[CSD]2001年6月3日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年6月3日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎世界福音同盟:重責務帳消し、女性虐待で声明——WEAに名称変更
★世界福音同盟:マハティール首相講演、他宗教国家の平和語る
★日本キリスト教連合会:税金かからない献金袋の書式を発表
★<講壇に立つ女性たち>[19]安中聖書教会牧師 三浦 陽子さん(上)
★<落穂抄>すべての人に通じる神の知恵
 = 2・3 面 ペンテコステメッセージ=
★新しい時代の幕開き 記・岡本 昭世
★宣教の力としての聖霊 記・菊山 和夫
★救いの歴史に新たな次元を 記・小野 静雄
 = 4 面 =
★21世紀の伝道 変革か死滅か——古屋安雄氏、信徒を伝道の主体にと提唱
◎朴永昌氏、教科書問題で来日——田中外相に抗日殉教者の史実伝える
★日基教団西東京教区:歴史教科諸問題を学び現場教師に連帯
★JECA:2001年宣言を採択——強制されても三位一体の神以外は礼拝しない
★JECA:教会のあり方見直す「神学の広場」創刊
★世界福音同盟:福音派教会の世界的規模の広がりを実感させた総会
★『新聖歌』発刊へ 8日に東京で出版記念セレブレーション
★ブータン:信仰捨てるか、国を捨てるか——キリスト教への抑圧強化
★<世界の出来事フラッシュ>米国:司法長官の祈り会に批判
★<論説>ハンセン病と教会の責任 記・中川 健一
★<あかし文学>神様いのちをありがとう[6] 作・山口かおる
 = 5 面 プロテスタントの信仰と遺産=
★ジャン・カルヴァンの生涯と教会改革 記・吉田 隆
★謙遜こそがカルヴァンの神学の真髄 記・瀧浦 滋
 = 6・7 面 キリスト教主義学校=
★ここは「自分探しの学校」——敬和学園高校
★宣教のため、英語を身につけて——TICユーリカ・カリフォルニア大学機構
★イエスを模範とする人間教育——近江兄弟社学園
★人になれ、奉仕せよ——関東学院小・中・高校
★キリスト教を多面に学び人間の本質と真理を考える——恵泉女学園大学
 = 8 面 関西だより=
★リングの格闘こそ伝道——格闘技ミッション5月場所
★教会の活性化願い本大会に弾み——フェスティバル2001半年前大会
★教会ぐるみ不登校児をサポート——泉南聖書教会
★神戸聖書展6日間で2万人——死海写本と神戸ゆかりの展示に衆目
 = 9 面 =
◎クリスチャン心理学者が語る「犯人だけが悪いのか」——碓井 真史さんのホームページ「こころの散歩道」
★病の娘が愛しい——イエスと出会った手記を出版した椎名恵子さん
★すごくいい感じ——再開フライデーナイト好評
★モーセとダビデの生涯たどった写真集『荒野の果てに』
★米国:インターネットの宗教的・霊的利用で成長への可能性高い
★米国:テッド・ターナーとJ・フォンダ夫妻が離婚
 = 10 面 =
★<聖書66巻>ピレモンへの手紙 この世を変える力「愛」 記・荒井 隆志
★<書評>『主の御顔を避けて』遠藤 嘉信著(いのちのことば社、1200円)
★<新刊書紹介>『イエスにで合った僧侶』松岡 広和著(いのちのことば社、1200円)
★<新刊書紹介>『愛する子どもたちへ』マザー・テレサの遺言(ドン・ボスコ社、800円)
★<情報クリップ>催し情報ほか

世界福音同盟:重責務帳消し、女性虐待で声明−−WEAに名称変更0106030101

世界116の国と地域が加盟し、1億6000万人のクリスチャンを包括する福音派教会の世界規模の協力組織である世界福音同盟(WEF)の第11回総会がマレーシア・クアラルンプール市内のホテルを会場に5月4日から10日まで開催された。
「世界大の教会に仕える」を主題にした今総会では、名称の変更を決議したほか、先進国に第三世界の国々の負債放棄を求める声明、女性への虐待に関する声明などを採択した。
また、国際総主事のジュン・ベンサー氏が任期満了となり、後任人事が決まるまで職務を代行する国際運営委員会を新たに設けた。
総会には世界84か国から800人あまりが参加した。
 今総会で世界福音同盟の名称は、World Evangelical Fellowship (WEF)から、World Evangerical Alliance(WEA)となり、2002年1月1日から変更される(日本語訳は世界福音同盟のまま)。
交流中心の意味合いの強かったフェーロシップから、より強い協力関係・同盟関係を意味するアライアンスへの名称変更は、90年代以後、世界の信教の自由の養護や教会間を基盤とした援助協力など、実質的な連帯を強めて現在に至るWEFの働きの広がりを反映したものであり、今後の福音派の成長が求めるところにこたえるもの。
  その働きの広がりを反映したのが、今総会で採択された2つの声明。
先進国に重債務国の負債を放棄するように求めた声明は、7月にイタリア・ジェノバで開かれるG7(先進7か国サミット)に先駆けて出された。
現在世界に広がる貧困を、神に造られた世界へのチャレンジと受け止め、2015年までに世界の貧困が半減されるための国際的指導力を歓迎し、WEF自身も傘下の組織・教会を通して背後で祈るとともに、各国と地域社会が具体的行動を起こすようあらゆることを行うと誓約した。
  また、女性・少女に対するあらゆる形での虐待・暴力に反対する声明は、女性委員会から提出された。
97年の前総会でこの問題が取り上げられ、女性に対する暴力のための特別委員会が設置され調査が行われていた。
会議には発刊されたそのリポートを配布。
議案説明の際、虐待被害にあった女性の証言を交えたビデオを放映し、問題の重さ、深さをアピールした。
  声明では、広範囲の虐待に対し、WEFのもつあらゆる手段を講じ、はっきりとしたクリスチャンの指導力を発揮し、世界中の困難な中にある人々に平安とキリストの愛をもたらすとしている。
女性委員会のウィニー・バータル氏は、「この問題に対する指導力を我々がもち、世界に示す必要がある。
教会こそが真の希望と変革を提供する最良のメカニズムをもっているからだ」と語る。
  今総会で任期満了となった国際総主事のジュン・ベンサー氏は、国際総主事報告の中で9年にわたる働きを振り返り、取り組んできた事柄一つひとつについて力を込めて報告。
「WEFの前には多くのチャレンジがある。
未来を見つめるとそこはほの暗く、不安に満ち、信仰が試される場である。
しかし、すべて神に信頼するなら、不可能と思えるような枷を断ち切ることができる。
私はWEFが神の収穫のための戦略的器となり続けることを信じている。
地球規模の変革のために」と結んだ。
  国際総主事の後任人事は今総会で決まらず、暫定措置として、1年を超えない任期の国際運営委員会を設置して国際総主事の務めを果たすことになった。
委員は、デビッド・デタート(WEF議長)、エバ・サンダーソン(国際委員)、ジョエル・エドワード(UK総主事)、ゲーリー・シール(カリブ海総主事)、ウイリアム・テーラー(宣教委員会)、ドワイト・ギブソン(北米総主事)の各氏。
また、これまでWEFが持っていたマニラとシンガポールの事務所を閉鎖し、事務所機能を当面の間、米国イリノイ州にある北米事務所に一本化することも承認された。

朴永昌氏、教科書問題で来日−−田中外相に抗日殉教者の史実伝える0106030402

「つくる会」歴史教科書問題、小泉純一郎首相の靖国神社(公式)参拝問題などで中国および韓国などアジア諸国との外交関係が取り上げられているこの時期、2002年ワールドカップの韓国本部顧問を務める朴永昌氏(86)=パク・ヨンチャン、現在ロサンゼルス在住韓国人教会名誉牧師=が、田中真紀子外相と土肥隆一衆院外務委員長と会談し、朝鮮半島が日本の統治時代に神社参拝拒否などで獄死殉教した人たちの存在と歴史的事実を語り伝えた。
  朴氏は日本に留学していた1939年に父・朴寛俊長老、安李淑女史(『たといそうでなくとも』の著者)と共に、開会中の帝国議会に入り神社参拝強制の罪を告発する血書を投げ込んだ経験をもつ。
歴史的証人としてこれまでも教科書問題などの折に触れて来日し、日本政府に「警告」を表明してきた。
 田中外相は「短い時間ながら、信仰を持って獄中死した50名が存在したことに聞き入ってくれた」と朴氏は、誠実味ある応対に感服したという。
また、靖国神社参拝の意志を公言する小泉首相に対して、サッカーのワールドカップ共同開催に向けて友好関係の絶頂期に、(つくる会)歴史教科諸問題や首相の神社参拝発言は「やっと築き上げた親善のパゴタを揺さぶる結果になった」との趣旨で2通の抗議警告書を送った。
 60年代からのヤスクニ問題、80年代からくすぶり続ける教科書問題など「警告」し続ける朴氏。
その情熱の源は「父はクリスチャンとしての信仰を守るため、国が誤った道を歩むなら主の教えを警告した。
父は自分の代に聞かれなくとも、信仰を持って言い続ければ子の代、孫の代には必ず実現すると言って国会議事堂に行った。
その父の遺志があるから、私は警告を言いつづけることが出来る」。
「まず神に栄光、そして祖国に栄光が私のモットー。
日本は平和国家になることが栄光」と朴氏は願っている。

クリスチャン心理学者が語る「犯人だけが悪いのか」−−碓井 真史さんのホームページ「こころの散歩道」0

新潟青陵大学看護福祉心理学部教授の碓井真史さん(アッセンブリー・新潟教会客員)は、ホームページ「こころの散歩道」を通じ、様々な凶悪犯罪事件について、心理学者の立場から発言している。
ホームページが注目を集め、本の出版や講演、地元テレビ、ラジオのレギュラー出演など、コメンテーターとして、各方面で引っ張りだこだ。
碓井さんは「犯罪事件を通じて学べることは、オーソドックスだけど、親の愛、人の愛。
結局は、愛なんです」と語る。
  「こころの散歩道」は、1997年に開設。
「最初は、心理学入門のためのホームページを考えていたが、次第に現代の出来事を通して人の心について考えるページになった」という。
その「犯罪心理学・少年犯罪」コーナーの、1日のアクセス数は、現在約2000件。
事件、ニュースに関連し検索サイト「Yahoo! J」で紹介されると、2万件に上る時もある。
開設4年目で、すでにアクセス総数は150万件を超えた。
 被害者、加害者問わず、家庭環境、それに伴う心理状態などを踏まえ、碓井さんは優しい目線でコメントする。
新潟少女監禁事件では、マスコミが九年間監禁されていた少女を「なぜ逃げなかったのか」と責めたてたことに対し、「特殊な環境では逃げられない。
少女に必要なのは、責めることでなく保護」と訴える。
犯罪者を弁護するあまり、メールで「加害者の人権ばかり擁護する」と責められたこともあった。
「多くの人は、自分は心底愛されていない、に行き着く。
愛されたいともがき、最後に犯罪を犯してしまう。
『神様だけは愛しているんだよね』と言いたくなる」。
メールでの相談で、自分はクリスチャンで「聖書にはこう書いてある」と返事をすることもある。
「もしそれが真実ならば、信じたい。
救われたい」と、真剣な応答もあったという。
 専攻は、実験社会心理学。
フロイト、ユングに代表される臨床心理学とは違い、実験や調査によるデータに基づいて分析する。
データを集める中で得た教訓は「裁くな」だったと碓井さん。
「データは、聖書の真理といろんな点で一致します。
自分は大丈夫と思っても、同じ環境に置かれた時、やはり多くの人がすることをしてしまいます。
人間は弱い。
だから『あいつが悪い』と言う前に、まてよ、と立ち止まれるようになりました」 碓井さんの出演番組、著書、ホームページ   ▼「新潟テレビ<21>」月曜日から金曜日、午後4時50分から放映の「小野沢裕子のいきいきワイド」で、月2回ほどコメンテーターとして出演。
▼「BSNラジオ・新潟放送」毎週土曜日朝放送「ブランチバスケット」の心理テストコーナー「碓井真史の 心は何色? あなた色!」を担当。
▼新潟少女監禁事件について書いた『少女はなぜ逃げなかったか』(小学館文庫・495円税別)、佐賀バスジャック事件など四つの少年犯罪について書いた『なぜ「少年」は犯罪に走ったのか』(KKベストセラーズ・695円税別)。
▼「こころの散歩道」はhttp://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/