[CSD]2007年11月18日号《ヘッドライン》

[CSD]2007年11月18日号《ヘッドライン》 = 1面 ニュース= ◎朝祷会発足50周年——超教派祈りの運動 全国160か所に ★日本福音功労賞に尾山令仁氏、森本憲夫氏、岩崎喜太男氏 ★ミャンマー事情:政情不安定でも広がる福音  = 2 面 ニュース = ★福音が明確に伝えられた——ラブ・ソナタ札幌に3102人集まる ◎世界宣教とキリスト教福祉の拠点に——TCUの新校舎相次ぎ竣工 ◎「若者の心の居場所」テーマに——カトリック・NCC対話集会 ★米国:世界で働く宣教師にインターネットで支援サービス ★岡村又男氏に瑞宝双光章 ★<落ち穂>「弱さの賜物」  = 3 面 教界ニュース = ★<戦争を知らないあなたへ>[12]8月15日朝、特別攻撃の命令を受けて——山本 圭一さん ★教育事業を通し仏教社会で伝道 ★<オピニオン>『カラマーゾフの兄弟』とキリスト教 記・岡山 英雄  = 4 面 ビジネスパーソン= ★債務者を励ますのも仕事——菰渕 泰さん[上](大阪地方裁判所執行官) ★<ゴールデンルール>[最終回]ビジネスを普遍的原初の言葉で 記・田上(たのうえ)昌賢  = 5 面 牧会/神学/社会= ★「自立と連帯」の課題探る——第8回地方伝道を考えるシンポジウム[6] ★<精神障害と教会>[1]「生きる」ための心身の仕組み 記・向谷地 生良  = 6・7 面 全面広告= ☆日本聖書協会 「聖書 新共同訳」愛されて20年——1,000万冊 ☆来春 新刊予告 「絵本シリーズ」「みんなの聖書マンガシリーズ」 「聴いて読めるギリシア語聖書」ホームページ http://www.bible.or.jp  = 8 面 全面広告= ☆西日本クリスマス集会・イベント  = 9 面 情報= ★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか ★BOOK:『キリスト教保育にたずさわる感性』山崎照恵著(ルガール社、1,260円税込) ★CD:『SPIRITUAL WARFARE』山本香織、Yoshi Blessed(RE PRODUCTION、700円税込 ★BOOK:『火は早めに消さないと』トルストイ原作(フォレストブックス、1,575円税込) ★REVIEW:『神の民の礼拝』カンバーランド長老キリスト教会日本中会礼拝書特別委員会編著(一麦出版社、2,520円税込)評・小栗 献  = 10 面 関西だより = ★「閉塞感」打破する「教会協力」——教会宣教・そこまで言っていいん会 ★霊的リゾート施設オープン——カリス・リフレッシュセンター ★『ちいろばの心』出版記念会——豊中市で11月23日開催  = 11 面 クリスチャンライフ = ★結婚前・後カウンセリング来年から本格始動——カップルのケア、教会も協力 ホームページ http://www.matori.co.jp/sec-a-b.htm ★中越沖地震のためのチャリティーコンサート開催——ベアンテ・ボーマン氏 ★ジャズ奏者K・ウェイラム氏来日——ゴスペル主体の初ライブ  = 12 面 ひと= ★芸術家には芸術家の役割がある——影山麻紀子さん(声楽家・伝道師)

◎朝祷会発足50周年−−超教派祈りの運動 全国160か所に=0711180101

 「教団・教派の壁を超えて一致できるのが、やはり祈りの働き。祈りが中心となり、多くの教会が様々な形で宣教協力をしてこれたと思う。大きな遺産を残してくださった先達たちに、心から感謝したい」と語るのは、朝祷会全国連合会長の米田昭三郎氏。1957年にスタートした朝祷会の働きは今年で50年を迎えた。  超教派の祈りの運動「朝祷会」では、朝のひととき、信徒や教職者が教団・教派を問わずに集い、聖書の言葉、証、祈り、賛美、そして朝食と交わりの時をもつ。スタイルは会によって様々だが、基本は変わらない。 始まりは1957年。56年12月、「キリスト教信徒が、教派を超えて交わりを深め、ともに祈り、ともに考えること」を目的として大阪市中央区の地に大阪クリスチャンセンター会館が建設された。「会館をどのように運営し、宣教に活用すればよいか、祈って神に聴こう」と、翌1月14日から毎週月曜日午前7時、教団教派を超えて信徒らが集い、同会館で朝食を共にし祈るようになった。これが「朝食祈祷会」、後の「大阪朝祷会」の誕生となる。集う人の数は徐々に増え、祈りのムーブメントは全国へと拡大していった。62年、全国大会を開催して全国連合を結成。現在では海外を含め160もの朝祷会が活動している。 50周年を迎え、9月29日には「50年の歩みとこれからを語る」50周年記念午餐会、10月27日には記念感謝礼拝と式典を開催した。感謝礼拝には220人以上が出席し、50年の歩みを振り返った。 また、全国連合では『朝の祈り—朝祷会50年の歩み』(A5判 千300円〔送料1冊290円〕)を出版。朝祷会でのメッセージや祈りの課題、朝祷会の発足に深くかかわった牧師や信徒のエピソードなどが綴られ、朝祷会の歴史や精神に触れることができる。全国連合では「本書を通して、朝祷会のことをよく知ってもらえれば。漫然と集まり祈っているというのではなく、朝祷会の祈りの精神、その歴史や経験を知って参加することで居場所が定まり、じっくり祈ることができるのでは。また、祈りの手引きとしても用いてもらえれば」と願う。 米田氏は「祈りの課題の多い今日。さらに朝祷運動を進めていくために、過去に感謝すると共に、これからのさらなる歩みのためにも祈っていきたい。国内では、朝祷会の未設置県が残り7県となった。全都道府県に祈りの輪が広がり、心合わせて祈る時に、必ず主が応えてくださると信じて祈っていきたい」と語った。 朝祷会全国連合事務局=〒540-0004大阪市中央区玉造2ノ26ノ47(財)大阪クリスチャンセンター内、Tel:06・6762・7701。

◎世界宣教とキリスト教福祉の拠点に−−TCUの新校舎相次ぎ竣工=0711180202

 学校法人東京キリスト教学園(赤江弘之理事長)は、10月23日に東京基督教大学(倉沢正則学長)国際宣教センター館、11月1日に同公共福祉棟の竣工式を、千葉県印西市内野の同学で行った。
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 国際宣教センター館は、同大学の「建学の精神」の一つ、「世界宣教」推進のため04年に設立された国際宣教センター(倉沢正則センター長)の施設として建てられた。外部仕上げはコンクリート打放しで、チャペル、研究室と共に和風の中庭と茶室といった空間を設けるなど、アジアを意識した概念、デザインが組み込まれている。
 公共福祉棟は木造2階建てで、2階には4教室と5つの研究室、教員控え室が、1階には入浴実習室、介護実習室、家政実習室、事務室、カウンセリング室などがある。中央は吹き抜けで、2階にはラウンジが設けられている。
 同棟は来年4月開設予定の同大学国際キリスト教福祉学科のために建設。福祉の専門職業人、または福祉に関連する職業人を目指すキリスト教福祉学専攻の学生らのための学び、研究、介護実習などに用いられる。

◎「若者の心の居場所」テーマに−−カトリック・NCC対話集会=0711180203

 カトリックと日本キリスト教協議会(NCC、山本俊正総幹事)による対話集会が10月25日、東京・新宿区の日本キリスト教会館で開催された。「神から預けられた若者たちへの責任を、教派を超え等しい課題として取り組んでいこう」と、カトリック、NCC双方から合わせて30人ほどが「若者の心の居場所」をテーマに交流をもった。
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 前半の発題者秋田正人氏は、自身がディレクターを務める、学校に行けない子どもたちなどの居場所「liby」(東京YMCAプロデュース)の紹介も交えながら、資料をもとに若者たちについて語った。秋田氏は、80年代の歌手・尾崎豊の「卒業」を例に挙げ、「当時の若者たちは尾崎の曲に共感し、支持をした。ところが今の若者たちは、(大人や社会への反発を歌った)この歌に『実感がもてない』という意見が大半。若者の感覚は、常に社会の変化に敏感に反応してしまう」と指摘。そうしたところから、友だちからのメールの絵文字のあるなしなどを見て「怒っているのでは」と不安になる子どもや、「『よりよい』でなく『よりまし』な選択を重ねる」、「挫折したくないから挑戦もしない」などの、子どもたちの状況が生まれてきているのではないか、と語った。
 そうした中でlibyの活動を通し、「人が孤立させられ、つながりにくくなった現代という時代において、人と人との関係を再構築し、もう一度つながりながら共に生きていく関係へと転換している。そしてそれが子どもたちが明日に向かって生きていこうとする一番のパワーになっている」と秋田氏は語った。
 後半の発題者である石居基夫氏(NCC信仰と職制委員会委員長、ルーテル学院大学準教授)は、日本福音ルーテル教会が年に1度開催する中高生対象のキャンプ「春キャン」にかかわっている。若者たちと接する経験を交えながら語った石居氏は、「若者は問題を抱えている」としながらも「社会の課題として見るべき」と指摘。働くことなどへのイメージをもちにくい抽象的社会、消費社会、格差社会、共同社会の崩壊など社会の問題点を挙げ、「社会のひずみが、弱い部分(若者たち)に表れている。若者たちは愛されるという体験をしておらず、できるだけ傷つかないよう、人とぶつかり合わないように生きる。本来の意味で出会うことがなくなっている」と出会いの限界性を語った。そうした中で、教会はどのように若者とかかわっていけば良いか。「まず、ありのままを受容していくこと」と石居氏。「人とのかかわりが土台となり、自分がどう生きていくのかという『ストーリー』をつかんでもらう。それはやはり神にしかできないことであり、子どもたちが神と出会うため、私たちがどこまで用いられていくかだと思う」と語った。