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遊びではなく、中高などで野球を経験した人なら、ボールを打った時の音が守備の初動にどれほど大事か経験していることだろう。耳が聞こえずに野球をする怖さは想像するに余りある。

韓国に実在する忠州ソンシム学校は、実在する聴覚障害を持つ人たちの学校。ここの高等部の野球部チームは、韓国の高校野球全国大会「鳳凰杯」(日本の甲子園大会に相当する)への出場資格を持っている。全国ろうあ人野球大会での優勝経験はあるが、まだ「鳳凰杯」大会では1勝もしていない。その実話をベースに、’夢’や’希望’を諦めことの大切さ、聖書にある「希望は失望に終わることはない」というメッセージが届いてくる物語だ。

中学野球で天才ピッチャーと注目されていたミョンジェ(チャン・ギボム)は、試合中に突発性難聴に襲われ、音が消えた生活を送らなければならなくなった。ソンシム学校高等部へ進学したものの、野球は一切せず、授業もずる休みしてゲームセンターで時間をつぶす有様。そのゲームセンターで、他校の高校生らに絡まれ、男子生徒ら3人を殴り倒す事件を起こし警察に4人とも補導され事情聴取される。

そこへ、プロリーグで最優秀投手賞に3年連続輝いたスター選手のキム・サンナム(チョン・ジェヨン)がソンシム学校野球部の担当教師らと警察にやってきた。投手として陰りが見えてきたサンナムは、荒れた気分で酒に酔い暴力事件を起こして警察に捕まった。マスコミに漏れるのを避けようと尽力したマネージャーのチョルス(チョ・ジンウン)の甲斐なく表沙汰になり、懲罰委員会で諮られることになった。

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少しでも、状況を良くしよとソンシム学校高等部の野球部監督してボランティア活動を買って出る形でチョルスのいうがままやってきたサンナム。部員たちの練習を見て、気が進まなかった上に更にやる気も失いヤケ気味な気分だった。 だが、何度か事件を起こしているサンナムにとっては、懲罰委員会の印象を良くする必要はあり、しぶしぶやっていると、チームでたった一人の投手がデッドボールを顔面に受け、退部してしまった。そこでサンナムは、ミョンジェをもう一度野球をやろうと説得する。

本心は野球をやりたいミョンジェは、難聴の障害者になったことを受け入れられない母親を説得し部員になる決心をする。だが、本格的に野球をやった経験を持つミョンジェは、守備につくバックやキャッチャーのサインを無視し、自分の判断とピッチングで試合を進めようとする。そんなミョンジェに、サンナムは全国大会4位の強豪クンサン高校との練習試合を組み、ピッチャー1人では、試合に勝てないことを嫌というほど思い知らせる。そして部員たちにも、仲よしチームではなく、誰も信用せずにただプレーと連携に集中することからチームプレーが生まれることを諭す。そして、互いに耳は聞こえなくとも、心に届くように声を出して叫べと。

練習試合から数カ月たち、「鳳凰杯」大会初戦の相手はクンサン高校との対戦になった。。。

監督:カン・ウソク 2011年/韓国/144分/原題:G-LOVE 配給:CJ Entertainment Japan 8月27日(土)よりシネマート新宿、銀座シネパトスほか全国ロードショー。

公式サイト http://homerun-movie.com