クリスチャン新聞福音版2025年7月号

聖書のことばに聴く

 「あなたは、兄弟の目にあるちりは見えるのに、自分の目にある梁(はり)には、なぜ気がつかないのですか。兄弟に向かって、『あなたの目からちりを取り除かせてください』と、どうして言うのですか。見なさい。自分の目には梁があるではありませんか。偽善者よ……」 新約聖書・マタイの福音書7章3〜5節

 高速道路を逆走して衝突する事故が相次いでいます。運転者は逆走に気づいていないようです。自分は正しい道を進んでいると思い込み、対向車のほうが間違っているのだと見えていたことでしょう。似たようなことは日常の中でしばしば起きます。他人の問題は細いことまで気になるのに、自分が大きな間違いを犯していることには自覚がなく、相手を正そうとする……それは偽善だとイエスは言うのです。

クリスチャン新聞福音版2025年7月号

連載 聖書エッセイ 私もこれで悩んでます
《4》聞くことば・聞かぬことば

更正教会牧師 山口紀子
 「傾聴」を初めに提唱したのは20世紀の心理学者だそうです。今では様々な分野で傾聴の大切さが説かれていて、それは牧師を養成する神学校でも同じです。私も、これから向き合う人たちに気の利いたことを言う自信はないけれど、せめて話は誠実に聞こうと思いました。ところが、これが難しい。聞きながらそれに対して何と答えようかとそちらを考え始めてしまうのです。そうかと思うと一方では、聞き終わって独りになった後でもその話が頭の中をいつまでもグルグル回り続けることがあります。中でも悲しみ、苦しみ…特に怒りや憤りの言葉をぶつけられた後は、頭からその言葉がなかなか離れません。

連載 物語とキリスト教 深掘り・世界の名作文学
Vol.16 「すばらしい新世界」

小松原宏子(児童文学作家・翻訳家)
 時は“フォード紀元”六三二年。未来社会においては、安価な自動車を大量生産したフォードが創造主のようにあがめられています。この時代、大量生産されているのは自動車よりも人間です。「中央ロンドン人口孵化(ふか)・条件反射育成所」の中では、壜(びん)の中のひとつの卵子から人工的に九十六人の同じ人間が生産されます。そのあとの人生はすべてプログラミングされ、「生産」前からいくつかの階級に分けられ、職業も決定されています。

クリスチャン新聞福音版2025年7月号

連載 小さな命の帰る家 
第4回 愛とは相手を支える技術です

松原宏樹(小さな命の帰る家 代表)
 障がいのある子どもの子育ては、大変です。ダウン症の大和(やまと)は、発達障がいがあり、六歳ですが言語社会性は十一か月、歩くのも座るのも、排尿排便も介助が必要です。特に私を困らせたのが、最初は分からなかった睡眠障がいです。やっと眠ったかと思えばすぐ覚醒し、一度目を覚ますと二、三時間必死で遊びます。育児本、ネット検索、すべてを試しましたがダメなのです。毎日夜中に寝ない大和を抱っこして、ふと気が付くと夜が明ける毎日でした。

連載 中動態? 心に寄りそう聖書のメッセージ 
16 パンだけではない人生

中村穣(飯能の山キリスト教会牧師)
 私はカウンセラーとして、いろいろな方のお話を聞くなかで、「自分で自分を定義しない」ことを勧めるようにしています。自分はうまく何もできないから価値がないと思って自己嫌悪になったとします。でも、何かできるから人間に価値があるわけではないと聖書は教えます。神さまがあなたを創造したから価値があるというのです。その「存在を認める愛」を受ける努力をセッションの中でしています。

クリスチャン新聞福音版2025年7月号

ひとそのあしあと

日常にあふれる「愛の証拠」に支えられ

ゴスペルシンガー レーナ・マリアさん
 スウェーデン出身で澄んた美しい声が魅力のゴスペルシンガー、レーナ・マリアさん。両腕がなく、左足も未発達という先天的な障害の持ち主だが、挑戦心あふれる生き方は、世界で感銘を与えている。日本では三十四年前、テレビ番組への出演で広く知られるように。くったくのない笑顔、喜びを全身で表現し賛美する姿は、当時の視聴者に「障害」へのイメージを覆すほどの衝撃を与えた。今春、レーナさんは日本ツアーを開催。ステージから、変わらぬ神の希望を届けてくれた。

クリスチャン新聞福音版2025年7月号

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