[CSD]2010年11月7日号《ヘッドライン》

[CSD]2010年11月7日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎教会 信徒 福音で一つに——関西フランクリン・グラハムフェスタに来場3万人超
★奄美豪雨で全島に霊的痛み——ホーリネス・大島教会 祈りを要請

 = 2 面 ニュース=
◎ホール震えた「1万人のゴスペル」——関西フランクリン・グラハムフェスティバル
★ハイチでコレラ感染拡大——ワールド・ビジョンが予防活動
★窃盗容疑の牧師不起訴——地元牧師会は教団に抗議
★<落ち穂>夕礼拝の減少傾向

 = 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[29]勝海舟の章:9——クララ・ホイットニーの日記 記・守部喜雅
★「きよめと怒り」問題提起——第25回関東聖化大会
★<オピニオン>コーラン焼却は十字架の購い否定 記・加藤 誠

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★加藤誠一さん[上]([有]渚商店代表取締役)——仕事通して一人ひとり大切に
★<人生何とかなります>[14]霊が生きると人は生きる 記・佐藤 敏

 = 5 面 牧会/社会/神学 =
★イエスは宣教において何を目指したのか[4]講義2_失われた者を捜す?——リチャード・ボウカム博士特別講義より
★<精神障害と教会>[84]国民病(1)——当事者自身が仲間と取り組む 記・向谷地 生良

 = 6・7 面 特集/日本宣教地図 =
◎4年ぶり全国8千教会を割り込む——「クリスチャン情報ブック20011」教会教勢調査から
★平均教会員数・平均礼拝者数は例年並み——1教会あたりの対人口は約1万5千人

 = 8 面 全面広告 =
第51回バックストン聖会 11月19日(金)~21日(日)
会場:日本キリスト教団渋谷教会

 = 9 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『Murton's BIBLE』(産業経済新聞社、700円税込)
★BOOK:『愛とゆるし』日野原重明著(教文館、1,050円税込)
★REVIEW:『わたしは良い嗣業を得た ?』中島秀一著(荻窪栄光教会、1,575円税込)評・原田憲夫

 = 10 面 教会学校 =
★チャーチスクール・コンベンション2010?——「イエスに夢中になる」4日間
★<CSもうひと味>「サイン集め」ゲーム——最初に10人と話そう

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★心の故郷に希望届ける——赤津ストヤーノフ樹里亜さん(ピアニスト)ブラジルから凱旋デビュー
★再発見! 地域に仕える教会の歴史——日本基督教団郡山細沼教会100年史に心動かされた編集者
★南アフリカ:ツツ大主教79歳迎え正式引退

 = 12 面 教会 =
★100年 小さき者と共に——日本基督教団郡山細沼教会



◎教会 信徒 福音で一つに−−関西フランクリン・グラハムフェスタに来場3万人超=1011070101

 約2年をかけて準備されてきた関西フランクリン・グラハムフェスティバル(同実行委員会・協力教会、ビリー・グラハム伝道協会=BGEA主催)が開催。中四国を含む約500の教会の協力のもと、10月22~24日までの3日間で大阪城ホールには延べ約3万1千人が集まった。特に最終日はほぼ満席となり、フィナーレではフランクリン氏の招きに応答した人たちがステージ前を埋め尽くした。大規模な伝道集会への賛否両論のある中で進められてきたフェスティバルだが、教会が、信徒が、福音のために一つとなることに最重点を置いた大集会は「主はすばらしいことを行ってくださる」という感動のことばと、「これからが始まりです」という決意で締めくくられた。

 「共に前進していきましょう」。高田義三実行委員長の開会宣言に続く村上好伸会長のこの言葉で、フェスティバルの幕が切って落とされた。
 3日間に6つのプログラムがあり、オープニングとなるレディース・フェスティバルには、平日にもかかわらず約3千300人が集まって、音楽を楽しみ、BGEAエヴァンジェリストのロバート・カンヴィル氏のメッセージに聞き入った。
 フランクリン氏の登壇は夜の「フェスティバル1」、23日の「フェスティバル2」、約1万人を集めた24日の「フェスティバル3」。真摯に明快に十字架を語る伝道メッセージに応えて、多くの人が招きの場に集まった。
 多くの歌手や賛美チームが会場を盛り上げた。今回のために結成されたフェスティバル・クワイア&アンサンブル、スペシャル・ワークショップ・クワイアも好評だった。多彩な出演者が、それぞれの表現でささげる賛美を通して、会場に伝道メッセージを送っていた。特に「1万人のゴスペル」が期待された2日目は、本当に客席とステージのゴスペル・クワイアが合わせて1万人となるくらいのスケールになった。挨拶に立った岡田信常会長は「みんなが共に主に向かって賛美する幸いを感謝します」と喜んだ。
 最終日には全国ツアーを終えたばかりの韓国のテノール歌手ベー・チェチョルさんが登場した。静まり返った1万人の会場に、沁み入るような「アメージング・グレイス」が響き渡った。
マートン選手登壇
 今回のフェスティバルのサプライズは、阪神タイガースの「助っ人」マット・マートン選手の出演だ。全プログラムにマートン選手が登場して証しをし、サイン入りボールとサイン入りトラクトのプレゼントもあり、参加者は大喜びだった。
 「イエス様は私たちの人生の方向を示してくださいます。私を日本に導いてくださったことは、その証しです。神様にすべてゆだねて行けば、神様は必ず最善に導いてくださいます」
 最後に「カミサマハ、ワタシノチカラデス」と、日本語でアピールすると、会場から大きな拍手が起こった。ヒーローインタビューでおなじみのこの言葉は、フェスティバルでもマートン選手のきめ台詞になった。
 「教会に始まり、教会に実を結ぶ」というコンセプトで始まったフェスティバル。力配分を「準備段階45%、本大会に10%、フォローアップに45%」として、進められてきた。最終日に挨拶した斎藤亘会長は「ここからスタートです」と語った。残る45%の働きがこれから始まる。

◎ホール震えた「1万人のゴスペル」−−関西フランクリン・グラハムフェスティバル=1011070201

 20世紀を代表した大衆伝道者ビリー・グラハム氏の後を受けた子息、フランクリン・グラハム氏を講師に迎えて大阪城ホールで開催された大伝道集会「関西フランクリン・グラハムフェスティバル」。2日目、10月23日のフェスティバル2は若者に向けたプログラム構成で、上原ヨシュアさん、TAKAさんら率いるクワイアで元気に、Hip HopダンスのJ-WINDで陽気に盛り上げた。フェスティバルの統括クワイアディレクター・ピアニストを務める山本真一郎さんのリードで、ビリー・グラハム伝道協会(BGEA)に協力しているシンガー、アルフィー・サイラスさんらも加わって、客席を巻き込みホールを震わせる「1万人のゴスペル」を歌いあげた。
 フランクリン氏は「すばらしい夜を過ごしています」と、感動を表した。ルカ15章の放蕩息子の話から「あなたの心には神様でしか満たされない空洞があります。キリストこそ神に至る唯一の道。あなたをゆるし、新しいいのちを与え、新たな出発に導いてくれるキリストの元に帰ろう」と、呼びかけた。

大阪城ホール
があふれた
 立ち見が出るほどの最終日、オープニングはマーチングジャズバンドの吉川裕之&ODJC BrassBandの演奏。開会前にはホールの外でも演奏して喝采を浴びた。声楽家の吉村美穂さんと野田常喜さんのピアノ、バイオリン&バンドaz、ヒップホップグループIyse、音楽ユニット「花*花」で活躍したこじまいずみさん、バイオリンとピアノのデュオ高瀬さん、向日かおりさんとフェスティバル・クワイア&アンサンブルなど、次々とささげられる賛美のラストに、ゴスペル・クワイアディレクターの足立学さんのリードで客席と共に「Oh Happy Day」を歌った。
 スペシャル・ミュージックのゲストは本田路津子さんとベー・チェチョルさん。ベーさんの友人で音楽プロデューサーの輪嶋東太郎さんが、来年1月放送のテレビ番組「徹子の部屋」にベーさんが出演することを報告した。
 「彼の声は祈りで与えられた声。日韓友好の新たな100年の扉は、愛の歌で開けましょう」
 さらに、紅白歌合戦への出場はNHKに10万人の声を届ければ可能になると語り「今日の1万人の皆さんが、10回コールしてくださったら一気に達成します」と、呼びかけると、大きな拍手が起こった。
 フランクリン氏は「キリストへの信仰のみがあなたを救う」と、語りかけた。「イエス・キリストこそ答え。今晩人生にイエス様を迎え入れてほしい。私も22歳のときにイエス様に人生を明け渡しました。あの夜、私の罪はゆるされ、癒され、新しく出発できたのです。あなた方も私と同じ経験をしてほしい。今晩、あなたは新しくつくられたものとして生きることができるのです」
 ステージの前に詰めかけた人々を前に、堀内顕特別アドバイザーが最後の祈りに立った。「3日間のフェスティバルを豊かに祝福してくださった主に感謝します。携わったすべての人々に主の祝福が注がれますように」
 高田実行委員長は閉会を宣言して、「ここが始まり。神を見上げ、イエス様と共に歩んでください」と、結んだ。
 フェスティバル事務局は来年3月まで活動する。 Tel.06・4706・8002、Fax.06・4706・8102、office@fgraham-kansai.jp  http://fgraham-kansai.jp

◎4年ぶり全国8千教会を割り込む−−「クリスチャン情報ブック20011」教会教勢調査から=10110

 日本の宣教は、視点と発想の転換が再び求められる時期に差し掛かっているようだ。本紙が全国の教団教派団体及び各個教会を対象に毎年春に実施している「クリスチャン情報ブック」教会教勢調査の集計結果では、4年ぶりに8千教会を割り込み、推定信徒数も前年調査に比べ約1万1千人減少した。【クリスチャン情報ブック編集室】

 今回の教会教勢調査では、全国のプロテスタント教会・伝道所(以下、教会)数が千997教会、1教会あたりの平均教会員数は64人、平均礼拝者数は40・8人という全体像が描かれた。また、全国の推定信徒数は、51万1千522人で全国の総人口(平成21年3月31日現在の住民基本台帳)のおよそ0・4%にあたる。前回調査結果との比較では、総人口が1万5人増、教会数が26減という集計結果になった。
 人口の増減について地域別にみると、増加しているのは関東地域のみで、19万人以上増加しており、一極集中化はとどまっていない感がある。人口の減少が最も大きい地域は昨年同様東北地域で、6県すべてが減少傾向にあり、合計で6万人以上減少している。各都道府県別にみると、最も増加の大きいのは、昨年同様東京都で8万6千人以上、神奈川県が5万人以上の増加となっている。減少が最も大きかったのは、これも前回同様北海道で2万8千人以上減少した。関東地域では埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県が増加、その他の地域でも、愛知県、大阪府、兵庫県など大都市を有する県が増加しており、都市への集中傾向が続いている。
関東では10教会減
 今回の新規登録教会数は13教会にとどまり、閉鎖・合併・活動休止などによる削除の件数が39教会で、全体では26教会減少であった。教会数の増減について、前回と比較して地域別にみると、人口の増減とは一変する結果となった。
 最も人口減少の大きかった東北地域のみで4教会増加し、他の地域はみな減少している。東北地域では教会数が減少した県はなく、3県で横ばい、3県で増加である。これに対して関東地域では10教会減少。人口増の埼玉県、千葉県は各3教会減、東京都1教会、神奈川県2教会減少しており、他の3県も減少もしくは横ばいであり、増加した都県はない。ちなみに、教会数減少の多い所は大阪府7教会減、北海道・埼玉県・千葉県・新潟県が共に3教会減であった。
 過去の教会数の増減の推移をみると、07年に減少してから1年毎に増減を繰り返している。前回までのアンケートの回収率が同様の増減をしていることから、アンケート返答が少ない年に新規設立教会の情報が集まらず、その情報が次年に繰り越されることから、教会数の増減幅が大きくなっている可能性を考慮すると、教会数変動の実態は、もう少し穏やかな変化をしているかもしれない。
 今年の教会数の減少は全教会数の約0・3%であり、以上のような調査の精度差の許容範囲とも言えるだろう。だが、今回の教会アンケート回収率は前回と比べて大きな変化がないため、以上のことだけでは今回の教会数減少を説明することはできない。今回の集計結果は、停滞あるいは減少の傾向を示しているといえるだろう。
 
<平均教会員数・平均礼拝者数は例年並み><平均教会員数の最多と最小の差は3・6倍>

1教会あたりでの
対人口1万5千人
 日本の人口を教会数で割ると、1教会あたり1万5千890・5人になる。1教会あたりの牧会・伝道の対象人数の目安でもある。この1教会あたりの人口を5千人区切りに色分けすると、1万人未満は沖縄県のみで、首都圏でも1万5千人未満は東京を数えるのみ。人口が増加している埼玉県、千葉県、神奈川県は1万5千~2万人未満であるため平均値を超えていることが分かる。人口が増加している3県と東京で2~3教会減少しているのを見ると、人口対教会数の観点からは宣教のフィールドとしてまだ可能性を有しているとも言える。
 今回の集計結果では全国の平均教会員数は64人、平均礼拝者数は40・8人で、前回と比べて、平均教会員数が0・1ポイント増、平均礼拝者数が0・2ポイント減で、ほぼ平年並みであった。
 平均教会員数を地域別で5年前と比較してみると、中部以北では平均教会員数が増加しているのに対し、近畿以南では減少している。また、平均礼拝者数に関しても、ほぼ同様の傾向がみられる。
 北海道と中部は、この5年間で教会数が減少していることから、一教会あたりの信徒の集中が平均教会員数や平均礼拝者数の増加の理由と考えられる。逆に、近畿以南での減少は、教会数の増加が一因と考えられる。東北と関東に関しては、教会数が増加していて平均教会員数が増加しており、この地域の宣教の進展をうかがわせる。
 県別に平均教会員数を比較してみると、東京都が最も多く、112・1人で唯一100人を超えている。次いで神奈川県85・3人、大阪府83・5人。平均教会員数が最も少ない県は福島県の31・1人、宮崎県31・6人、岩手県32・6人という結果となった。ちなみに、東京都の平均教会員数は福島県の3・6倍以上にもなる。また、平均礼拝者数の最も多い所は変わらず東京の66・7人で、最も少ない所は島根県の18・2人だった。

信徒の高齢化と
人口の一極集中
 教会員数に対する礼拝者数の割合を見ると、5年前と比べて北海道が5%も減少しているのが目につく。北海道は教会数が減少しているのに対して、平均教会員数が増えている地域である。広大な面積を持つ地域性を合わせて考えれば、礼拝に遠距離から通わなければならなくなっていることも予想される。高齢化も含めて考えると、地方教会の礼拝出席の困難さをうかがわせる。
 関東地方と近畿地方の人口を合わせると日本の総人口のおよそ51%になるが、関東地方と近畿地方の推定教会員数を合計すると全国のおよそ65%に達する。また、教会数でも二つの地域を合わせると過半数の53%となる。人口、教会員数、教会とも関東地方と近畿地方は約2対1の関係にあり、ここにも一極集中の感がある。