[CSD]2008年11月23日号《ヘッドライン》

[CSD]2008年11月23日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎グローバル・リーダーシップ・サミット:教会の鍵はリーダー——「聖なる不満」「健全な対立」必要
★ラブ・ソナタ長崎
★米国:21世紀の奴隷制度の罪を啓発

 = 2 面 ニュース=
★「キリスト者に次善はない」——捕虜刺殺命令拒否した元陸軍兵士の証
★国際:国際宗教の自由研究所がイスラム教国での福音宣教を正教会と討議へ
★<教会の実情を知る:教会ルポ>[33]信徒が教会を去っていく——牧師のやる気が信徒との乖離を
★<落ち穂>弱さは神から与えられた賜物

 = 3 面 =
★ラブ・ソナタ長崎——韓流スター招かず長崎らしさ演出
★「君は愛されるために生まれた」作者が長崎などの学校・教会で賛美
★08年度やよりジャーナリスト賞に大藪順子氏
★<オピニオン>キリスト教会の裏サイトに愕然 記・杉本 玲子

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★その時々で必要なものが…——榎本恵子さん[下](手作りパンの店「ノアノア」代表)
★<信仰の中の日本語>[5]「十戒」あなたの発音は? 記・尾崎 善光

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「小坂忠&ユーオーディア・アンサンブル出会いのコンサート」(ミクタム、CD2枚+DVD組 5,775円税込)
★CD:「Bless You」ピアノ:小堀英郎(ライフ・ミュージック、2,310円税込)
★BOOK:『Little Bible イエスの愛』鶴田成男・鶴田久子著(星雲社、1,260円税込)
★REVIEW:『喜びへの道』R・ボーレン著(教文館、2,940円税込)評・加藤 哲

 = 6 面 特集/愛のささげもの =
◎アメリカの金融危機の中で学んだ「聖書の経済学」 記・守部喜雅


 = 7 面 特集/キリスタンに学ぶ宣教 =
★宣教「再発見」——日本人の精神文化に影響
★殉教の血は「教会の種子」——迫害の歴史踏まえた宣教に突破口 記・神田宏大
★キリスト教の「実生化」探る——シルクロードに遡る聖書文化 記・杉野 栄

 = 8・9 面 全面広告 =
☆日本聖書協会 みんなの聖書「マンガシリーズ」「絵本シリーズ」
☆アートバイブル ☆聴いて/読めるギリシア語聖書
ホームページ http://www.bible.or.jp
 = 10 面 教会学校 =
★<教会学校の実情を探る>教会が青年の成長の場に——重荷をもつ大人の存在が支え 記・松村秀樹
★<CSもうひと味>ジョイジョイキャンプ——愛され20年 二世の参加者も

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★東京障碍者問題を考える集い:障害あっても楽しく生きていける社会を——当事者・家族の声
★<書籍>『癒しの説教学』キャシー・ブラック著(教文館、2,625円税込)
★バチカン:2千人聖書マラソン

 = 12 面 教会 =
◎信徒と牧師「手づくり」教会が那覇市都市景観賞を受賞——アッセンブリー・ニューライフチャペル

 = ?—? 面 日本キングス・ガーデン連合特集 =
★収穫は多いが働く人は少ない 記・泉田 昭
★家族の最善をいつも念頭に——神様に祈り委ねる安心
★元気が出るショートステイ目指す——原点は「将来と希望を与える計画」
★家族の立場から——温かい理解と尊重で笑顔が引き出された父
★礼拝で始まる毎日、忙しい中にも共に祈り、過ごす楽しみ
★施設入所までの流れ——特別養護老人ホームの場合

◎グローバル・リーダーシップ・サミット:教会の鍵はリーダー−−「聖なる不満」「健全な対立」必要=08

 教会のリーダーシップを強め、励ますことを目的に世界55か国以上で開催されている「グローバル・リーダーシップ・サミット」(スポンサー=米国ウィロークリーク・コミュニティー教会)が11月3、4日、東京都練馬区の聖書キリスト教会で開催された。

 ビル・ハイベルズ氏が牧会するアメリカで最も影響力のある教会の一つであるウィロークリーク・コミュニティー教会。そこを拠点としてハイベルズ氏とウィロークリーク教会のリーダーたちが95年にサミットを始めた。「教会のリーダーが変われば、教会が変わり、教会が変われば、地域が変わる」を中心的なビジョンに、地域に、町に、国に、最終的に世界に影響を与えていくことを目指し、教会のリーダーシップ成長のため、活動を続けている。今回、日本での開催は初。映像による講義の合間に、感じ、学んだことを分かち合うプロセスタイムもあった。
 ハイベルズ氏は、サミットの10年間を振り返り、「必ずしも賢明だったとは言えないが、素晴らしい道程であった」と振り返り、その中で気づいた確信として「(1)教会は、目に見えない神に人々をつなげようとする利他的団体。社会で最も指導力が問われる団体」、「(2)リーダーシップとは霊的賜物。それをもつ人ともたない人がいる」、「(3)ほとんどの教会は無意識のうちにリーダーシップの賜物発揮を嫌っている」、「(4)ほとんどの人は、導かれることを願っている」、「(5)教会は世界の希望。その未来は、おもにリーダーたちの手にかかっている」を紹介した。
 また、同胞の苦役を見てモーセが抱いたような衝動とリーダーシップへと駆り立てる力(出エジプト2・11)を「聖なる不満」と呼び、「この『聖なる不満』が力強い情熱をリーダーに与えると、リーダーは結果を出すことに集中し、どんな新しいアイデアにも心を開く。エゴやプライドは捨てられる。その後は神がなさること。あなたの『聖なる不満』は何ですか?」と聴衆に呼びかけた。
 「あなたのチームは機能していますか?」と題して語ったパトリック・レンシオーニ氏(ビジネスコンサルタント)は「リーダーの最初の役割は、『弱さを見せる』こと。これがないと信頼が欠如し、チームは機能不全になる」と語った。そのほかに、チームを機能不全に陥らせるものとして「対立への恐れ」、「献身度の不足」、「説明責任からの逃避」、「結果に無関心」を挙げた。
 「正直な対立の場は必要」とし、「会議の場こそ対立が起こる重要な場。会議の場は人々に対立の機会を与え、心から考えてもらうことができるし、チームメイトの間に説明責任を置くことで『無関心』から守られる。健全な対立は関係を更に良くする」と語った。
 そのほか、カーリー・フィオリーナ氏(ヒューレット・パッカード社前CEO)、ジョン・バーク氏(ゲートウェイ・コミュニティー教会)、ジョン・オートバーグ氏(メンロパーク長老教会主任牧師)、ウェイン・コデイロ氏(ニューホープ・クリスチャン・フェローシップ主任牧師)らが講師として語った。
 参加者からは「あまりに多くの恵みを受けて、すべてを消化するにはかなり時間がかかりそうです。『聖なる不満足』の講演は目からうろこが落ちるようなインパクトがありました。この受けた恵みを、日常生活に生かしたい」「このリーダーシップ・サミットでは、多くの励ましと、数々の素晴らしい知恵によって、今後の活動への情熱とヴィジョンを得ることができました。参加できたことに感謝です」などの感想が聞かれた。

◎アメリカの金融危機の中で学んだ「聖書の経済学」=0811230601

 先日、テレビ番組表を見ていたら、金融危機に見舞われているアメリカで、キリスト教会が財産管理のセミナーを開いている、という内容の紹介が出ていました。
 キリスト教会が財産管理とは!? 興味津々、さっそく、その番組を見てみました。驚いたことに、今、アメリカでは、低所得層だけでなく、中流家庭にも自己破産の波が押し寄せているというのです。ノース・ウエスト航空に勤め、年収は10万ドル(約1千万円)と恵まれているのに、クレジットカード社会の悲しさ、いつの間にか使い過ぎで自己破産、せっかく建てた新築の自宅を手放すはめになった中年男性が流す涙があまりにあわれでした。

 このようなケースは、家を建てたり物を買ったりすることに人生の喜びを見いだしている人々に突然、襲ってくる悲劇と言えるかもしれません。そこで再評価されているのが、聖書の経済学だというのです。

 教会の財産管理セミナーに出席して、生活を立て直すことができたという中流家庭の夫婦の場合、クレジットカードに依存せず現金払いにする。収入の十分の一は教会へ献金、あとの十分の一は貯蓄にまわす。与えられた収入に満足し、その範囲内で家計をやりくりする。といった、聖書的原則を守った結果、希望が見えてきたといいます。

 世界経済を引っ張ってきたアメリカが経済的危機に陥っているのは、ある意味、人々が人生の本当の意味に気づくよいチャンスだったのでは、と言う人もいます。確かにテレビ番組に登場した人々の表情を見ると、「苦しみに会ったことは私にとって幸せでした」という聖書の言葉が思い出されます。教会で、神に託された財産をどう管理していくかを学んだ後の彼らの表情には、むしろ、希望のようなものさえ見えているのです。

「それぞれが賜物を受けているのですから、神のさまざまな恵みの良い管理者として、その賜物を用いて、互いに仕え合いなさい」。 (?ペテロ4・10)

 与えられている収入も、神からよく管理しなさいと託されたものと理解すると、自分の欲望を満たすためだけにお金を使うことが、実に空しい行為であることに気づかされます。恵みは、分かち合うことによって初めて、大きな実を結ぶのです。

◎信徒と牧師「手づくり」教会が那覇市都市景観賞を受賞−−アッセンブリー・ニューライフチャペル=081

[img align=right]http://jpnews.org/pc/uploads/img492607cc3c173.gif[/img] 那覇空港からほど近い、沖縄県那覇市に建つアッセンブリー・ニューライフチャペル(以下NLC・内村保牧師)。同教会は、13年前に、信徒と牧師による「手づくり」で会堂を献堂した。今年10月、NLCは、第15回那覇市都市景観賞を受賞した。
 NLCの歴史は1974年に遡る。先代の牧師が開拓した教会を89年に引き継いだのが、内村牧師だ。「建物の老朽化が進んでいたのですが、借地だったのでその場所に新会堂を建て替えることもできませんでした」。しばらくレストランなどを借りながら礼拝を続けた。しかし、「やはり会堂を」と必要に迫られて新会堂のための土地を購入した。だが、「会堂建築分の献金まで貯めていたわけではなかった」という。購入した90坪の土地に、どのように会堂を建てるか。「神様に示されたのは、『会堂は主のもの』ということ。ならば今、教会に来ているクリスチャンだけが使い勝手のいい会堂ではなく、クリスチャンでない人たちにも開かれた会堂を、と願いました」
 会堂の設計は、同教会の会員の夫の設計士に依頼した。「その方はクリスチャンでなかったので、まず、その方に教会のイメージを尋ねました」。イメージは三角屋根で天井が高いという。「私の願いとクリスチャン以外の人が抱くそのイメージに沿うものをと設計を頼みました」
 そうして、設計が完成。いざ、会堂を建てるにも、限られた予算では到底適わない。そのため、内装も外壁もほとんど信徒たちとの手づくりで建築を進めた。「サンギという木を建築会社から譲り受け、コンクリートの上にセメントを流し、床にサンギを敷き詰めました。外壁の石も、石屋さんからくず石を譲ってもらって石を切るところからみんなでつくりました」。当時、信徒は大人が10人ほど、子どもが数人いた程度だった。「それでも、土地購入から2年弱で会堂が建てられました」
 会堂建築中、教会の隣接地の90坪を「ぜひ教会に売りたい」と地主が申し出て、格安で購入できた。「そこには納骨堂を建てました」。というのも、祖先崇拝の根強い沖縄では、「キリスト教は祖先を大切にしないのではないか」と誤解があるという。内村牧師が赴任したての頃、こんなことがあった。「家族じゅうが大反対の中、受洗したおばあさんがいました。洗礼を受けるなら墓には入れない、と家族から言われたそうです」。そのおばあさんがある日、「教会にはお墓がありますか」と尋ねた。当時は納骨堂もなく、「ありません」と答えるしかなかった。まもなく、おばあさんは教会から離れてしまった。「その経験から、納骨堂の大切さをひしひしと感じました」。3階建ての高さからなる納骨堂も、先の設計士に設計してもらい、教会全体の統一感とバランスが保たれている。

 「納骨堂だからといって、納骨式の時だけ使うのでなく、祈祷会や青年会で使うこともありますし、納骨された遺族の方たちにも『みなさんが自由に来られる場所です』と伝えています」。そのスタンスは、会堂も教会庭も同じだ。教会の庭は開放しているので、犬の散歩ルートであったり、休憩スポットであったりと、地域の人々が自由に出入りしているという。
 「景観賞受賞は上辺のもの。ちょうど9月の教会の修養会で、『大切なのは建物でなくキリストのからだとしての内面』と学んだところでした。だけど、受賞はとても嬉しい。上辺のものでも神様を知らない人の関心を引き、魅力あるものと感じてもらえたことは喜びであり、信仰をもつことへのきっかけとして大いに用いたい。でも、大切なことは神様からの冠を一人ひとりが受けること」と内村牧師。そして、「この建物も、今回の受賞も主が与えたもの。主がおられる中では人の目にどんなに難しくても不可能なことはないと、確信しています。ますます福音宣教のために用いられたい」と抱負を語った。

 アッセンブリー・那覇アッセンブリー教会=ニューライフチャペル=〒901-0146那覇市具志3ノ16ノ33。Tel&Fax098・857・5570 http://newlifec.web.fc2.com