聖書のことばに聴く
だれに対しても悪に悪を返さず、すべての人が良いと思うことを行うように心がけなさい。自分に関することについては、できる限り、すべての人と平和を保ちなさい。新約聖書・ローマ人への手紙12章17〜18節
パレスチナ・ガザ地区を支配する武装組織ハマスのロケット弾攻撃に端を発したイスラエルとハマスの戦闘激化から一年。停戦の交渉は難航し、かえって憎しみと報復の応酬が周辺国にまで拡大しています。だれもが願う平和への道筋はなんと複雑で難しいことでしょうか。
連載 聖書は知恵の宝庫
第19回 幸せは憧れの「青い鳥」に?
立川福音自由教会牧師 高橋秀典
ベルギーの詩人メーテルリンクが一九〇七年に発表した戯曲「青い鳥」は、ノーベル文学賞を受賞するほどに高い評価を受けました。チルチルとミチルは、いつも近所のお金持ちの家に憧れて暮らしていましたが、見知らぬおばあさんから、孫娘の癒やしのために「青い鳥」を捜してほしいと頼まれます。その際、ダイヤモンドのついた帽子を渡され、それによって見知らぬ不思議な国に次々と移動できました。でも青い鳥は見つけられたものの、手に入れることはできませんでした。
連載 物語とキリスト教 深掘り・世界の名作文学
Vol.7 「赤と黒」
小松原宏子(児童文学作家・翻訳家)
製材小屋の息子ジュリアン・ソレルは、そのひ弱さゆえに、父親や兄たちから虐待されて育ちます。しかし、彼にはとびぬけた美貌(びぼう)と記憶力がありました。ラテン語の聖書を隅から隅まで暗記していたジュリアンは、それだけで町長レーナル氏の信頼を勝ち得、子どもたちの家庭教師として破格の報酬で迎え入れられます。しかしジュリアンは同時に出世へのあくなき野望も持っていました。生まれながらにして恵まれているブルジョア階級を憎みながらも、自分もその一員になりたいという矛盾した激しい欲望があったのです。
連載 北欧のテーブル
その19 素晴らしい器に作り替える陶器師
ヨシムラ・パイヴィ(日本福音ルーテル スオミ・キリスト教会宣教師)
カルヤラン・ピーラッカは、フィンランドの東にあるカレリアという地方から始まった食べ物です。第二次大戦でカレリア地方の一部はソ連に取られたので、そこに住んでいた人々はフィンランドの各地に移住しました。それで、カルヤラン・ピーラッカは全国に広がりました。
連載 中動態? 心に寄りそう聖書のメッセージ
7.手を差し伸べるイエス
中村穣(飯能の山キリスト教会牧師)
ペテロは、自分だけ水の上を歩いてイエスのところに行こうとしましたが、結局途中でおぼれてしまいます。自己中心的な行動をしているペテロ。私なら、あきれて見放してしまうかもしれません。でも、イエスはすぐに手をのばし、ペテロをつかみました。「イエスはすぐに手を伸ばし、彼ペテロをつかんで言われた。『信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか。』」(新約聖書・マタイの福音書14章31節)
ひとそのあしあと
未来を見据えた新しい教育を展開
「STUDY SPACE楽園」代表 伊藤 直之 さん
日本の子どもの精神的幸福度は、先進三八か国中、三七位だと、二〇二〇年にユニセフが発表した。同年厚労省は日本の十五歳から三九歳の自殺率がG7の中でも上位に入ると報告。二三年、文科省が発表した小中不登校児童数は、過去最多の二九万九千人を超えた。この状況に一石を投じたいと、大阪府枚方市のフリースクール事業「STUDY SPACE楽園」代表の伊藤直之さんは、二〇年後の未来を見据えた新しい教育を提唱、展開している。