聖書のことばに聴く
「しかし主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。わたしの力は弱さのうちに完全に現れるからである」と言われました。ですから私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。……私が弱いときにこそ、私は強いのです。」 (新約聖書・コリント人への手紙第二 12章9、10節)
弱さを誇っていい
あなたは強い人ですか、弱い人ですか。社会一般では、強いことが賞賛され、弱いことには否定的なニュアンスがつきまといます。いわく、弱虫、弱点、ひ弱、意志が弱い、等々。ところが、この手紙を書いた人物は「自分の弱さを誇りましょう」と言うのです。一体どういうことでしょうか。
連載 イエスの名言 それってありなの? 23
受けるよりも与える方が
水谷潔(春日井聖書教会 協力牧師 キリスト教性教育研究会 会長)
電車やバスで、誰かに席を譲ったこと、あるいは、譲ってもらったことがあるでしょうか。その時の気持ちを思い出しながら、考えてください。席を譲った人と譲られた人では、どちらが幸せなのでしょう? ある心理学者がテレビで語っていたのですが、席を譲った人は、譲ってもらった人の三倍の幸福感を得るのだそうです。席に座る権利を与えた人のほうが、もらった人より幸福なのです。
名画で読む聖書の世界 最終回「最後の審判」
町田俊之(バイブル・アンド・アートミニストリーズ 代表 富士見聖書教会 牧師 )
ここに、人類史上最大のスケールで描かれたミケランジェロによる「最後の審判」があります。約四〇〇人の人物がひしめき合いながら登場する絵画のテーマは、これまで歩んできた全人類が直面する歴史上の最終局面であり、再びこの地上にやって来られるイエス・キリストによって、正しい計りに基づいて裁かれる場面です。
連載 子どもに教えて気がついた「漢字の向こうに聖書が見える」
第11回 友 創造主で、さばき主でもちたくにいてくれる
ブラッシュ 木綿子(翻訳・編集者)
今月の漢字は友です。ふたりの片手を横から見た形で、ふたりの人が手を取り合って助け合うことから「とも、仲間」の意味になりました。第一画と第二画(一とノ)を左手、第三画と第四画(又)を右手とする説と、両方とも右手とする説があります。握手する仲が友達ですから、両方右手もうなずけるのですが、書き順からすると左手なのかなと思います。
連載 バイブル・コラム いやしの言の葉 <35>
<訓練によって鍛えられる者>
私の通っております教会の牧師が、日曜日の礼拝で「神は人を鍛えられる」という説教をしました。特に教えられたのは、そのあとに続いた言葉で、「それは神が人を愛しておられるからだ」という視点でした。私たちは神様からさまざまな「訓練」を受けます。「試練」「苦境」「苦しいこと」「不都合なこと」「できれば避けたいこと」などと言い換えることもできるでしょうか。
ひとそのあしあと
「聖なる光」と、五感以上のものに満たされる礼拝堂を目ざして
建築家 田淵 諭さん
礼拝堂に入ると、意識するにせよ、しないにせよ、日常とは違った空間を体験する。開放的な明るい空間、ぎゅっと凝縮された静ひつな空間…。スタイルはまちまちだが、教会建築は他の建築とは異なった独特の土台と目的でつくられている。数多くの教会建築を手掛けてきた建築家の田淵諭さんは「教会堂は、食堂でも、講演会場でもない。聖書の言葉が語られ、聖礼典(サクラメント)が執行される場。聖なる空間を感じさせるしつらいが重要」と話す。長年教鞭をとった多摩美術大学を退職するのを前に、田淵さんは自身の仕事を回顧し、教会建築の魅力と要点を語った。