2000年11月12日号《ヘッドライン》

2000年11月12日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎北朝鮮拉致問題 祈りの輪広がる——国交正常化交渉の推移を注視
★死海写本が初来日「東京大聖書展」開幕(19日まで)
★いまどきの子だって冷めてない——ジョイジョイフェスティバル盛況
★<いやしの時代>[27]福音をライフメッセージにして語る 広崎 仁一さん(下)
★<落穂抄>聖書普及に努めた先人たちの情熱  = 2 面 =
★<突然の災害>[2]有珠山噴火:災害が地域に出て行く原動力に
★迫害下にある教会のための国際祈祷日
◎総動員伝道が30周年——次代へ継承はかり姫井雅夫氏委員長に新体制
★<世界の出来事フラッシュ>米国
★<神の国の物語>[2]神の国ってどんなところ 記・谷口和男
★<論説>文化とキリスト教の今 記・稲垣久和  = 3 面 =
★ここが見どころ「東京大聖書展」  = 4 面 新会堂建築シリーズ=
★日本オープンバイブル教団・神戸キリスト栄光教会  = 5 面 =
★地域のために祈りあう——神奈川県・相模原の教会が教派超え「祈りのしおり」発行
◎VIPクラブ多彩に——東京にユース、レディース発足
★愛した日本で最期の眠り——ゲルト・ウェルヘルム宣教師召天
★星野富弘花の詩画展——20年間400万人動員、16日から甲府市で開催
★米国:元ノルウェー首相らにルーテル賞  = 6面 =
★<聖書66巻>マタイ福音書[2]異邦人を救うユダヤの王 記・伊藤 明生
★<書評>「使徒信条と主の祈り」米川明彦著(新生運動刊、1000円)
★<新刊書紹介>「ダーリンはイエス様オー・ハッピー・デート」卞 在昌著(小牧者出版、1048円)
★<新刊書紹介>「わたしの仕える主は生きておられる」金井由信著(CLC出版、900円)

北朝鮮拉致問題 祈りの輪広がる−−国交正常化交渉の推移を注視

北朝鮮拉致問題 祈りの輪広がる——国交正常化交渉の推移を注視
 米国のオルブライト国務長官の訪朝、森首相の「第三国発見」発言、そして十月末には日朝国交正常化交渉。そんななかで、三年前に実名を公表し、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に拉致された娘・横田めぐみさんの救出活動を続けている横田早紀江さん(福音キリスト教会連合・中野島キリスト教会員)を囲んでの祈り会が、十月二十六日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で開催された。これは、北朝鮮拉致問題が年内に解決することを願い、今年五月から毎月定期的に行われている祈祷会を、さらなる祈り手を求めて拡大したもの。通常十五人ほどで祈っていたが、この日は京都など遠方からも含め八十一人が集った。
  「何をしたらいいのか分からない。祈ることだけは忘れずにしています。金正日の心が開かれるように祈っています」と、早紀江さんは言う。
 二十三年前、新潟で当時十三歳のめぐみさんが突然いなくなり、早紀江さんはその絶望の中でクリスチャンとなった。三年前にめぐみさんが北朝鮮にいることが分かり、韓国・北朝鮮地域研究者である西岡力氏(東京基督教大学教授)がクリスチャンであることも励ましとなり、市民レベルでの救出活動をしている。
 八五年に北朝鮮の工作員が韓国で逮捕され、日本政府は拉致問題の存在を認識してきた。
しかし、過去の北朝鮮との国交正常化交渉では、拉致問題はほとんど取り上げられていない。
 最近になり、日本国内でもようやく、拉致問題が言われるようになったが、西岡氏は「やっと、日本政府を動かすことができた。でも、北朝鮮が変わらなければ出口は見えない」と言う。また、米朝、南北間の国交回復の兆しが見えてきていることも、「日本政府は『バスに乗り遅れるな』と、拉致問題が解決していないのに国交回復に進む危惧がある」と指摘する。
 同日の祈祷会では、今この時もめぐみさんら拉致被害者が守られるよう、また被害者家族の健康のため、今後の交渉の優先課題になるようにと、熱い祈りが参加者の間でささげられた。同じ時間に海外でも祈っているとの報告もあった。
 来月の祈祷会は十一月三十日二時四十五分から、新宿区信濃町のいのちのことば社本社(Tel.03・3353・9346・鴻海)で。

総動員伝道が30周年−−次代へ継承はかり姫井雅夫氏委員長に新体制

総動員伝道が30周年——次代へ継承はかり姫井雅夫氏委員長に新体制
 教派を超えた地域教会の協力を基盤に、信徒の学び、訓練、集中的な伝道集会などを組み合わせた、日本土着の教会協力伝道を推進してきた「総動員伝道」が、開始から三十年を迎えた。十月二十三日、東京・お茶の水クリスチャンセンターで開いた記念集会で、二十一世紀への継承を視野に人事体制の一新を発表、三十代、四十代の若手牧師・伝道者らが「二十一世紀の宣教」のテーマで提言した。
  総動員伝道は、いわゆるクルセード伝道に軌道修正を加えようと中南米コスタリカから始められた「深みの伝道」に端を発し、世界的に影響を与えた「浸透伝道運動」の日本版。一九七〇年、四国四県でそれまでになかった幅広い教派的背景の諸教会を巻き込み、四国総伝が展開されたのを皮切りに、県や地域単位でこれまでに全国の約七割で実施された。
 伝道の実が地域教会にもたらされ、学びを通して信徒たちが訓練を受けると共に、総伝を契機として各地に連合宣教の集いやクリスチャン修養会など、教派を超えた地域の教会協力の交わりが生み出されてきた。
 初期の本田弘慈氏、羽鳥朗氏らの指導体制から、ここ十二年は小助川次雄運営委員長を中心に、羽鳥氏を理事長とする理事会と二本立てで運営されてきたが、三十年を機に「総動員伝道委員会」に一本化。委員長に、これまで実務の中心となって推進してきた姫井雅夫氏(日基教団・赤坂教会牧師)を選任し、十月二十三日の三十周年記念集会の席上、関係諸氏の按手によって任命された。
 当日、「二十一世紀の宣教」をテーマに提言を発表したのは、日本キャンパス・クルセー
ド代表の栗原一芳、バプテスト教会連合・国分寺バプテスト教会牧師の米内宏明、ホーリネス・坂戸教会牧師の郷家一二三の三氏。
 栗原氏は、注目している二つの活動として、ビジネスマン伝道のVIPクラブと、日本福音宣教師団のCPIが開催している開拓伝道セミナーを挙げた。信徒の働きが生かされていること、福音を証しする者に当てはめていること、協力とネットワーク、リソースをつなげていることがカギだという。特に、世界の未伝地の情報がAD2000運動によって調査され、インターネットを通じてだれにでも手に入る時代であることを指摘。日本の未伝地(教会未設置地区)解消のために、教派を超えた教会の協力、伝道諸団体との相互協力、国際的な協力が必要であることを述べた。
 米内氏は、一九六五年から開拓された国分寺バプテスト教会の形成を事例として発表。▽自立した教会となる▽世界宣教の拠点教会となる、の二点を教会のビジョン(理念)として、両者が支え合って一人ひとりが世界とどうつながるかを意識しながら?対象別、目的別、地域別に様々な伝道の働きを展開できる分野別ミニストリー?社会の各分野にインパクトある証しを立てる、などのイメージを目指して教会形成をしてきたことを紹介した。
 郷家氏は、「福音化」を「各教会の働きが土着化し、福音が地域に浸透すること」と定義。
地域住民の信頼を勝ち得るまで始めたことはやめない方針で取り組んできた、と坂戸教会の姿勢を述べた。「信頼できる関係の中で聞く福音は、信頼に値する」という。
 また、使徒行伝から「教会を形成することが宣教である」ととらえてきた村上宣道主任牧師の理念を受けて、「教会が教会らしく形成されているか、超教派の働きが教会の形成を助けているか」に着目。総伝の今後に「牧師を育てるという視点を強力に打ち出してほしい」「同じ釜の飯を食うような研修を実施し、互いに霊的導き手となるようなネットワーク作りを進めてほしい」などと要望した。

VIPクラブ多彩に−−東京にユース、レディース発足

ビジネスマン伝道を目的とするインターナショナルVIPクラブ(略称・VIP)が、さらに進展している。今秋には、VIPで初めての女性の企画によるVIPレディース表参道、若者中心の伝道集会を目的としたVIPユースが始まった。
 若者向けのVIPは、すでに関西でVIPユース大阪が四月から活動しているが、関東では、東京で初めて発足。
 VIPユースは十月二十八日、東京・渋谷区のイベントハウス「BOSS」で開催。集会は「歌って、踊って、証しする」集会となった。
     ◇
 集まった人たちは約六十人。ほとんどが二十代の新入社員で、学生気分が抜け切らない若者も多い。沖縄からこの集会のために来た人も。
 お目当ては若い世代に大人気の、七人で構成されたレインボーミュージック。彼らのリードで、会衆は手を高く挙げ、ジャンプし、手をたたき、歌って踊って盛り上がった。
 続いて静かに聞かせる賛美へと移行。「夢を現実にするためこの働きを始めた」という佐々木さんは、自分の曲「Send Me」を賛美しながら「神さまはロバのような弱い者を用いられる」と証しした。
 集会の中で各グループに分かれ、分かち合いの時も持った。集会後、二次会に行って語り合う人たちもいた。アンケートには「主の臨在を確かに感じることができた」「ユースは年代も近く、教会外の人たちもいる。その人たちとディスカッションできてよかった」などの声が寄せられた。
 スタッフらは「広く、若者に参加していただき、主の働きが前進して欲しい」と願っている。
 VIPユースは、毎月第四土曜日午後、同所で行われる。レインボーミュージックも毎回参加する。問い合わせはTel.0426・75・9336へ。
  VIPレディース表参道は、「女性が強く美しく豊かに生き抜くため」をテーマに、この会を進めていく。
 第一回目のオープニングパーティーは、十月二日に東京港区・地下鉄表参道駅そばの青山ダイヤモンドホールで開催。七十二人が参加。夕食会は音楽演奏、(株)鐘紡顧問の三谷康人さんがメッセージをした。
 VIPの活動をしていく中で「女性だけの企画で、何かできないか」と考えていたところ、賛同者も現れた。「女性が今何を考え、何を求めて、どう生きていけばよいか、男性にも理解して欲しい。男性が女性を愛するいい励ましになれば」と、男性の参加も奨励している。
 VIPレディース表参道は、毎月第一月曜夜七時から。会費五千円、同場所で定期的に開催する(十二月はお休み)。
 問い合わせはTel&Fax.03・5385・5272(岡村)、Tel&Fax.045・912・5058(加藤)。