聖俗間で葛藤の若き司祭描く 映画「田舎司祭の日記」6月4日から全国公開

© 1950 STUDIOCANAL

「抵抗(「レジスタンス)死刑囚の手記より」「スリ」など数々の名作を生み出したロベール・ブレッソン監督の作品「田舎司祭の日記」が、製作から70年を経て4Kデジタル・リマスター版で日本公開される。原作はジョルジュ・ベルナノス、出演はクロード・レデュ、アンドレ・ギベールほか。
北フランスの寒村に赴任してきた若い司祭。彼は病に冒されながらも、日々の経験や信仰を日記に書き、村人たちの悩みを聞き、布教と善行に努める。だが、彼の生真面目さは村人の反感を買い、次第に孤立していく。ある有力者の家族の対応をするが、それもまた周囲の誤解を生む。自分を責め、神にも祈れなくなる。やがて、病が悪化し村を離れることに。聖と俗の間で葛藤し苦悩する姿を、淡々と描いた作品だ。ブレッソン監督は、あえて職業俳優を排して素人を起用。音楽やカメラの動きなど「演出」を極力そぎ落とす手法で描いている。この作品は、ブレッソン監督自らが主人公の悲劇的な生涯をキリストの生涯に置き換え、信仰告白した作品とも言われている。

6月4日より、新宿シネマカリテほか全国順次公開。提供:マーメイドフィルム、配給:コピアポア・フィルム。公式ホームページURL https://inakashisai2021.jp/

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