[CSD]2006年12月17日《ヘッドライン》

[CSD]2006年12月17日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★永田町のクリスマス——議員ら宗旨超え、最近受洗の若手も
◎ネパール「ヒンズー王国」に終止符——マオイストと包括和平合意で

 = 2 面 ニュース=
★沖縄・基地建設講義の現場から証言——日韓在日キリスト教教育協議会
★教団、キリスト教主義学校などから教育基本法「改正」案に相次ぎ反対声明
★リーダーは深い倫理観を——聖学院大学創立記念講演会で北城格太郎氏
★聖霊は今も注がれている——第47回バックストン聖会
★<落ち穂>「小さいことはいいこと」

 = 3 面 クリスチャンライフ=
★教会が対局場に——総持寺キリスト教会で囲碁・将棋クラブ「歩み会」
★「協力伝道」の推進願い——バプ連盟「バプテスト」誌46年ぶりの紙面改定へ
★<私の子育て失敗談>誰かに傷つけられた時 記・斎藤 望

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★世界で一つの自転車を——谷 信雪さん[上](サイクルボーイ代表)
★<ゴールデンルール>[8]顧客満足の土台に黄金律を 記・田上(たのうえ)昌賢

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★<私の愛国心>[10]人間を切り捨てる「愛国心」 記・東海林 路得子
★<オピニオン>いじめる子、いじめられる子に伝えたいこと 記・瀬底 のり子

 = 6・7 面 賛美特集=
★日本の礼拝歌集——時代時代に賛美あり
★礼拝歌集年表

★伝統重んじ新しい賛美を——各歌集の特色

 = 8 面 関西だより=
◎日本を十字架の街にしたい——ビルのスペースを開拓伝道に無料提供
★VIP大運動会に老いも若きも大活躍——VIPクラブ関西
★愛と笑顔あふれるシャローム文化祭——高齢者介護のシャローム(株)

 = 9 面 ニュース=
◎伝えたいのは「赦しと愛」——ルワンダ虐殺生き抜いた女性が自伝『生かされて』を出版
★「和解と癒しは教会の使命」——ルワンダのフィルバート・カリサ氏講演
★<米国>宗教の自由懸念国からベトナムを除外
★<米国>サンホアキン教区が聖公会離脱方針決める

 = 10 面 情報=
★リポート:UNITED LIVE in TOKYO 記・白鞘 慧海
★リポート:Bible-based 通訳セミナー 記・美登かんな
★<なんでもご意見箱>「福音版」について提案ほか

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『忘れません、あの約束を』日本バプテスト連盟「憲法改悪を許さない私たちの共同アクション」編(問合先Tel.048-813-7567)
★BOOK:『クリスマスの歌と劇 vol.2』(キリスト教視聴覚センター、2,100円税込)
★GOODS:「Christmas in LOVE」日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(問合先Tel.04-2926-0868)
★REVIEW:『まんがキリスト教の歴史』樋口 雅一著(フォレスト・ブックス、1,680円)

 = 12 面 教会=
★神に触れたゴスペル4人娘——Joyful Noise Singers



◎ネパール「ヒンズー王国」に終止符−−マオイストと包括和平合意で=0612170102

 カトマンズからのANS報道によると、ネパールで11月21日成立した政府とマオイスト(毛沢東派)との包括和平合意により10年来の内戦が公式に終結。それにより、同国のヒンズー王国制が正式に終わり、暫定憲法はすべての宗教を認める用意を含んだものとなった。とはいえ依然、同国人口の85パーセントはヒンズー教徒であり、世俗政府が実効性のある変化をもたらすかどうか疑問視する向きも多い。
 同国で活動するゴスペル・フォー・アジア(GFA)の国内宣教者らによれば、和平合意は単に国王から力を奪うための政治的まやかしだと多くの人が見ているという。「新しいネパールはすべての国民の夢だ。この国のクリスチャンとして、市民として、私たちはこの国を祝福するために愛とキリストの徳を広めたい」と同国GFAの指導者は語る。
 不幸にも、和平合意のはなはだしい侵害がすでに伝えられている。オンラインネパールニュースは、毛派が少年を誘拐し人民自由軍に加わるよう強いる常習的な陰謀を続けていると報じている。毛派指導者は、学生らは自発的に入隊しており、奉仕に対する支払いもされているとして誘拐を否定している。
 同国では和平合意までに1万3千人の内戦による死者が出ており、内戦により解散に追い込まれた教会もある。多数の教会指導者や信徒らが殺され、牧師らは毛派と政府軍の双方から襲撃や虐待を受けてきた。
 ネパールはヒンズー王国として他宗教の宣教が禁じられてきたが、民主化により90年代からキリスト教への改宗が増え、01年発行の「オペレーションワールド」統計によれば同国のクリスチャンは人口の1.89パーセント。しかし民主化後も公式には「ヒンズー王国」であり他宗教の地位は不安定なままで、その上、毛派と政府の内戦が教会への圧迫に拍車をかけていた。

◎日本を十字架の街にしたい−−ビルのスペースを開拓伝道に無料提供=0612170801

 「日本のために教会を造ろう」と、大阪府内各地に所有するビルのスペースを開拓教会のために無料で提供している人がいる。ダイキインターナショナル株式会社代表取締役で大阪純福音教会執事の吉本依左生さんだ。韓国・ソウルの町に林立する十字架に感動し、日本の街々にもその光景を再現したいと、インターネットで教会開拓支援サイトを公開し希望者を募っている。「器を提供することが自分なりの福音伝道」と、日本のリバイバルを後押しする。  「主に喜ばれることがしたい」。12年前、韓国・ソウルで開かれたアッセンブリー世界大会に参加した吉本さんは、心の底からわき上がる感動の中で切実に願った。100万 人が集う大集会。熱い信仰の渦。主が生きて働かれるのを目の当たりにした大会だった。当時信仰をもった主イエスキリスト教会の一員として参加した吉本さんは、韓国のクリスチャンの温かさに感激すると同時に、韓国のクリスチャンがもつスケールの大きさと、ソウルのビルに掲げられた十字架の数に圧倒されていた。
 帰国後も吉本さんの脳裏から、十字架が存在感を放つソウルの光景が離れなかった。主に喜ばれることは何か、祈り求め続けていたビジョンはその光景を日本でも再現することだと確信した。ビルを建て、その中に教会を建て上げる。自分自身は器を提供することに徹し、教会は開拓伝道に燃える献身者に無料提供しよう。この壮大な教会開拓支援プロジェクトは、12年の歳月を経て、現在所有する8棟のビルの数か所が伝道の活動拠点となっている。
 吉本さんのビジョンに真っ先に呼応したのは、生駒聖書学院院長でペンテコステ教団・エリムキリスト教会の榮義之牧師だった。榮牧師は「教会をコンビニのように増やしたい」と吉本さんに語り、吉本さんも「細胞分裂のようになれば」と、ビジョンを共有するクリスチャンとして、榮牧師に開拓の場を提供している。榮牧師は吉本さんのビジョンを受けて次のように述べた。
 「開拓伝道の志をもっている人に3年間マンションの無償提供をしたいという吉本さんの申し出に、私は驚くと同時にその深い信仰に感動を覚えました。開拓伝道のビジョンをもつ最終学年の神学生を連れて吉本さんと面談したところ、3年間という期日を厳守すること、副業をもたず伝道に専心すること、これらを堅く守ってほしいと強調されました。3年間といえばイエス様が公生涯を経られた年月です。ここに吉本さんの信仰の信念がありました。3年間で教会の土台をつくり、他所に拠点を移す。空いた部屋では再び新しい伝道者による開拓が始まる。この開拓リレーのビジョンは、また大きな犠牲を払うビジョンでもあり、吉本さんの信仰の熱さ、純粋さによる献身にほかなりません。来年の3月、マンション完成後に、2人の神学生が開拓に乗り出す予定です。それぞれのマンションの名前に「シャローム」をつけた。この世に漕ぎ出す伝道者を、主の平安に守られた建物が支えてくれることでしょう」
 契約条件は左記の通り。◆応募資格=教団・教派・年齢・経験不問。ただしフルゴスペル教団は大阪市内のスペースを除く。◆期間=3年間。
◆費用=保証金・礼金・家賃無料。◆面談=応募者はオーナーと面談あり。
 教会開拓支援サイトホームページhttp://www17.ocn.ne.jp/~shalom7/

◎伝えたいのは「赦しと愛」−−ルワンダ虐殺生き抜いた女性が自伝『生かされて』を出版=06121709

 1994年、約100日間で100万人が虐殺されたルワンダ(※1)。大虐殺を生き抜いた体験をまとめた自伝『生かされて。』(PHP研究所)が、翻訳出版されたイマキュレー・イリバギザさんが来日。11月29日、東京・港区の慶應義塾大学で記念講演をした。イマキュレーさんは「神様は理由をもって私を生かされた」と自身の体験とともに、その信仰を語った。  「痛みは人間を強くさせます」。大虐殺があった当時、イマキュレーさんは大学生。イースター休暇で帰省していたときに、大統領が事故死する。教師であった父、レオナールさんは事態を楽観していたが、フツ(※2)であった大統領の死を「ツチのせい」とする声が高まり、殺りくが始まった。イマキュレーさん一家は、カトリックのクリスチャンでツチ。レオナールさんは、「何があっても強くあれ」とイマキュレーさんに語った。
 やがて事態は深刻になり、イマキュレーさんは知人の牧師宅にかくまわれる。牧師の寝室にある90センチ×120センチのトイレに、7人の女性とともに3か月間隠れていた。その間、両親と次兄、弟は殺されてしまう。「死にたくはありませんでした。神様がいるのならば、私を守ってくださると思いました」。隠れながらフツの人たちのために、助かったら何ができるかを考え、祈り続けた。
 「トイレの中でキリストの夢をよく見ました。その夢を通して赦しを学びました。『彼らは何をしているのかわかっていない』と」
 奇跡的に助かった後、現在は国連で働く。「伝えたいことは赦しと愛です。間違ったことに対しては妥協せず、希望を失わないでください。赦しは相手への視点を変えること」と力強く語った。
 (※1)ルワンダの大虐殺…1994年4月6日、ルワンダのハビャリマナ大統領と隣国ブルンジの大統領を乗せた飛行機が撃墜されたことに端を発し、フツ至上主義者らが組織した民兵組織などによって、ツチとフツ穏健派が殺された。この惨状に、国際社会はほとんど関心をもたなかった。
 (※2)フツとツチ…ルワンダを植民地支配していたベルギーが、政策として黒い肌に平らな鼻の「フツ」と、より色白で細い鼻の「ツチ」のグループに分け、少数のツチをあらゆる面で優遇した。しかし両者は同じ場所に住み、言語、宗教が同じで、別の民族集団としてとらえられないとされている。