[CSD]2013年3月31日号《ヘッドライン》

[CSD]2013年3月31日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★復活の知らせ——「少女よ。起きなさい」 記・佐藤岩雄

 = 2 面 ニュース=
◎被災地状況「むしろ悪化」の声——JEA震災対策室「震災3年目に向けた祈り」呼び掛け
◎日・台両政府に脱原発求む——神の創造の秩序回復の祈り深める
★新教皇、非欧州から選出——WCC 正義と平和の巡礼者に期待
★<落ち穂>主語が私から神への転換

 = 3 面 =
★<いのちへのまなざし>[48] 記・柏木哲夫
★<オピニオン>憎しみに駆られた人々への十字架 記・根田祥一
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4 面 関西だより=
★心もやさしくマッサージ——みことばのエステティシャン相見裕子さん
◎全人的ケアめざし教会と福祉が協働——やすらぎの介護シャロームで牧師交流会
★賛美と祈りが地球一周——アライズジャパン
★備後イースターフェスティバル——講師に渡辺和子氏

 = 5 面 全面広告=
☆教団・団体・企業

 = 6・7 面 復活復活の主の足音が聞こえる =
★独房で手にした数枚の福音書記事——シンガポール闇社会実力者からキリスト教牧師に ネヴィル・タン牧師の半生
★支援が主を記念する愛の業に——被災各地で2周年追悼集会
★「キリストさんの話に救われる」——仮設の孤独、母子の不安に寄り添い
★避難所で語りかけてくれた主——大津波から生還した牧師 その後
★こどもフェティバル受難劇に本物の子ろばでエルサレム入城演出

 = 8・9 面 シリーズ・アニバーサリー =
★ワールド・ミッション教団創立10周年——全国に広がる主の26教会

 = 10・11 面 対談/この人 この天職 =
★金山良雄(ムラサキスポーツ代表取締役会長)vs.中野雄一郎(伝道者)

 = 12・13 面 全面広告 =
☆EMPOWERDE21 全日本大会——聖霊に力を受けて、宣教せよ!
2013年10月11日(金)~14日(月) 会場:国立京都国際会館
URL http://www.fukuin-senkyou.com/img/enpowered21_omote_ura.pdf

 = 14 面 全面広告 =
☆教会・医療機関・団体・企業

 = 15 面 伝道・牧会を考える =
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>?[42]保守バプ・盛岡聖書バプテスト教会?——教会がスタッフの安息の場に
★<神の宣教>神のことばを神の世界へ[22]—— クリストファー・ライト講演抄録

 = 16 面 イースターメッセージ =
★放射能と向き合う被災地から——この国の復活のみわざ 教会から始まるように 記・若井和生
★《復活のキリスト》ほか日本初公開作品も——「ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」展(東京・渋谷で4月21日まで開催中)



◎被災地状況「むしろ悪化」の声−−JEA震災対策室「震災3年目に向けた祈り」呼び掛け=1303310

 東日本大震災から3年目の3月、日本福音同盟(JEA)東日本大震災対策室(中台孝雄室長)は「東日本大震災から三年目に向けた祈りのお願い」を公表した。震災後1年半を過ぎて被災地各地で支援する牧師らから、被災地住民の状況はむしろ悪化し、これから本格的な心のケア、スピリチュアルケアが必要だという声や、種々の格差の広がりや、支援縮小の中、ねたみからのいじめや不安感が蔓延する現状が伝えられた。そして希望の福音を届けるクリスチャンボランティア、教会の働きはこれからが正念場であると認識の広がりを確認している。
 同震災対策室は、2013年3月で終了予定だったが、期間を1年延長し、14年3月まで「教会から教会へ」の支援理念に基づく復興支援、および次の災害に備える取り組みとして、継続していくことを決定した。
 日本全国の諸教会の祈りの連帯、アジア、世界の諸教会の祈りの連帯を意識し祈祷課題を以下5点提示した。
 ?被災による困難、苦しみの中で、主イエス・キリストの愛と希望が被災された方々に届くように。特に心のケアを提供する働き人がさらに起こされ、支援者が燃え尽きから守られるように。?現在も支援活動を続けている教会と支援団体、地域ネットワークのこれからの活動のために。特に人材と経済的必要、支援を継続する仕組みが整えられていくように。?震災から時間が経過する中で、全国のキリスト者が、祈りと行動をもって被災地域の教会や人々に関わり続けることができるように。特に原発事故による放射能被害が続く福島の諸教会と連帯し、共に生きる意識をもって励まし支え続けることができるように。?被災地域に福音が拡がっていく中で、諸教会・団体間のよき連携がなされ、新しく生まれる教会と既存の教会が協力しながら、主にある一致をもって地域社会にキリストの愛を証ししていくことができるように。?次の災害への備えを通して、教会と地域の関わりが問い直され、被災地以外の地域でも災害時にキリストの愛を分かち合う準備がなされ、日本のリバイバルへの道備えが全国に拡がっていくように。
 

◎日・台両政府に脱原発求む−−神の創造の秩序回復の祈り深める=1303310202

 福島第一原子力発電所事故から3年目になったことを受けて、3月11日に、日本基督教団総会議長石橋秀雄氏と、同教団と協力関係にある台湾基督長老教会(布興大立議長)は原発問題についての声明をそれぞれ発表した。3月11日前後には両議長が日本、台湾に相互訪問をするプログラムが組まれた。
 「福島第一原子力発電所事故3年目を迎えるに際しての議長声明」では、日本基督教団は原発事故後、放射能汚染の影響下にある幼稚園・保育園の環境整備、子どもたちの短期保養プログラム実施、放射能測定器購入補助等の救援・支援活動を推進した。今後、震災や原子力発電の問題に関する国際会議を日本において開催する計画を報告。
 原発事故を受けて、大自然の力の前で、人間の力がいかに脆弱なものであるか、核施設が制御不能となった場合、いかに悲惨な結果をもたらすかを反省している。また「放射性廃棄物の安定的な保管に関して日本政府はいかなる将来見通しも、具体的な計画も持っていない」と指摘する。
 創世記1章22節から神の祝福した世界と神とのつながりの中で、命ある全てのものが生きることが求められるとし、「原子力発電は神が祝福された世界を破壊し、子どもたちの未来を閉ざす結果をもたらそう」としていると批判した。
「震災から3年目を迎えるに際し、原子力発電所の稼動停止と廃炉に向かっての処置がなされることをあらためて求めつつ、世界に神の創造の秩序が回復されるように、教団に属するすべての教会・伝道所において祈りを深め」たいと決意を表明する。
 「日本基督教団議長声明に対する台湾基督長老教会の応答」では、台湾の原子力発電の事情を伝えている。台湾の第1、第2、第3原子力発電所は世界で最も危険な原子力発電所と言われている。最近政府は、国民投票を実施したが、いハードルを用意して、反原発の決定を成立させなかった。その結果、第4原子力発電所を合法的に建設し続けている。
 そして日本と台湾の「双方の教会が手を繋ぎ、双方の政府に対し共同して原子力発電所の運転停止と廃炉に向けての具体的な取り組みを要求し、核ゼロの国に向かって前進することの出来るよう」に決意する。
 

◎全人的ケアめざし教会と福祉が協働−−やすらぎの介護シャロームで牧師交流会=1303310402

 教会と社会福祉事業との協働を目指した「第2回シャローム牧師交流会」が3月6日に大阪府堺市のシャローム泉北で開催され、近畿各地から牧師・信徒ら約70人が集まった。
 主催したのは「やすらぎの介護シャローム」(俣木泰三園長)。聖書信仰を基盤に1999年から介護事業を開始し、堺市を中心に約10か所で展開している。今年5月には2軒目の住宅型有料老人ホームも開設予定という。いのちのことば社関西編集室の山口暁生がリポートする。
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 午前の基調講演では、泉田昭氏(日本キングスガーデン連合会長、元日本福音同盟理事長)がユーモアを交えながら自らの経験を基に講演。イエスの宣教が、真理を語り、御国の福音を語り、あらゆる病気・病弱を癒した、ホーリスティック(全体的・包括的)なミニストリーであったとし、身体的ケア・精神的ケア・霊的ケアを統合した全人的(ホーリスティック)ケアが大切と述べた上で、福祉の仕事だけをするのではなく、福音を伝え、霊的必要に応えることが必要だと語った。
 午後は有木義岳氏(神戸ルーテル神学校助教授)の進行によるパネルディスカッション。俣木園長、泉田氏のほか、田村英典(淀川キリスト教病院チャプレン)、西田乙美(街かどデイハウス「愛の家」代表)、伊藤規雄(シャロームチャプレン)の各氏がパネリストとして加わり、事前に参加者から寄せられた質問に答える形で進められた。介護福祉を通しての伝道の可能性、人材育成の方法、公的援助の受け方、教会が果たすべき役割、社会との関わりなど、さまざまなテーマに各パネリストがそれぞれの立場から回答。パネリスト間での意見交換こそ少なかったものの、経験を踏まえた実践的なコメントはひとつひとつが深い示唆に富むものだった。
 さらに質疑応答では、具体的な質問も多く飛び交い、高齢化が進むと言われる日本の教会が抱える問題の一端も垣間見られた。
 終了後は希望者による施設見学や相談会も実施。参加者の関心の高さがうかがわれた。
 教会が最優先で取り組むべき働きが伝道であるのは確かだが、日本の教会は今まで伝道というものを狭くとらえすぎていたのかもしれない。
 イエスご自身がなさったように、困っている人や弱っている人に愛のわざを行い、そのことを通して神の愛を伝え、福音を届ける取り組みが今こそ求められていると言えるだろう。そのためにも、この日の試みのように、教会がさまざまな実践的働きと協働し、より豊かな実を結ぶことが大切になってくると思われる。