映画「君といた108日」ーーなぜ神は祈りに応えてくれない…それでも僕は神を信じている
2002年にメジャーレーベルでの初アルバム「Stay」が全米ビルボードアルバムチャートのゴールドレコードを受賞し、メジャーデビュー以降4度のゴールドレコードを獲得し現在も精力的に音楽シーンで活躍するクリスチャンのシンガーソングライター、ジェレミー・キャンプ。彼の代表作の一つ「I Still Believe」誕生の事実をモチーフに、最初の妻メリッサとの4カ月ほどの結婚生活にまつわる半生を描いたラブストーリー。「自分の経験を通してだれか一人でも救われたら、生きている甲斐がある」と願っていたメリッサの願いと希望に励まされたジェレミーが、クリスチャンシンガーとして伝えたいスピリットが伝わってくる。
一目でメリッサに心を
奪われたジェレミー
1999年9月、音楽好きなジェレミー(K・J・アパ)はインディアナ州ラファイエット市の実家を離れてカルフォルニア州のカルバリーチャペル大学に入学した。大学のイベントでクリチャンロックバンドTHE KRYのライブに出かけ、ボーカルのジャン=リュック(ネイサン・パーソンズ)に挨拶するとギターのチューニングを任された。舞台袖から客席のメリッサ(ブリット・ロバートソン)を見かけ釘付けになり、積極的にデートを申し入れるジェレミー。音楽好きのメリッサも一度だけの約束で、最初のデートはプラネタリウム。宇宙の神秘さが好きなことや自分の生きている使命について語るメリッサとの打ち解けた会話に心も魅入られていくジェレミー。
二人はデートを重ねていくがメリッサに何か隠している雰囲気があり、ふとしたことから喧嘩したまま、別々にクリスマスを実家で過ごす。二人の共通の知り合いから「メリッサが入院した」とジェレミーに知らせる電話が届いた。イリノイ州のラファイエットからカルフォルニア州へ雪の中を車で駆けつけるジェレミー。メリッサは、ガンの治療をしてることを彼に打ち明けずにいた。それでもジェレミーは、彼女と一緒に生きていきたい思いは変わらず、プロポーズする。
ジェレミーの家族は驚き戸惑うが、彼の決心が固いことを受け入れ、母親のテリー(シャナイア・トゥエイン)は自分が結婚するときに夫トム(ゲイリー・シニーズ)の母親から譲り受けた指輪をジェレミーに渡して祝福する。メリッサと婚約したジェレミーは、プロのシンガーとして歩み出していた。ラジオで彼女の手術が近いこと、癒されるよう祈って欲しいとアピールするとラジオ局に届くたくさんの祈りと応援の手紙が届けられた。メリッサ自身と家族、そしてジェレミーと家族の篤い信仰と祈りも届いて、手術直前にガンが消えていることが分かり中断された。奇跡的に癒されたメリッサをライブ会場で聴衆に報告し、神に感謝するジェレミー。半年後、二人は結婚式を上げた。だが、結婚式後、メリッサの体調が急変する…。
深い喪失感に陥るジェレミー…
妻メリッサの日記に力付けられ
深い喪失感の中でジェレミーは、父のトムに訪ねる。弟がハンディキャップを背負って生まれてきたこと、長年、牧師として献身者の人生を歩みたいと祈り続けているのに「なぜ神は祈りに答えてくれないのか」と問いかける。その父子の真摯な対話が心に響いてくる。
歌う力が湧いてこないジェレミーだが、メリッサの手紙が見つかり改めて彼女の信仰に触れ、伝えたい真実の言葉が歌になっていく。その後の活動は、4度のゴールデンディスク受賞など実力と人気をもつ歌手として活躍している。現在の妻エイドリアンとともにライブでメリッサの人生を二人で語り続けている。監督のアンドリュー・アーウィンは、エイドリアンが、メリッサの人生の物語に自分の人生が変えられたことを大切に思っていると答えたことに感動したという。ジェレミー、メリッサ、エイドリアンの三人が、神へのラブソングに込めて愛と希望の信仰を語り歌い続けている。【遠山清一】
監督:ジョン&アンドリュー・アーウィン兄弟 2020年/116分/アメリカ/原題:I Still Believe 配給:イオンエンターテイメント 2021年12月31日[金]よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー。
公式サイト https://kimitoita108days.com
公式Twitter https://twitter.com/108days_movie