[CSD]2001年7月15日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年7月15日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎伝道マンガ誌 夢実現——第1弾『ふうけもん』元祖便利屋の回心実話
★日本人だからできるインド伝道——ヒンズー過激派の迫害の地で 記・朴 栄子
★「特設精神病院」設置に反対——NCC障害者と教会委が申し入れ
★<落穂抄>船上の弟子訓練プログラム
 = 2 面 =
★今、改めて靖国問題を考える——首相「参拝」明言受け緊急集会
◎首相参拝を事前に止められないのか
★田中眞紀子外相VS鈴木宗男議員——土肥隆一外務委員長、真相を語る
★ペルー地震:被災地救援——瓦礫の町 夜は氷点下
★沖縄米兵レイプ事件にNCCが強く抗議
★<論説>日本人に訴える宗教とは
★<あかし文学>神様いのちをありがとう[12] 作・山口かおる
 = 3 面 =
★笹井大庸氏への公開書簡 「クリスチャンの天皇論」を問う[1] 記・木村公一
 = 4 面 信仰と生活のページ=
★<伝道牧会とリーガルマインド>[15]身元保証や借金の保証は? 記・櫻井圀郎
★<企業社会の生き方ガイド>[15]キリスト教的環境保護の考え方 記・梅津光弘
★<英語ことわざメモ>[15]口は虎、舌は剣 記:デビット・ブルック
★<投稿>アジアにいる日本人として
★<投稿>小泉首相の「やり直し」
★<今月の試写室>「A.I.」 評・高梨 大
★<CDに時間>「Savior」 国分友里恵
 = 5 面 =
★ゴスペルは形じゃない——ニューレーベル「GOOD NEWS」立ち上げ
★ゴスペルクワイヤーコンテスト 出場者募集締め切り迫る(Tel.03-3358-7900)
◎<北から南から>宮城:星降る夜は、教会に!
★レーナ・マリア基金設立——タイの障害児支援のために
★米国:聖書物語問題——読み聞かせは教師の権限
★米国:クリスチャンのテーマパークにも課税
 = 6 面 =
★<聖書66巻>ヨハネの手紙第1 主イエスは私たちのように 記・宮村 武夫
★<書評>『宣教のパラダイム転換 下』D・ボッシュ著(新教出版社、7500円)
★<新刊書紹介>『二つの勲章』やなぎや けいこ著(ドン・ボスコ社、728円)
★<新刊書紹介>『わたしはマザーに会った』(女子パウロ会、1300円)
★<情報クリップ>催し情報ほか
 

伝道マンガ誌 夢実現−−第1弾『ふうけもん』元祖便利屋の回心実話0107150101

第1弾『ふうけもん』元祖便利屋の回心実話 漫画は日本で年間20億冊以上が発刊されるといわれる巨大市場。
その多くが、セックスや暴力、オカルトに汚染されている現状を憂え、一般の人々がお金を払って買い求める漫画本の分野で、クリスチャン漫画家による良心的な作品を世に送り出し、福音を伝えようという「マンガプロジェクト推進委員会」(ロアルド・リーダル委員長)が、初のオリジナル作品『ふうけもん』を発刊した。
福音を語る宣教師の笑顔に魅せられて若いころヤクザから回心し、今では元祖便利屋としてテレビや本でも知られる右近勝吉さん(日本福音キリスト教会連合キリスト教朝顔教会員)の実話を元に、同プロジェクトが主催した「クリスチャン漫画大賞」の入選者祖父江英之さん(単立・東名古屋キリスト教会員)が書き下ろした。
手軽な税込み100円のコミックブックレット「E—COMIX」としてシリーズ化する計画で、まずはその第一弾の反響でビジョンの実効が問われることになる。
  『ふうけもん|元祖便利屋右近勝吉物語』(B6判62ページ)は新生宣教団のイーブック出版から、キリスト教の出版物としては異例の初版3万5000部が発行された。
日キ販が発売元となり一般書店にも配本される。
これを皮切りにシリーズ化し、季刊、月刊、週刊漫画誌の発行を目指す。
 「ふうけもん」とは、右近さんの郷里佐賀の方言で「ばかもの」の意味。
中学高校時代、ヤクザの組に入り、新宿の盛り場でけんかに明け暮れていた右近さんだが、路傍で伝道するマカルパイン宣教師の笑顔に出会い、「この人にはうそがない」とひかれて教会に通い始める。
そんな不良少年を分け隔てなく受け入れてくれた宣教師の態度に心を打たれ、ある集会でイエス・キリストを受け入れた。
そしてヤクザから足を洗う。
その体験を、便利屋になった現在の右近さんが、精神科に入院している少年に話して聞かせ、やがて少年も立ち直ってゆくというストーリー。
作者の祖父江さんは、右近さんの本を読み、実際に会って話を聞き、これを少年漫画風のタッチで仕上げた。
 6月30日、東京・お茶の水クリスチャンセンターで開かれた出版記念の集いで祖父江さんは、「昭和30年代の日本、右近さんがクリスチャンになる前の人生、クリスチャンになったことで人生にどうインパクトを与えたのか、できるだけリアルに描きたかった」と、作品の意図を語った。
 右近さんは「宣教師が話し出すと周りに多くの人が集まった時代の雰囲気も、(宣教師の)笑顔に感動したのも漫画のとおり。
(この漫画を通して)神様の力がないと何もできないんだなあということを分かっていただければ」と話す。
  両親と早く死に別れた祖父江さんは、好きな絵を武器に食べていこうと志したが、何でもやってやろうとハングリーな生き方をしたすえ荒れた生活に。
絵も挫折し、どん底の中で日曜学校の記憶が呼び覚まされ、教会に行き福音を知った。
右近さんの物語を描くにあたって、そんな自身の気持ちも重なったという。
 新生宣教団総支配人のリーダルさんは「31年間日本で文書伝道をしてきて、しょっちゅう考えたことは、これだけじゃ足らないということ。
ノンクリスチャンが自分で買って感動し、自分もクリスチャンになりたいと思える物を作りたかったが実現しなかった。
(ビジネスマン伝道をしている国際弁護士の)佐々木満男さんから、ある週刊漫画誌が650万冊も出ていると聞いてびっくり。
新生宣教団の次のプロジェクトにするべきだと言われたが、難しい、できないと思っていた。
1年ほどたって神様が心に語って下さり、もしみこころなら解決があるんじゃないか、やるべきだと思うようになった」と経緯を説明した。
 「年間に出される漫画本は、1冊が2センチとして富士山の1万1000倍以上。
最近の(世の中に起こる)悪の現実を見ると、悪い漫画のせいもあるのではないかと思う」とも。
ハーベスト・タイム代表中川健一さんらの賛同を得てマンガプロジェクト推進委員会が発足し、ビジョンを共にするクリスチャン漫画家の発掘を目指して昨年「クリスチャン漫画大賞」を公募した。
 佐々木さんは「青少年は漫画に熱心で、それだけ影響も大きい。
キリスト教というと堅い暗いつまらないと言われるが、漫画はそれを逆転して、柔らかい明るいおもしろいで福音そのものの明るさを伝えられる」。
中川さんは「どんな商品も最初の一つを世に送り出すのが一番大変。
これでマンガプロジェクトは全く新しい段階に入った」と言う。
 年内に第2弾を出し、来年は3か月に1冊の発行を目指す。
同推進委では「活字では肩が凝って読めないというような人に気軽に渡せる伝道ツールとして用いてほしい」と呼びかけ、頒布に協力する「マンガプロジェクトメンバー」を募集している。
問い合わせ=Tel.0492・96・1240、イーブック出版。

首相参拝を事前に止められないのか0107150202

小泉首相が靖国神社参拝を明言したのを受けて小泉首相が8月15日に靖国神社に参拝すると明言したことを受け、クリスチャン新聞の読者から「法律に従って事前に参拝を差し止めることはできないのか」との質問があった。
この疑問に対し、靖国神社国営化反対福音主義キリスト者の集い代表・西川重則氏は次のように説明する。
  法的には差し止めることは難しいだろう。
小泉首相がこれから「公式参拝する」と明言するとは考えにくいからである。
  訴訟をおこす場合、「公的参拝であるか」「私的参拝であるか」が焦点となる。
 そのことは次の3点で判断される。
?公用車を使用しているか?玉ぐし料を公費で出しているか?記帳の肩書を付けているか。
  現実問題として私的か公的か区別するのが難しい。
しかし何もできないわけではない。
首相が国の影を感じさせないほど私人に徹することは、事実上できないのが現状だからである。
いずれにせよ、事前の差し止めはできない。
  しかし、靖国問題の何が問題であるかを考えてほしい。
アジアの視点、靖国神社問題は何であるのか、例えば戦前戦後の歴史の事実とか、現在どのようになってきているのか、そのことを私たちは世論にアピールできる。
ほかにも私たちができることはたくさんある。
訴訟がすべてではないということである。

<北から南から>宮城:星降る夜は、教会に!0107150503

星の見える教会がある。
宮城県鹿島台町にある日本バプテスト同盟鹿島台キリスト教会では教会員を中心に子供からお年寄りまで10数人と、昨年は部分月食を望遠鏡3台と双眼鏡を使って観賞。
今夏は地球に接近する火星を観賞する予定だという。
 昨年4月に同教会に赴任した主任教師、小山勝信さん(64)は幼少のころから星に魅せられてきた。
43歳の時には出身地の気仙沼市で天文研究室を設立し、東亜天文学会会員でもある本格派だ。
小山さんはその趣味を生かして同教会に天文クラブを作った。
  同教会は鹿島台町役場にNPO(非営利民間組織)として登録され、町の広報紙に天文クラブの様子も紹介された。
近所の児童館や幼稚園の要請にも応じて観賞会を行ってきた。
 また、NPOとして地域に開かれた教会を目指しており、近所の会社員、公務員、主婦で作るコーラスグループ「鹿島台混声合唱団」に週1回、練習場として礼拝堂を提供している。
 小山さんは「地域の人々と泣いたり、喜んだりできる生きた開かれた教会を目指したい。
特に子どもたちやお年寄りとコミュニケーションを取りたい」という。
    しかし、一見無駄にみえることが、大切なのだと大沼さんは確信する。
 『星の王子さま』(サン・テグジュぺリ著、内藤濯訳、岩波少年文庫)の一フレーズを紹介してくれた。
「あんたが、あんたのバラをとても大切に思っているのはね、そのバラのために、時間をむだにしたからだよ」