[CSD]2010年7月25日号《ヘッドライン》

[CSD]2010年7月25日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★参院選挙で民主党大敗——土肥隆一議員「大連立に活路」
◎JEA女性委員会20年 神からのCallingを生きる——のびのび女性がクリスチャン人口1%の壁破る

 = 2 面 ニュース=
★同性愛問題で揺れる聖公会——米国に2人目の同性愛主教で対立激化
★カンタベリー大主教 同性愛主教容認を厳しく批判
★米聖公会総裁主教は同性愛主教を容認——「強権的均一化の動き」と非難
★聖公会共同体、対話への米聖公会参加を停止
★エジンバラ東京会議[9]グローバルな人々とディアスポラ宣教学——増加する移民が福音を運ぶ
★<落ち穂>映画「日本のいちばん長い夏」と戦争の記憶

 = 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[15]西郷隆盛の章:4 ——どこで聖書にふれたのか? 記・守部喜雅
★高齢者・障碍者 共に歩む福祉——キングス・ガーデン合同協力牧師会が注目
★最古の使徒肖像をローマで発見——バチカンが発表
★<オピニオン>中学校校門外での聖書贈呈批判をどう受け止めるか 記・藤野 慶一郎

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★戸田 安土さん[下](金城学院名誉理事長)——「今こそ報いる時」と学院長に
★<働く人の境界線>[9]主体的選択ができるよう「しっかり立つ」 記・中村佐知

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『教会アーカイブス入門』東京基督教大学教会アーカイブズ研究会編(いのちのことば社、1,365円税込)
★BOOK:『南蛮伴天連の道』森 禮子著(教文館、1,995円税込)
★BOOK:『永遠の腕のもとに』C・S・ルイス著(新教出版社、2,415円税込)
★REVIEW:『もういちど会える日まで』遠藤芳子著(いのちのことば社、1,260円税込)評・波多 康

 = 6・7 面 新会堂シリーズ/神の家族主イエス・キリスト教会 =
★地域に開かれた教会堂——環境と人にやさしく、体育館も併設
★出発は公園礼拝からだった
★祝福の背後に什一献金

 = 8・9 面 特集/地域宣教の課題を追って 沖縄 =
★運動会も島民マラソンも応援?からしだね伝道——沖縄バプ連盟
★社会問題に背を向けて伝道はできない——バプ連盟・西原新生バプテスト教会
★里親として子育て講座で親を励ます——単立・つきしろゴスペル教会
★教会の傷に向き合う——単立・キリスト希望教会

 = 10 面 教会学校 =
★親子でパフェパーティ——インマヌエル横浜キリスト教会
★<CSもうひと味>子どもの関心を引くゲーム

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎おばあちゃんになるまで音楽を——ピアノ&ヴォーカルユニットsora
◎一つひとつ違ういのちが愛されている——難病ミトコンドリア病啓発にチャリティー公演

 = 12 面 教会 =
★わきあいあいと「男の料理」——ディコンリー・東鳴尾ルーテル教会



◎JEA女性委員会20年 神からのCallingを生きる−−のびのび女性がクリスチャン人口1%の壁破

 男性に比べ、女性の信徒数が多い日本のキリスト教会において、女性が果たす役割は決して少なくない。超教派で女性の協力体制を築きたいとの願いから、日本福音同盟(JEA)女性委員会(丸山園子委員長)が発足して今年で20年。92年から2年に一度、開催されている「心のオアシスリトリート」は6月28~30日、国立女性教育会館「ヌエック」(埼玉県比企郡)で第9回を迎えた。リトリートには、初代委員長の湊晶子氏(東京女子大学前学長)をはじめ歴代委員が参加。日本宣教における女性の働きを振り返るとともに、これからについて検証した。

 1982年、京都で開催された第2回日本伝道会議に、初めて女性が実行委員として加えられた。89年には、アジア福音同盟の女性大会に4人の女性が参加。大きなチャレンジを受けて帰国し、翌90年、JEAの専門委員会の一つとして、女性委員会が発足した。その目的は、・各個教会の婦人会活動の範囲を超え、全国レベルでの女性の働きの協力態勢確立、・全国レベルでの情報交換と祈りの分かち合い、・教派を超えた地区単位での女性の働きの交流を深める、・リーダーの発掘、・外国の女性委員会との交流の窓口になる、こと。「教会の3分の2を占める女性たちが、正しい聖書観と世界観に立って、のびのびと宣教のわざに力を発揮できるならば、日本の(クリスチャン人口)1パーセントの枠は破られるはずだと思います」。初代委員長の湊氏の言葉だ。湊氏は、他の委員たちとともに全国的に活動を展開。92年からは、「女性リトリート」(当時)を隔年でスタートさせた。このリトリートは、人間関係や家庭、夫婦関係など、共有の課題を学び、情報交換し合う場となり、多くの女性の信仰生活を支えてきた。
 今年のテーマは「豊かなつながりに生きる」。神との関係、家族、教会、職場、地域での人間関係など、一人ひとりを取り巻く様々な「つながり」を振り返るひとときとなった。講師は、藤本満氏(インマヌエル高津キリスト教会牧師)と、湊氏。
 「21世紀 日本宣教を活かす—福音主義信仰に立つキリスト者のつながり—」と題して記念講演した湊氏は、プロテスタント宣教150年と女性委員会20年の働きをそれぞれ振り返るとともに、「共に宣教を担う女性」の役割について語った。「女性は、男性に対して協力者、力であり、お互いに存在価値があります。『女性であること』を正しく位置づけ、判断力、決断力、切断力のある、やさしさと寛容に満ちた女性に成長してください」。「キャリア」とは、報酬が得られる職業だけでなく、主婦としての労働や教会奉仕などの労働生活全体であり、すべてが神からの「Calling」である、として、「信仰に堅く立ち、生きる力と自信をもって、宣教という『キャリア』を主にささげて生きていきましょう」と呼びかけた。
 リトリートでは、他に実践的な学びと情報交換のための8つの分科会が行われた。また各講演後には、参加者がグループに分かれてディスカッションし、その中から幾つかのネットワークも生まれた
 

◎おばあちゃんになるまで音楽を−−ピアノ&ヴォーカルユニットsora=1007251101

 やわらかく、包み込むようなピアノの音色。ささやくようで、時に力強く響く声。2つの「音」が一体となり、届いてくるメッセージ—。活動開始から10年目を迎えた女性ユニット「sora」が、このほど6年ぶりにセカンドアルバム「空の窓」をリリースした。「うまく言葉にならない思いって、誰にでもあると思う。その気持ちを、言葉にしてみました」。ヴォーカリストのえどあきこさん(MB・恵みの丘キリスト教会員)は、制作の思いを語る。

 「sora」は、えどさん(ヴォーカル)、まついひでこさん(ピアノ)のユニット。2人は関西の音楽大学在学中に出会い、意気投合して「空」(当時)を結成。大学を卒業し関東に移ってからも、ライブハウスや教会などを中心に活動を続けてきた。
 10年を一言で表すと、「自然体」だろうか。呼ばれると2人で行って、好きな曲を歌って…。「音楽で食べていきたい、有名になりたい」という一心よりむしろ、「音楽をしていたい」という思いが、細く長く続いてきた形だ。「『それでいいんか』って聞かれたりもするけど、どっちでもいい。私にとって音楽はご飯を食べるみたいな感じ。音楽で生きているし、今さらやめられへんもの。10年やって、続けるって大変なことやなあって感じました。おばあちゃんになるまで活動できたらな、と思っています」。現在も月に一度、高田馬場(東京・新宿区)のライブハウスで歌う。
 これにやきもきしたのが、夫の大谷哲太郎さん。昔から本格的に音楽に関わってきた大谷さんは、ストイックにデビューを目指し、夢叶わずあきらめていった人を周囲にたくさん見てきた。「2人がそんなスタンスやったから、ぼくは結婚前まで、彼女らの音楽には特別関わってなかったんです。でも、やっぱりいいものをもってると思うから」。ちょうど、知り合いのCD制作を手伝ったこともあり、ノウハウを知った。「自分たちでCDを作れる可能性がわかって、それからは2人のライブにも行くようにして。いい曲いっぱいあるんですよ。形にして残さな、もったいない」
 これに、2人の思いも一致した。「CDは、ずっと作りたかったんです。でもお互いに忙しかったりしてなかなかできなくて。『もしどっちか死ぬことになったら、死んでも死にきれへんな(笑)』って。後悔はしたくないし、今年こそ作ろうと話してました」と、えどさんは振り返る。
 同じ教会に所属するレコーディングのエンジニアも巻き込み、「時と環境が整った」時、制作が始まった。「大変だった…。ピアノで60回近くも録ったり、サビだけで1日使ったり。『そこの歌詞はうれしいとこやねんから、うれしそうに歌わな。今、何考えて歌ってたかわかるで』とか言われたり、レコーディングして初めて気づく自分の歌がありました」。ライブの度に、曲のアレンジが変わるのが「sora」のスタイル。「でも、『この曲はこの形』って決めて。今回のCD制作は、今まで作ってきた曲を完成させる作業でもあったと思います」

 アルバム「空の窓」。例えば、色んな大切なモノを取りこぼしているような、大切なモノに取り残されているような。それでも、何かを求め続けている感覚—。まさに、そんな言葉にできない不安や葛藤を、えどさんは一言ずつ丁寧に綴り、歌う。後悔や寂しさ、はかなさ、ゆらぎ。でも、その弱さを包み込んでくれるあたたかさ、やさしさがある。そんな存在とつながっている安心感を、全6曲が伝えてくれる。
 問い合わせはangamusic.sora@gmail.com http://www.myspace.com/soraangamusic ブログ=http://ameblo.jp/soranomado/

◎一つひとつ違ういのちが愛されている−−難病ミトコンドリア病啓発にチャリティー公演=10072511

 「たいせつなきみ」(マックス・ルケード著)を演劇にしてミトコンドリア病で闘う人とその家族を支援したい――。大林真由さんのそんな熱い思いが結晶したチャリティー演劇が7月31日に本番を迎える。

 「ミトコンドリア病」。あまり聞き慣れないが、難病指定されているこの病気と闘っている一人の少女がいる。小口愛子ちゃんだ。ミトコンドリア病は筋生検(生きた筋肉を採取し検査する)で診断されるが、その症状が千差万別のため、病名がつかないまま症状と闘わなくてはならない人もいる。遺伝による病であることはわかっているが、発症時期も罹患傾向もわかっていない。対症療法で症状を緩和させ、進行を遅らせることが今のところの治療法だ。
 「愛するように愛されるように」と名付けられた愛子ちゃんは、02年にクリスチャンの両親の元に生まれた。生後8か月頃から成長の遅さを指摘されていたが、病名が特定されたのは2歳半の時だった。
 大林さんが愛子ちゃん家族と出会ったのは07年。もともと山梨で演劇やナレーターの仕事をしていた大林さんは結婚を機に渡米した。だが、生活になかなかなじめず、家に引きこもりがちな日々が長く続いた。「このままではよくない。教会に行けば日本人と話せるかも」と思い、教会に行ってみた。「当時、アトランタ南部に住んでいてました。教会で知り合った近くに住むクリスチャンの方がAJCF(アトランタ日本人クリスチャンフェローシップ)に誘ってくださって、月一度、参加していました」。そこに小口さん家族も来ていた。
 イエス・キリストの愛に触れ、クリスチャンコミュニティーの一員として迎え入れられた経験は、大林さんの人生を変えた。「夫は宗教は何でもいいという人だったのに、彼も同じタイミングでイエス様と出会い、夫婦で受洗しました」
 愛子ちゃんの病気を知り、愛子ちゃんの母・千尋さんの手記をアメリカの教会で朗読したこともあった。
 夫の仕事の都合で09年に帰国したが、「愛子ちゃんの病気について一人でも多くの人に知ってほしい。私たちの命はみんなが違うけれど、それぞれ大切で、神様に愛されているんだということを演劇を通して伝えたいと思いました」
 そんなときに日本語版の『たいせつなきみ』に出合った。クリスチャンとして「愛」を演劇のテーマにすることは欠かせなかった。「今回、声をかけて賛同してくれたキャストはクリスチャンではありませんが、絵本を読んでそれぞれ感じ取ってくれたようです」
 現在、31日の舞台に向けて稽古の日々が続く。公演では、1部に演劇、2部では千尋さんの手記『君は愛されるために生まれた』を大林さんが朗読する。公演収益はミトコンドリア病の患者団体と小口さんの家族に寄付する。
 ▽東京都八王子市の八王北野市民センター8階▽午後2時開場、2時半開演▽全席自由・前売り入場券大人千500円、中学生以下、障害者千円(当日券各300円増)▽問い合わせTel.090・1793・4437 Fax.045・912・8866 Email:you_are_special_731@yahoo.co.jp