 子ども伝道大会「ジョイジョイフェスティバル イン ヨコハマ2006」(CS成長センター主催)が10月28日、カリタス女子短期大学(横浜市青葉区)で開催された。当日は子ども約250人、大人約200人が参加し、にぎわった。子ども伝道に、多くの教会学校(CS)が難しさを感じていると言われているが、大会ではどのような工夫がなされたのだろうか。  今大会の目的の一つは「子どもたちに福音を伝えるため、勇気と元気を与えるため」。実は、最近では「子どものための大会」はほとんど行われてこなかったという。「最近は、若者のための大会は増えてきていますが、小学生以下の子どもを対象としたものはないに等しい現状です」と、協力教会でともに企画を進めたみどり野キリスト教会ユースパスターの西村希望さんは語る。そこで、子どもをターゲットにした大会の開催がCS成長センターとの間で具体化し、6年ぶりの開催となった。
 そしてもう一つの重要な目的が「CSスタッフの励ましのため」。「日本の教会の45%が、CSをすることができない状況にある」と西村さん。「子どもたちのために何かをしたいと思っても、状況的に難しい教会がたくさんあります。そんな教会にとって、この大会が少しでも助けになれば、また、教会同士のつながりが深まればと願っています」  プログラムは、ワーシップタイム、ゲーム、メッセージのほか「ビッグ輪投げ」や「キーホルダー作り」、「パターゴルフ」など26のブースを回るスタンプラリーもあり、盛りだくさん。ブースには、高く投げ上げたボールをペットボトルで作ったミットでキャッチする「ボールキャッチ」、10秒間にどれだけたくさんの○を描けるかを競う「まるまる選手権」、風船をはじいて相手ゴールに入れ合う「バルーンバトル」など、子どもたちが楽しめるよう様々なアイデアが盛り込まれている。
 ワーシップタイムでは、曲に緩急をつけて振り付けも取り入れ、子どもたちが一定のリズムに飽きてしまわないよう工夫。合間にゲームを交えるなど、メリハリの利いたプログラム運びだ。
 また、「小学生」とはいえ1年生から6年生までおり、さらに幼稚園児や中学生の参加者も含めると子どもの年齢に差があるため、メッセージにも工夫が必要だ。「小学校1年生が理解できる内容に心がけています。1年生が分かってくれれば、ある程度カバーできるのではないかと思います」と西村さんは語る。  西村さんは、「今、子どもたちを『勝ち取る』こと」と強調する。「今、彼らを勝ち取っていかなければ、本当にとんでもない時代が来ます。彼らは、日本のキリスト教界の次の世代を担う存在です。そのために、都市部でないところでも、こういった大会をぜひさせていただきたいと思っています」