[CSD]2007年6月24日《ヘッドライン》

[CSD]2007年6月24日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
◎「新しい聖書翻訳」一本化へ5団体合意——日本福音同盟(JEA)総会で報告
★アフガン難民支援チャリティコンサート——NPO燈台とユーオーディアが共催

 = 2 面 ニュース=
★第5回日本伝道会議:危機の時代における宣教協力——プロテスタント宣教150年を意識
★JEA社会委:信教の自由脅かす国家主義的動向を危惧
★JEA神学委:セブンスデーの信仰について研究着手
★インド:キリスト者への暴力に抗議するデモで4千人逮捕
★<教界ニュース>7月にスポーツミニストリーセミナー開催
★<落ち穂>新任牧師の牧会訪問

 = 3 面 =
★自衛隊「監視」は教会にも——戦前想起、言論統制の危険
★「ピースリボン」裁判6月28日に東京高裁判決
★国際:「ノアの箱舟」再現で地球温暖化に警告
★<オピニオン>信仰者に問われるアマチュアリズム 記・米内 宏明
★検証:牧師転落死事件から学べること[2]——「型破り」と居直りの諸相 記・藤掛 明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★本職の映画製作に命懸け——齋藤 佳雄さん[下]([株]タイムズイン21代表取締役社長)
★<更正の手がかり>[3]苦しい時は過ぎ去る 記・梅津 善一(公認会計士)


 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「翼のない鳥」福原崇喜(Fist Fioor Recordings、1,050円税込)
★BOOK:『信じる気持ち』富田正樹著(日本キリスト教団出版局、1,470円税込)
★BOOK:『人の「やさしさ」と「強さ」』土戸 清著(教文館、1,575円税込)
★REVIEW:『メソジストって南ですか』清水光雄著(教文館、1,890円税込) 評・馬渕 彰

 = 6・7 面 特集/創造を考える =
★天地創造の1週間の長さは——古い地球なら科学と聖書は一致 「古い地球」論から:ヒュー・ロス
★天地創造の1週間の長さは——創造の長さの理解は世界観に影響 「新しい地球」論から:宇佐神 実

 = 8 面 特集/ザ・教誨師 =
★美弥社会復帰促進センター6月から始動——人権保護には期待だが選別される収容レベル
★初めて改定される「監獄法」——求められる教会・社会全体の関心と協力
★受刑者からの手紙を説教に活かして 記・梶原睦尚

 = 9 面 関西だより =
◎「イスラエルを知ると神の視点になる」——7月にBFPジャパンがセミナー
★米国に「創造博物館」オープン——聖書の歴史世界を体感
★ぶんぶん丸・藤本祐介選手がVIPゲストに「挑戦」

 = 10 面 教会学校 =
★「向き合おう性の現実、伝えよう性の祝福」——誘惑溢れる世の中、保護者も危機感
★CSキャンプセミナー:キャンプはこの世から離れ主と出会う時
★<CS分級アイデア>くるくる紙ビーズを作ろう 記・石橋えり子

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎路上生活者に「家」を——ホームレス支援のCD「ゴーイング・ホーム」発売
★音楽は国境を超え——日中友好35周年で日本人が中国でクラシックコンサート
★<私の子育て失敗談>[28]ごめんねと言わない世界に 記・斎藤 望


 = 12 面 教会 =
★水害の経験経て新会堂建築へ一致——伝道福音・三条福音キリスト教会



◎「新しい聖書翻訳」一本化へ5団体合意−−日本福音同盟(JEA)総会で報告=0706240101

 「福音派の教会が一致して取り組む聖書翻訳事業」を目指して懇談を進めてきた関係5団体が、同事業の組織化とその実施に向けて合意を固めた。5団体による聖書翻訳準備委員会が協働して一般社団法人を設立し、同法人のもとで「新改訳聖書の改訂による新しい翻訳」の事業を行う。5団体協議の世話役を務めてきた日本福音同盟(JEA=峯野龍弘理事長、具志堅聖総主事)が6月5日、静岡県浜松市で開催した第22回総会の中で報告し、合意の内容を明らかにした。(総会詳報2面)  5団体は、新改訳聖書の翻訳団体である新改訳聖書刊行会(SSK)、同頒布団体の日本聖書刊行会(NSK)、同発売元のTEAM・いのちのことば社と、21世紀聖書刊行会。新しい聖書の翻訳を構想していた21世紀聖書刊行会(泉田昭氏)が2001年、JEAのもとで聖書翻訳事業が行われることがふさわしいとする要望書をJEA理事会に提出。これを受け同年6月のJEA第16回総会での懇談を経て、JEAが世話役となり、同年8月から5団体の懇談を重ねてきた。その結果、05年12月から具体的な組織の立ち上げを目指して「聖書翻訳準備委員会」が開始。これまでに10回の準備委員会を通し「聖書翻訳事業の組織化とその実施に関する案」が具体的に合意された。
 合意の概要は、(1)「福音派の教会が一致して取り組む聖書翻訳事業」を実現するために、5団体による聖書翻訳準備委員会は協働して「一般社団法人A」を立ち上げる。準備委員会は、同法人の設立準備をなるべく早く完了する。(2)国の法改正の成立による「一般社団法人法」の設立決定(05年公布、08年施行予定)にしたがって、「一般社団法人A」を設立する。(3)この「一般社団法人法」の施行と同時に、現存の「有限責任中間法人新改訳聖書刊行会」は自動的に「一般社団法人」となる。(4)それに伴い、「一般社団法人」新改訳聖書刊行会は、本準備委員会で設立した「一般社団法人A」に吸収合併する。(5)この法人は、・翻訳・編集委員会(仮称)と・教会全国委員会(仮称)からと・出版委員会(仮称)からの理事で構成される理事会のもと、「新しい聖書翻訳」の事業を行う。
 「新しい聖書翻訳」とは「新改訳聖書の改訂による新しい翻訳」、と規定。その概要は、新改訳聖書の翻訳原則に基づき、創世記から黙示録までの全体を改訂する「全面改訂」であり、最近の聖書学の研究に基づき現代日本語にふさわしい聖書翻訳を行う、としている。なるべく早く一般社団法人の内容を決定する方向で、理事や委員の人選、定款や組織図、規則や規程の作成、関係団体の改廃、契約等を整備し、理事会が成立し一般社団法人設立の準備が完了した時点で準備委員会は解散、JEAもその役割を終了する、とのシナリオを描いている。
 新しい聖書翻訳については特に福音派諸教会で高い関心を呼び、JEA加盟諸教団・教派から、複数の動きを整理して一本化し、一致した働きとして進めるよう強い要望が出ていた。今総会でも聖書翻訳準備委員会の報告に対して活発な質疑があったが、その多くは文言の意図を確認するもので、合意の方向は受け入れられたと言える。
 JEA理事会のもとで「聖書翻訳担当」を務め、今総会で経緯を報告した内藤達朗氏(日本ホーリネス教団委員長)は、質問に答えて、「新改訳聖書第三版は不快語・差別語を中心に900か所余りを改訂したが、今度の『新しい聖書翻訳』はそういう意味の改訂ではなく全面改訂。だが全く新しい理念に基づくわけではなく、新改訳の翻訳原則に基づいた新改訳聖書の改訂になる」と性格を説明した。

◎「イスラエルを知ると神の視点になる」−−7月にBFPジャパンがセミナー=0706240901

 ユダヤ人とクリスチャンの架け橋を築く活動団体BFPジャパン(ブリッジス・フォー・ピースジャパン)専属講師石堂ゆみさんのイスラエル・セミナーが、7月に大阪クリスチャンセンターで開かれる。イスラエルのこの10年の激変を肌で知る石堂さんが、霊的視点から主の計画を説く。  石堂さんはイスラエルの「スペシャリスト」として、イスラエルの過去、現在、未来、また政治問題まで、全国各地で聖書の観点からレクチャーしている。「イスラエルは私の第2の祖国」と言うほど、石堂さんの心身の半分は、イスラエルに属している。
 石堂さんはイスラエルで信仰をもった、いわば・産地直送・のクリスチャンだ。大阪で看護師をしていたときに「自分と日本が嫌」で海外渡航を目指す。そのとき教わったユダヤ人英語教師の紹介で、イスラエルのキブツで行われていたイスラエル・ユダヤ機関研修に参加。その後ヘブライ大学病院の看護師となってから、クリスチャンとの出会いを通して90年にエルサレム・キング・オブ・キングスで受洗する。気が付くと、あれほど嫌いだった自分も、日本も、愛せるようになっていた。「ずっと自分じゃない自分になろうとしていたんです。人によく言われた『トロい』自分が嫌で、自分の属する日本が嫌いで。でもイエス様の愛を知ってから、『トロい』自分を受け入れ、日本人として生まれたことも喜べるようになったんです」
 石堂さんが本当に『トロい』かどうかは疑わしい。その後、超難関のアメリカの看護師資格を取り、ニューヨークの大学病院に勤務することになったからだ。94年には働きながら神学校で聖書学修士課程を修め、98年の帰国を機会に日本に根をおろしてBFPで働く道に導かれる。イスラエルへの関心を高め、祈ることが、「ユダヤ人の救いと日本人の救いにつながる」。直にイスラエルを知り、見つめ続けてきた石堂さんのこの確信は、年々強まるばかりだという。「この10年間で、イスラエルは急激に変化しています。イエスは主であると告白する人が格段に増え、クリスチャンは私たちの友人という意識変化が起こっています。神が働いておられるとしか言いようがない。時代が終わりに向かって進んでいるのを強く感じます」
 「イスラエルを知ると神の視点で物事が見えるようになる」と語る石堂さんのセミナーは、7月28日午後2時から。大阪市中央区玉造の大阪クリスチャンセンター多目的ホールで。
 問い合わせ=クリスチャン新聞大阪支局TEL:06・6766・0086、FAX:06・6766・0087。

◎路上生活者に「家」を−−ホームレス支援のCD「ゴーイング・ホーム」発売=0706241101

 帰る「家」もなく、頼れる人もいない。そんな路上生活者の現状を少しでも知ってもらいたい、かかわってもらいたい。そして一人でも多くの路上生活者に「家」を—。「一緒に家に帰ろう」、そんな願いが込められたCD「ゴーイング・ホーム」。NPO法人「北九州ホームレス支援機構」(奥田知志理事長)を支援するCD制作委員会が制作したもので、今静かな共感を呼びつつある。  「ホームレスには、2つの問題があります」と、奥田理事長(バプ連盟・東八幡キリスト教会牧師)は言う。「1つは『ハウスレス』問題。物理的困窮、路上生活の状態です。それでは、アパートに入居すれば問題は解決でしょうか? 2つ目の問題は『ホームレス』問題なんです。建物としての『家』だけでなく、仲間や家族など、『ホーム』と呼べる関係性をなくしていることに問題があります。アパートに入居できても、孤独死する人は多い。それでは問題の解決にはならない。だれがそばにいてくれるか、だれが看取ってくれるかが一番の問題なんです」
 CD「ゴーイング・ホーム」は「見上げてごらん夜の星を」、「明日があるさ」など、「いのち」をテーマに選曲。各曲がせつなく、温かく、そしてどこか懐かしく心に響き、聴く人を広い意味で「家路」へと向かわせる。
 制作には、呼びかけ人でバイオリニストの谷本仰氏(バプ連盟・南小倉バプテスト教会牧師)を始め、福岡に住む様々なミュージシャン、スタッフが手弁当で集まった。CDの発売は3月。その後評判が少しずつ広がり、既に2千枚を売り上げた。制作の背景もさることながら、クオリティーの高さにも定評があるという。
 奥田氏は「『働く気がない』、『好きでホームレスをやっている』など、ホームレスに対する偏見をもっている人は少なくない。実際は違います。自立したくてもできない現状がある。音楽を通して、より多くの方にこの問題に触れてもらいたい」と願う。また、「住むところはあっても『ホームレス』になっている人は多いのでは」とも。「教会の中にもいるかもしれません。関係の回復とは、キリスト教では神との関係の回復、和解です。そういう意味で、ホームレス問題は教会の課題です。今日の教会が『ホーム』になっているか、問われているのです」
 北九州支援機構では、CDを5枚ひと口で買い取り、販売するサポーターを募っている。
 ◇「ゴーイング・ホーム~Goin' Home~」=谷本仰&Friends Play Standards for the Homeless
 CD購入希望者はTEL:093・653・0779まで。
 ◇北九州ホームレス支援機構=http://www.h3.dion.ne.jp/~ettou/npo/top.htm