聖書のことばに聴く
「キリストは、自由を得させるために私たちを解放してくださいました。ですから、あなたがたは堅く立って、再び奴隷のくびきを負わされないようにしなさい。」新約聖書・ガラテヤ人への手紙 5章1節
束縛から自由になる
旅行ができない、帰省も控えなければならない、友達や仲間と食事をしながらの楽しい語らいもお預け……不自由な生活がこう続くと息が詰まる、という声が聞こえてきます。コロナ禍が長引き、自由がいかに大切なものであるかに改めて気づかされました。
新連載 イエスの名言 それってありなの？ 2
違いを超えて愛せるか
水谷潔(春日井聖書教会 協力牧師 キリスト教性教育研究会 会長)
国際結婚や年の差婚など、国や世代の違いを超えて愛が人を結び付けることは、ご存じの通り。一方で、差別問題や戦争など、内側での強い愛が、違いを超えなければ、外側への敵意や憎悪となっていくのも、また事実。イエス様はそうした残念な社会状況を背景に、あるたとえ話をされました。それがルカの福音書10章25節以下が記す「よきサマリア人のたとえ」です。
聖書カメラの捉えた映画と人生 19「我が道を往く」
小川政弘(元ワーナー・ブラザーズ映画制作室長)
この映画は、一九四四年製作、日本では終戦の翌年一九四六年に公開された上映時間一三〇分のアメリカ映画です。
第十七回アカデミー賞で、その年の最多七部門で受賞。ニューヨークの下町で、四十五年間教会を守ってきた老神父の後任候補として着任した若い神父が、前任者との違いに戸惑いながらも、この地域の人々を愛し、親身になって面倒を見るうち次第に人々にも愛され、老神父に最後の贈り物をして去っていくという、心温まるヒューマンドラマです。（DVDに関する情報は、2021年4月のものです）
新連載 祈りのある風景
<<高校時代の「聖書」との不幸な出会い>>
守部善雅(キリスト教ジャーナリスト)
高校を卒業する時、担任教師に感謝の贈り物をしようということになりました。ホームルームで電気釜がいいだの現金を渡したらどうかなど、生徒の中から様々な意見が飛び交う中、突然、普段はおとなしい中村君が、「聖書を贈りましょう」と叫んだのです。「せいしょ、ですか？」。司会の男子生徒が、皮肉を込めて言葉を返すと、ドッとクラス中に笑いが起こりました。私も笑った一人です。
連載 バイブル・コラム いやしの言の葉 <14>
<<この世にあって最善を尽くす>>
イエス様は十字架にお架かりになる前夜、いわゆる「最後の晩餐」の時ですが、十二人の弟子たちにたくさんのことを話されました。最後の説教とも言われ、このヨハネの福音書では九頁にも及んでいます。まるで遺言のようなのですが、その後で、天の父なる神様に向って語られた言葉の一部が今日の聖書個所です。神様に向けての言葉ですから、「祈り」と言ってよいと思いますが、これも全体で三頁くらいあり、とても長いものです。ここでの「わたし」はイエス様、「あなた」は天の神様で、「彼ら」は私たち人間です。「この世から取り去る」とは、天国に移されることでしょう。イエス様を信じている者の最大の希望の一つは、天国に帰って神様とともに住むことです。イースターはまさに復活の希望であり、それはいずれ、神様が定められた時に起こります。でも、今すぐに、ではないのです。 ここでイエス様が父なる神様に願っていることは、私たちが天国に入ることではなく、今はこの地上にあって「悪い者から守ってくださること」なのです。いわば、私たちを父なる神様の御手に委ねて、私たちがこの地上に留まることを望まれたのです。
ひとそのあしあと
「難病を通じて、天国を望み生きる人生の醍醐味を知った」
今月のひと…看護師・そらいろ訪問看護ステーション管理者 川上静子さん
２月に大阪府堺市南区で訪問看護ステーションを開始した看護師の川上静子さんは「天国」を体験してきた人だ。重症筋無力症全身型という難病で徐々に動けなくなり、やがて心肺停止に陥ったとき、神の手によって天国の光の中に導かれたのがわかった。蘇生して後、「私の信じている神様は、本当に死ぬときにしっかりと迎えに来てくださり、天国まで引き上げていってくださる方。死ぬときは怖くない。死は絶望ではなく、天国に戻れるもっとも喜ばしい入口なのだ」と確信した。奇跡の回復を遂げた今、世界中の人々にキリストの愛を知ってほしいと、日本のみならずアフリカでもその体験を伝えて感動を呼んでいる。
