[CSD]2008年10月26日号《ヘッドライン》

[CSD]2008年10月26日号《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
◎「宗教者九条の和」宗派超えて平和行動——憲法9条を日本の宝から「世界の宝」へ
★ロシア:米国務省の「宗教の自由」報告書を拒否

 = 2 面 ニュース=
★英・独・日の神学者らが戦後デモクラシー再検討——聖学院大学総合研究所創立20周年
★ドイツ:福音派新学校を初の大学認可
★<教会の実情を知る:教会ルポ>[29]一祈祷者として連帯、宣教協力へ——教会協力の「壁」いかに超えるか
★<落ち穂>創造主に愛されている存在を表現できる人

 = 3 面 =
◎BFPフェスティバル2008:イスラエルに和解と平和を——最高運営責任者レベッカ・ブリマー氏講演
★海外で蒔かれた種を日本で——オールネーションズ・リタニーズ・カンファレンス仙台決起集会
★<逝去>中嶋栄三氏(中嶋自動車工業?代表取締役、73歳)
★<オピニオン>つないでいく愛と知恵 記・有北いくこ

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★地元同業者4社が企業合同——米谷 義隆さん[中](さかえドライ[株]顧問)
★<つながりのデザイン>[9]環境行動への思い=ココロ 記・小川 巧記

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『チャイルドバイブル』文 ジュリエット・ディビッド、絵 ヘレン・ブロール(いのちのことば社、1,890円税込)
★BOOK:『ほほえみながら のちの日』わかむら ひろみ著(インマヌエル出版局、1,365円税込)
★BOOK:『ザビエルからはじまった 日本の教会の歴史』結城了悟著(女子パウロ会、1,300円税込)
★REVIEW:『誰でもいいから殺したかった』碓井真史著(KKベストセラーズ、780円税込)評・中田 朗

 = 6・7 面 文書伝道特集 =
★伝える基本は対象ニードの把握から——懲り過ぎずに当たり前の表現で
★カタチにしてキリストの愛伝えたい——新来者に好評の自作イラストカード
★教会文書ひと工夫

 = 8・9 面 特集/放送伝道 =
◎日本CGNTV:楽しく礼拝できる子ども新番組「マナマナ・ポン」
★東海福音協力会:リスナーへのフォローが実を結び——一人ひとりに届く福音とケア
★神戸ルーテル・アワー「心に光を」——ラジオだから届く人たちがいる

 = 10 面 教会学校 =
★「異文化」に生きる若者 どう接する?——「関心がある」示し続ける 記・淤見康子
★<CSもうひと味>読者の声で作られる「成長」

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★「使命」追い続け35年——キリスト伝道劇団新宿新生館が記念公演
★LYREの具志堅さんカンボジアへ
★ドイツ:プロテスタント教会がユダヤ教礼拝堂に衣替え

 = 12 面 教会 =
★「天を仰ぐ群」を統一イメージに教会堂新築——保守バプ・福島第一聖書バプテスト教会

◎「宗教者九条の和」宗派超えて平和行動−−憲法9条を日本の宝から「世界の宝」へ=0810260101

 キリスト者、仏教者、新宗教者など82人の呼びかけ人で構成される「宗教者九条の和」が9月27日、「第4回シンポジウムと平和巡礼inおおさか」(大阪宗教者九条の会共催)を大阪市中央区の大阪カテドラル聖マリア大聖堂で開催した。このイベントは、東京、京都、名古屋に次いで行われたもの。14都府県から17宗派、約400人の参加者が集い、「平和憲法を守り、発展させていこう」との誓いを新たにした。

 当日、ステンドグラスの光の中でオープニング文化行事「サキソホーン+ピアノ」をもって開会。南米と沖縄音楽のリズムが会場を包み込んだ。サキソホーン奏者で、浄土宗・正念寺住職の一法真澄氏が、民族自立により変化しつつある南米の状況を語った。
 演奏後、開会に先立ち、各宗教の代表者たちが千羽鶴を正面台に掲げた。続いて呼びかけ人の1人、村中祐生氏(大正大学学長、天台宗慈照院住職)があいさつ。米原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀港常駐化などに見られる「アメリカ追従」と、タカ派的体質の危険を指摘した。
 基調講演には、東京大学大学院教授、哲学者の高橋哲哉氏が「憲法九条と宗教者の役割」と題して語った。高橋氏は、・貧困と格差、・「現在の平和は本物?」、・論じられない「死刑論」の3点について講演。さまざまな角度から掘り下げ問題提起した。また「これら3点は、憲法と人々との生活につながるものだが見えにくくなっている。今こそ宗教者が、普通には見えないものを見る役割があるのではないか」と訴えた。
 その後、基調講演を深める立場からシンポジウムに。高橋氏、松浦悟郎氏(カトリック大阪教区補佐司教、「九条の和」呼びかけ人世話人)、水田全一氏(「九条の会たかさご」代表世話人、臨済宗妙心寺龍澤寺住職)がパネリストとして立ち、石川勇吉氏(「九条の和」事務担当、真宗大谷派報恩時住職)がコーディネーターを務めた。議論は「人の命と尊厳」、「天皇制」、「靖国神社問題」、「沖縄」など多岐にわたり、意見が交換された。高橋氏は、宗教者が背負う役割として「すべての命、人の尊厳を無条件で受け入れるべきでは」と提言した。
 また最後には、アピール文を採択。平山武秀氏(日基教団・神戸多聞教会前牧師、大阪宗教者九条の会運営委員)のあいさつにより、閉会した。
 シンポジウム閉会後は、9条アピールの横断幕を先頭に、それぞれの宗派の幟を掲げ、大阪城公園までを練り歩いた。

 アピール文では、「『戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認』をうたう日本国憲法9条は、広く世界の平和な文化をつくる指針としての役割を果たしている」など、「今や『日本の宝』から『世界への宝』へと発展を遂げようとしている」としてその重要性を主張。また、「世論調査で『9条守れ』の声が多数派となった」点、「自衛隊イラク派遣は憲法9条に違反するとの画期的判断が名古屋高等裁判所から出された」点などを挙げ、よりいっそう、日本、世界へ9条の重要性を広めよう、と訴えた。
 また9条は、「不殺生戒」や「殺すなかれ」との教えに生きる宗教者においては信仰の違いを超え、それぞれの宗教的理念に通じるとして、「ともに手をつなごう」と呼びかけた。

◎BFPフェスティバル2008:イスラエルに和解と平和を−−最高運営責任者レベッカ・ブリマー氏講演=

 2千年もの間、神の意思に反して対立してきたユダヤ人とクリスチャンの「溝」に、「平和の架け橋」を築こうと、1976年からエルサレムを本拠として活動を続ける国際キリスト教団体「ブリッジス・フォー・ピース」(B・F・P)。その最高経営責任者レベッカ・ブリマー氏が来日。10月4~13日、福岡、大阪、東京、北海道で「B・F・Pフェスティバル2008」(B・F・P・Japan主催)を開催した。

 東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センターで6日に開催された東京大会でブリマー氏は、現在イスラエルで行われている「仮庵の祭り」に触れ、人々は飲食を断つことで神に心を集中させる「贖いの日」やみことばを喜ぶ日などを通し、神に出会う(モエド)備えをする、と解説。
 聖書には「モエド」ということばが223回出てきており、そのうちの一つが詩篇102・13~17であるとして引用し、「まさに今、主がシオンに好意をもって顧みてくださることを願うときです」と訴えた。
 また、「今は、災害や経済の面でも不安定な時代。世界は、今こそ神様を必要としています。私たちは神様のパートナーとして働く特権が与えられており、『モエド』のために召されています」として、里親や献金など様々な形でB・F・Pの働きにかかわる参加者を励ました。
 「ユダヤ人は迫害により、心に深い傷をもっています。彼らの多くが、クリスチャンが本当に彼らを愛していることを知りませんが、少しずつ認識しつつあります。小さな働きであっても、どんなことより彼らの心を動かすでしょう」。必要なこととして?祈ること、?「イエスの家族」に仕えること、?直接イスラエルを訪問することを挙げ、「神様とパートナーとなって働くとき、神様が詩篇102・13~17の預言を成就してくださる」と締めくくった。
 B・F・P・Japan理事長のスティーブンス・栄子氏は、90年からBFPがスタートさせた「フード・バンク」の働きに触れ、「神様に示され、現在は2つの倉庫に350トンもの食料を蓄えている」と報告。
 「箱舟に食料を蓄えたノアのように、神様の導きに従っていきたい。まだ何も起きていないが、もうすぐ事が起きると思っています」と語った。また、「90年ごろは、クリスチャンであるだけで敬遠されましたが、今は向こうから近付いてくるほど。まるで別の国。これは神様が始められたことであり、エレミヤ16・14、15で語られている、イスラエルの帰還が近づいている」として、「イスラエルの平和と、日本のリバイバルのために祈りましょう」と促した。
 B・F・P・Japanでは、その重要な働きの一つである「ハイナイト」(イスラエルを覚えるとりなしの祈祷会)を開いている。資料請求、問い合わせはホームページ=http://www.bfpj.net/index.html

◎日本CGNTV:楽しく礼拝できる子ども新番組「マナマナ・ポン」=0810260801

[img align=right]http://jpnews.org/pc/uploads/img4901350115e4d.gif[/img] 衛生放送を通じ日本人向けにキリスト教番組を365日24時間届ける「日本クリスチャン・グローバル・ネットワークTV(略称・日本CGNTV)」(ハ・ヨンジョ理事長)。これまで国内外の牧師による説教やコラム、クリスチャンの証などを届けてきたが、このほど初の試みとなる子ども番組「マナマナ・ポン!」(15分)を制作。今秋、スタートした。

 番組タイトルは「神さまの愛のご飯・心のご飯(マナ)が、ポーンとはじけて心に入れ」という願いを込めて命名された。初めに和真衣香さんと子どもたちによるヒップホップダンスでスタート。初回は「愛・あい・アイ」(作詞・作曲ノアミュージック)の曲に合わせて踊る。柳川立行さんの和太鼓が、子どもらのダンスをさらに盛り上げる。続いて絵物語「てんとうむしのルビー」(作・柳川茂、絵・河井ノア)のお話。子ぐまのリトルジョイ(声・柳川立行)とお姉さんのマナちゃん(ノンちゃん)が案内役だ。
 ルビーはまっ赤できれいな羽根をもつてんとうむし。だが、羽にてんてんがないことでみんなからのけものにされる。アリのおばあさんからは「お前のおじいさんがあたしのキャンディーを盗んだから、お前が小さい時にビービー泣いてばかりいたから、てんてんがないのだ」と言われる。「なんで私にはてんてんがないの」と悲しむルビー。その時、やさしい風が吹いて、「ルビーはほかの子とちょっと違うけれど、ほかの子にないすばらしいものをもっている」と語りかける。とても心温まるお話だ。
 絵物語が終わった後はミセス・チャーチのお話。ミセス・チャーチ役の新川代利子牧師(ウェスレアン・淀橋教会)がとてもかわいらしい服装で登場。子どもの質問コーナー「マナマナクエスチョン」でも、笑顔で答えている。
 「マナマナ・ポン!」は、「楽しく礼拝ができる、子どもたちのための教会をつくりたい」という、絵本作家・河井ノアさんのビジョンから始まった。「子どもたちに聖書の真理を知ってもらいたい。カエルやてんとうむしを主人公にしたかわいい絵物語を作ってその子たちを通して、伝えていけたらと思ったのです。峯野龍弘先生(淀橋教会主管牧師)とお会いした時にその話をしたら、『24時間放送のキリスト教番組があるから、そこでやってみたら』と日本CGNTVを紹介してくださいました」
 「番組ならば子どものための教会ができるのでは」と思ったノアさん。だが、制作費も人手も足りず、ノアさんも夫の柳川茂さんも、ほかにたくさん仕事を抱えている状態。「果たしてできるのか」と不安もあった。だが、「神様に祈ったら『やりたいんでしょ?』という迫りがあった。『やってみたい。だったらやろう』と…」
 「手伝ってあげる」と言ってくれる奉仕者も出てきた。和さんからは「ヒップホップで参加してあげる」との申し出があり、ノアミュージックは無料で曲を提供してくれた。息子の立行さんも和太鼓とリトルジョイの声で参加してくれることに。「朗読者や人形操作をしてくれる人、ピアノ奏楽者に、美術制作者と大きな力が不思議に与えられた」という。
 韓国側の協力も大きい。撮影、編集、演出は日本CGNTVスタッフが担当。テーマソングは韓国人が曲を提供し、詞は茂さんがつけた。日本人と韓国人それぞれが分担し、協力して制作された点も大きい。
 「みな小さい力だけれど、集まると大きな力になる」とノアさん。「マナマナ・ポン!」のような絵物語を世界中の子どもたちに届けたいと夢は大きい。
 そのほか日本CGNTVではこの秋、「本の旅」、「You Are Special」、「宣教地からの手紙」、「Pray for Japan」などの新番組がスタートした。見るには特別なアンテナ設置が必要。
 ホームページhttp://japan.cgntv.net/ からも視聴可能。問い合わせはTel.03・5338・6620、日本CGNTVまで。