聖書のことばに聴く
「傷んだ葦を折ることもなく、くすぶる灯芯を消すこともなく、真実をもってさばきを執り行う。」 旧約聖書・イザヤ書42章3節
傷んだ葦を折ることはない
「人間は考える葦である」とは十七世紀の哲学者パスカルの有名な言葉です。人間は自然の中で弱い葦のようなものだが、考えるという尊厳を持つ存在であることを表現したものです。 たしかに人は、順調なときには強気でいられても、病気になったり、動けなくなったり、試練にあったりすると、細い葦のように折れてしまいそうになることがあります。
連載 オカリナ牧師のゆるり散歩14
<<全知全能の神が後悔する?>>
日本ナザレン教団鹿児島キリスト教会牧師/オカリナ奏者 久保木 聡
「パパ。そのカレーライス、運ぶ」と当時三歳の娘が夕食をテーブルに運ぼうとするわたしに言ってきました。「う~む、三歳児に一人で運ばせていいのか」と戸惑いつつ、「じゃあ、パパと一緒に運ぼう」と言って、運ぶことに。しかし、運んでいる最中に、娘はぱっと手を放し、ガッシャーン! と器は割れ、破片の混じったカレーライスは食べられなくなってしまいました。
連載 第6回 聖書カメラの捉えた 映画と人生
<<マグノリアの花たち>>
小川政弘 (元ワーナーブラザーズ映画制作室長)
映画では、マリン(サリー・フィールド)と糖尿病を抱えた娘シェルビー(ジュリア・ロバーツ)、美容院を営むトルービーと新しく雇われた敬虔(けいけん)なクリスチャンのアネル、前町長の未亡人クレリー、そして犬が命の未亡人ウィザー(シャーリー・マクレイン)の、それぞれに個性的な女性の生き方と友情を、二人のアカデミー受賞者を含む六人の演技派女優が心憎いまでに演じて飽きさせません。
連載 こころの食卓 ハーティーな英国の暮らし
<<第6回 願いを込めた“チーズ・スコーン”>>
案内人*山形優子フットマン(食エッセイスト・ロンドン在住)
今月はハーティーな食べ物、スコーンです。イチゴジャムとクリーム付きで食べる「クリーム・ティー」は甘党で有名ですが、スコーンの先祖は実はパンの原型。田舎の農場の昼食などではチーズ入りスコーンが、野菜スープやシチューと一緒に日常的に供されます。
連載 再び季節が巡るまで 第4回
<<妻を喪った僕の3年>>
一級建築士 木下滋雄
直子を亡くした直後の僕の心はとてももろくなっていて、普段なら何も感じないようなことに簡単に傷つくようになっていました。例えば、会話の中で冗談めかして「死ぬかと思った」とか「死にそうだった」ということばが使われるのを聞くと、「そんなことで死んだりしない。『死ぬ』ということばを簡単に口にしてほしくない」と思っていました。
ひとそのあしあと
安心して認知症になれる社会が来ることを信じ、前進していきたい…
今月のひと…社会福祉法人呉ハレルヤ会理事長 呉ベタニアホーム統括施設長 里村佳子さん
内閣府の統計では、二〇一七年の時点で六十五歳以上の人口(高齢化率)が二十七%、三〇年には三人に一人が六十五歳になるという。それに伴い急増しているのが認知症だ。広島県呉市にある呉ベタニアホーム統括施設長の里村佳子さんは、そんな認知症の高齢者と二十年以上向き合ってきた。その体験を大学院時代に世話になった教授の勧めでウェブサイト「ニュースソクラ」のコラム「尊厳ある介護」に書きつづってきたが、そのコラムが今年五月、『尊厳ある介護』として岩波書店から出版された。六月二十二日のアマゾンランキング「高齢化社会」の部門では第一位を記録し、大きな反響を呼んでいる。里村さんは、「私はこの本を介護福祉の〝バイブル〟にしたいのです」と語る。
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