クリスチャン新聞福音版2025年6月号

聖書のことばに聴く

 愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません。礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、苛立たず、人がした悪を心に留めず、不正を喜ばずに、真理を喜びます。すべてを耐え、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを忍びます。 新約聖書・コリント人への手紙 第一13章4〜7節

 「愛は寛容であり、愛は親切です」|キリスト教の結婚式でよく朗読されるフレーズです。新郎新婦に牧師が贈るメッセージで聖書から引用される定番の言葉として知られています。天にも上る心地の二人には、美しい理想のように聞こえるでしょう。でもよく読むと、実践するのは簡単ではなさそうです。相手を「愛してる」と気持ちが高揚しているうちは、自分にはできると思えても、実行したか真価が問われるのは年月を重ねてからです。

クリスチャン新聞福音版2025年6月号

新連載 聖書エッセイ 私もこれで悩んでます
《3》愛≠好き

更正教会牧師 山口紀子
 私は父が嫌いでした。言葉かけやスキンシップで愛を表すタイプではなかったし、子どもの機嫌などとらない人でした。楽しくテレビを観(み)ていても、父が来れば有無を言わさずニュースに替えられます。この番組を観ておかないと、明日学校で友だちと話が合わないと訴えても全く動じません。私にとって父とは怖いもの、目の上のタンコブだったのです。

連載 物語とキリスト教 深掘り・世界の名作文学
Vol.15 「大地」

小松原宏子(児童文学作家・翻訳家)
 極貧の百姓、王龍(ワンロン)は、老父を養うだけで精一杯の生活をしていましたが、地元の富豪、黄(ホワン)家でいらなくなった女奴隷、阿蘭(アーラン)をもらいうけることで、結婚できることになります。阿蘭は無口で無表情で不器量な女でした。それでも王龍は、家事を自分でしなくてよくなることを喜び、祠(ほこら)の土の神に感謝を捧げます。

クリスチャン新聞福音版2025年6月号

新連載 小さな命の帰る家 
第3回 もう元の生活には戻れない

松原宏樹(小さな命の帰る家 代表)
 それは、関東出張中のことでした。道で突然携帯が鳴りだし、消え入るような声で「助けてください」。あるお母さんからの連絡でした。路上でしたので、その夜あらためて連絡をいただくと、「染色体異常がある重度身体障がいの赤ちゃんを産んだ。育てることができないし、病院にも行けない」。二十四時間医療ケアの必要な赤ちゃん、「医療ケア児」であることは、すぐにわかりました。

連載 中動態? 心に寄りそう聖書のメッセージ 
15 答えを持たない幸い

中村穣(飯能の山キリスト教会牧師)
「キリストの平和が、あなたがたの心を支配するようにしなさい。……感謝の心を持つ人になりなさい。」(新約聖書・コロサイ人への手紙3章15節、太字著者) 先日、二重の感謝がありました。一つは、思ってもいないところからうれしいニュースが届いたことです。私にはLGBTの友人がいます。彼女は最初に会った時、牧師の私に「牧師は嫌いなの」と言っていました。でも面白いことに、それからずっと関係は続いています。私が心がけてきたことは、彼女の前では弁解をしない、自分の立場を捨てて、相手に寄り添うという姿勢でした。

クリスチャン新聞福音版2025年6月号

ひとそのあしあと

死を見つめることで、今をどう生きるか 何を大切にするかという視点が得られる。

株式会社ライフワークス代表取締役 野田 和裕さん
「人は死を意識することで、かえって人生が輝きを増し、全力で自分らしく生きることができるのです…」。これまでのべ4千人の葬儀をサポートし、様々な死を見つめてきたキリスト教葬儀社、株式会社ライフワークス代表取締役の野田和裕さんの言葉だ。野田さんは四月に『ビジネスに活かす聖書の知恵』(さくら舎、以下『聖書の知恵』)、『人生を全力で生き抜くためのDEATH MIND─デスマインド─』(ぱる出版、以下『デスマインド』)という二冊の本を出版。ビジネスで得た知見を、本を通して発信する。

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