[CSD]2013年3月3日号《ヘッドライン》

[CSD]2013年3月3日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎日本での自然エネルギー潜在能力は原子力の44倍——「日本に原発いらない」各世代
★台湾・賛美バンドCALLING来日——「神様のタイミングで集まった」

 = 2 面 ニュース=
◎100人教会での世界宣教——台湾ワーシップ&プレイズチャーチ
★バチカン:教皇ベネディクト16世 最後の「灰の水曜日」メッセージ——教会の分裂に「立ち返れ」
★バングラデシュ:キリスト者の子どもを拉致誘拐し自爆戦死に?
★エジプト:コプト教皇が憲法のイスラム色を批判
★ロシア:隕石の落下地は正教徒の「聖なる湖」
★<落ち穂>マンガ小冊子『リスクライド』での宣教アプローチ

 = 3 面 =
★<いのちへのまなざし>[46]創造的に老いる 記・柏木哲夫
★イスラエル:マグダラでイエス時代のシナゴーグ発見か
★バチカン:宗教改革500年へ向けて「争いから交わりへ」——ルーテル派との共同宣言を近く発表
★イスラエル:イスラエル博物館がヘロデ大王展開催
★<オピニオン>安倍政権の本質は「富国強兵」 記・渡辺敬直
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4・5 面 新学期特集=
★随想 何のために新しいことを始めるのか?——賜物を再発見する旅に出る
★「仲間がいるから続けられる」——聖契神学校で学ぶ石山裕美さん
★バラバラだった聖書の知識「一つにつながった」——お茶の水聖書学院で学ぶ山本 潤さん

 = 6・7 面 全面広告 =
☆第5回・第6回 日本の牧会者のためのG&G(Grace&Growth)セミナー
第5回 4月24日(水)~29日(月・祝)
第6回 11月6日(水)~11日(月)
☆第2回G&Gフォローアップセミナー 6月19日
会場:韓国・プサン 水営路(スヨンロ)教会

 = 8 面 全面広告 =
☆CS教師セミナー2013 主催:いのちのことば社CS成長センター
東京:4月13日(土)午前10時~午後4時 会場:お茶の水クリスチャンセンター
大阪:5月25日(土)午前10時~午後4時 会場:大阪クリスチャンセンター
Tel.03-5341-6929 Fax.03-5341-6932

 = 9 面 特集/教会の活性化 =
◎チラシ案内配布は効果ない? いいえ、やり方次第です——新聞折り込み1万枚で100人来会も
★大勢の若者が集まり生き生き奉仕——秘訣はリーダーシップの動機づけ
★オペラ「椿姫」の台詞に秘められた福音の力——字幕付き演奏会でその秘密を明かす

 = 10 面 神学/歴史 =
★牧会者としてのカルヴァン——深淵から解放され、みことばで養う牧会へ
★「牧会塾」今年で最終——4月より開講
★国際:ギリシャ語新約聖書(ネストレ28版)が電子化

 = 11 面 伝道・牧会を考える =
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>?[40]保守バプ・盛岡聖書バプテスト教会?——仮設住民の声にじっと耳を傾け
★<神の宣教>神のことばを神の世界へ[19]—— クリストファー・ライト講演抄録

 = 12 面 レビュー =
★Movie:「魔女と呼ばれた少女」——戦闘に狩り出された子ども兵の生への反抗(3月9日シネマート新宿ほか公開)
★Book:『希望をつむぐ』野田沢著(いのちのことば社、840円税込) 評・高橋良知
★Book:『二人がひとつとなるために』ヘンリー・クラウド、ジョン・タウンゼント著(あめんどう、2,205円税込) 評・
★Book:『ちいろば牧師 榎本保郎を語る』榎本 恵、東後勝明、原田博充著(日本基督教団出版局、1,470円税込)
★Book:『コンパクト・ヒストリー宗教改革小史』K・G・アッポルド著(教文館、1,890円税込)
★Book:『改革派教会の礼拝 その歴史と実践』H・O・オールド著(教文館、3,045円税込)
★Book:『ゆっくり育て子どもたち~発達相談室で考えてきたこと~』鍋谷まこと著(いのちのことば社、1,050円税込)
★Book:『教会建築を読み解く』デニス・R・マクナマラ著(産調出版、1,890円税込)
★CD:「Your Songs ~美しい世界~」戸坂純子(ライフ・クリエイション、全12曲、2,100円)



◎日本での自然エネルギー潜在能力は原子力の44倍−−「日本に原発いらない」各世代=130303010

 福島第一原発事故の収束の見通しが立たない中、安倍晋三首相は1月30日の衆院本会議で民主党の野田政権が打ち出した「30年代原発稼働ゼロ」目標について「具体的な根拠をともなわないもの」とし、「ゼロベースで見直す」との考えを表明。原発推進の容認ではと不安が広がっている。そんな中、日本クリスチャン・アカデミー関東活動センター、日本基督教団東京教区北支区は、風力発電などの再生可能エネルギー研究に従事する牛山泉氏(足利工業大学学長、復活之キリスト東京教会員)を招き、講演会「脱原発社会と自然エネルギー」を開催。牛山氏は、原子力に代わるエネルギー源としての自然エネルギーの可能性について語った。

 牛山氏は、「1945年の世界の人口は23億人だったのが現在は70億人と3倍に急増。30億人にエネルギーが供給できないという状況がある。日本のエネルギー自給率は4%しかなく、残りの96%を輸入している」と指摘した。
 日本はこれまで石炭、石油、天然ガスなどの炭化水素燃料を中心にエネルギーを賄ってきたが、これらを燃やすと大量のCO2が出て温暖化につながるとしてCO2を出さない原発に注目が集まった。
 だが、「原発は原子炉の建設、燃料製造、廃棄、廃炉の過程で大量のCO2を排出する。コストも非常にかかる。廃炉にしても放射性廃棄物をどう処理するか、という問題がある。なのに、地震あり、活断層ありの日本に54基もの原発を造ったのがおかしい」。
 一方、環境省のデータをもとに「日本の自然エネルギーのポテンシャルは、10年3月現在の原子力発電の44倍もある」と強調。「風力では北海道で6千500万キロワット、東北で4千キロワット。温室効果ガスを削減し、国産エネルギーとして貢献でき、しかも雇用創出、地域経済の活性化にも貢献可能。日本では風力はだめだと言われ続けてきたが、実際は大きな可能性があるのです」
 同じく太陽光、地熱、水力、バイオマスによるエネルギーの可能性についても言及。「地球に降り注ぐ太陽光は、人類が使っているエネルギーの1万倍、日本だけでも100倍ある。生かさない手はない。火山が多く、急流の川が3万本もある日本では、地熱や水力にもポテンシャルがあります」
 日本のメーカーが風力、ソーラー、地熱などの発電装置に優れた技術力をもっている点も強調。「世界の地熱発電の7割を日本の4社がやっている。海外でして自国で生かさないのはおかしい」と指摘した。
 牛山氏は内村鑑三著『後世の最大遺物』の中の「デンマルク国の話」を引用。「内村は100年前に、エネルギーは太陽光線、海の波濤、吹く風、噴火する火山の中にあり、『外に拡がんとするよりは内を開発すべき』と語っている。持続可能な社会をつくるには、持続可能なエネルギー(自然エネルギー)でなければならない。私たちがどういう国をつくっていくか、それをいかに実現していくかが問われている」と語った。 

◎100人教会での世界宣教−−台湾ワーシップ&プレイズチャーチ=1303030201

 2月初旬に来日した賛美バンドTHE CALLING成立の中心となった単立台湾ワーシップアンドプレイズチャーチ(頌揚基督宣道會、葉栄光牧師)は台湾で3チャペル100人規模の教会だが、国内での社会支援、イベント開催に加え、世界各地で宣教活動を広げる。日本との関わりも深い。この活動の原動力は何か。
 葉牧師は参加した聖霊派の集会をきっかけに仲間のクリスチャン10人と祈りながら1987年に集会を始めた。葉牧師は1日5時間以上の祈りを続け、幻で、全地に主の栄光を輝かす志を持つ。 祈りの中で、フィリピンに行くことが数人に示され、フィリピンの宣教師を通じて89年から海外宣教を開始。現地に訓練センターを建設し、卒業生たち達が現地で60以上の教会を建てている。その後、東南アジア、ヨーロッパ、エジプト、アメリカなどに宣教が広がった。
 国内では毎週2回ホームレスのために炊き出しや集会を開く。99年の台湾地震後は、子どものケアと学習支援をした。
 働きを促すベースには賛美と祈りがある。礼拝ではプログラムに沿いつつ自由な流れで賛美する。 「神に近づけば近づくほど自分の弱さを覚える。だが近づくほど『必ず助ける』と語られ、『あなたを愛するように人を愛しなさい』と命じられる。これ以上愛せないと思う挫折も経験したが、賛美し続け、祈り続けて徐々に信仰を成長させてきました」。同教会では祈り会が毎週金、土にある。金曜日は弟子訓練。「大きな声で賛美すること、長時間祈れること、より神に近づくことができれば弟子です」と言う。
 教会では、子ども、伝道、若者、海外宣教などチームに分かれて活動している。「『神は愛なり』を体現しないといけないというメッセージを語り続ける努力をしました。兄弟姉妹力を合わせて、一人で何人分の仕事量をした。自らの欠乏や会堂の需要を思わず奉仕し、与えれば倍返されることを体験しました」 
 日本に行くことは、94年に祈りの中で示されたが、協力者がないまま、京都、大阪、神戸に行く。
初めは英語で日本の教会に電話し、「台湾から来た。神様の愛を分かち合いたい」と伝道を申し出たが、不審がられた。その中でも単立・高槻シオン教会の有井栄俊牧師とつながり、劇や老人ホームでの伝道、児童伝道をした。有井牧師からキリシタン大名高山右近を知り、日本人の先祖の殉教の姿、神に仕え、愛する姿に感動した。
 2003年からは高山右近の劇を日本語で上演。08年まで毎年教会員約40人で来日し、全国各地で30回以上公演した。山形県での開催を振り返り、高橋富三牧師(COG・酒田キリスト教会)は「みな会場費、交通費、食費すべて自腹で来てくれた。人格的にも素晴らしい。劇には初めてキリスト教に触れた人も感動していた」と感謝する。
 アンテオケ国際宣教神学校理事長で元ヤクザの吉田芳幸長老とも知り合い、07年から台湾の監獄伝道や東南アジア宣教で協力した。東日本大震災後は福島県で民家の修復や物資支援で協力した。
 葉牧師は「賛美は神への愛、従順になれる」と語る。日本人に次のように勧める。「先代のクリスチャンのように神を愛することが1段階。従順な信仰の高山右近は神への愛の火付け役となった。今取り組む段階は賛美によって、引きあげられ、信じてアーメンと言えるようになることだ。さらに次の段階は、日本人が神の軍隊として神の『行け』と言われる場所に派遣されていくことです」
 高山右近の劇から両親ともども関わった、神の家族キリスト教会クリスチャンライフの榎実補教師は、今回THE CALLING来日ツアーを調整した。「日本側としては日本人が火を受けて立ち上がれるように。葉先生たちと同じビジョンで祈りをもって備えました。彼らの剛速球をはじき返せるか。時間、労力かけてどこまで応答できるか。チャレンジでした。こういう形で協力できて感謝です」。来年以降の働きに期待する思いも告げた。

http://www.facebook.com/tcbtw

◎チラシ案内配布は効果ない? いいえ、やり方次第です−−新聞折り込み1万枚で100人来会も=1303

 教会のチラシを配っても反応は薄い…と思っている向きも多いのでは?だがそれは、やり方の問題。効果的なチラシ配布をすれば人は教会に来る、
と言うのは株式会社アガペのプリンティングコーディネーター古川裕久さん。古川さんが長老を務める日本長老・久我山キリスト教会(東京都杉並区)では3年ほど前から、教会のコンサート伝道の案内チラシを、教会周辺に新聞折り込みで1万枚配布し、50?60人から多い時で100人の来会を得ている。ポイントは「デザインがいいことと、新聞折り込み」だという。
 「新聞は購読者が減っている。でもそれは、以前は誰でも新聞を取っていたのが、今は本当に読みたい人しか取っていないということ。そういう人はチラシもよく読んでいます。中にはチラシを読みたいから新聞を取る人もいるほど。新聞減少も逆手にとれる」
 プリンティングコーディネーターのノウハウを生かして質の高いチラシを作る。配布地域を指定し、コンサートの1?2週間前の日曜日に新聞折り込みで配る。チラシの折り込みが多いのは土日。
「多いから見られないと思うのは間違い。かえって多い時によく読む。日曜日がお勧めです」
 インターネットの格安印刷を利用し、チラシ制作費が1万枚で3万円、新聞折り込み代が3万円ほどで計6万円。例えば、1万枚のうち500枚を教会員の関係者に配り、9千500枚を何紙かの新聞に分けて、教会から数百メートルの範囲に配る。「地域性にもよるでしょうが、クラシック系のコンサートは反応がいい」
 タイトルが「伝道集会」では人は来ないので、「コンサート」。ただし、きちんと証しができるクリスチャンの歌手や演奏家を招き、実質的によい伝道になっている。
 「教会の敷居を低くしようということです」と古川さんは話す。「教会の簡単な印刷機でチラシを刷って配って効果がなかったという話を聞くが、今の時代は、チラシは見ばえのするカラー印刷でなければだめです」
 これまで他にゴスペルコンサートや教会バザーの案内にも新聞折り込みを活用し、効果が確認されている。愛知県の教会から頼まれて作ったバザーのチラシでは、台風で大雨の中にもかかわらず100人以上が来てすぐに売り切れた。そのチラシには、東日本大震災のチャリティーであることと、「チラシをお持ちの方に商品を100円引きします」と印刷した。
 昨年暮れ、古川さんはお茶の水クリスチャン・センターで開催中の「星野富弘 花の詩画展」を見て感動。その集客を応援しようと、久我山教会から詩画展の主催者に提案して、教会近隣に詩画展の招待券付きチラシを1万枚新聞折り込みした。
直接教会に人を呼ぶためではなく、伝道につながるイベントに連携して機会をより効果的に生かそうという発想だ。地域の教会が紹介していると分かるよう、招待券の裏に教会名を印刷した。
 さらに、在京諸教会の宣教活動につながればと、
主催者を通じてこの応援キャンペーンの参加教会を募ったところ、都内と神奈川県の8教会が手を挙げた。2月中旬に、合わせて9万枚のチラシを新聞折り込みで各教会の周辺に配布したところ、詩画展の会場は居住地から離れているにもかかわらず、2月20日までの時点ですでに90人以上が訪れている。
 ▽株式会社アガペ=Tel:0422・27・8826 Email:h-furukawa@agapee.co.jp