【インタビュー】少数派からの和解の視点 世界福音同盟新総主事 マンスール氏

世界福音同盟(WEA)総主事に任命されたナザレ出身アラブ系のボトルス・マンスール氏に、本紙提携の米国誌クリスチャニティトゥデイ(CT)が、インタビューをし、8月26日に同電子版で公開した。マンスール氏は同誌で、アラビア語翻訳などをしてきた。和解の取り組み、福音派、クリスチャン、アラブ人、パレスチナ人、という時に「相矛盾」する「少数派」のアイデンティティーが、国家間、民族間での争いがある現代世界でいかに生かされるか。生い立ちとともにビジョンを語る。

ナザレのバプテスト教徒が世界中の福音派を団結させる計画

アンジェラ・ルー・フルトンによるインタビュー

世界福音同盟の新総主事ボトルス・マンスール氏との質疑応答。

画像提供:ボトラス・マンスール

世界福音同盟(WEA)は先週、ボトラス・マンスール氏を同組織の新総主事兼CEOに任命した。WEAは6億人の福音派を代表する国家および地域連合からなる国際組織であり、アラブ系キリスト教徒が同組織のリーダーとなるのは今回が初めてである。

このポストは、昨年3月にトーマス・シルマッハー前総主事が健康上の理由で辞任して以来、空席となっていた。WEAの副総主事であるペイロン・リン氏は4月、CTに対し、戦争や政治的分裂の中で世界中の福音派を団結させることができる指導者を求めていると語った。一方、WEAは「神学上の曖昧さ」や主流派プロテスタントおよびカトリックとの連携について批判に直面している。

弁護士資格を持つマンスール氏は、ナザレ・バプテスト学校の運営責任者、ナザレの地元バプテスト教会の長老兼共同創設者、そしてCTのアラビア語翻訳を務めている。また、イスラエル福音派教会協議会、ヨルダン・聖地福音派協議会連合、イスラエルのキリスト教学校、アドボケーツ・インターナショナル、イスラエル・パレスチナ和解のためのローザンヌ・イニシアチブなど、教会や教会関連団体でも指導的立場を歴任した。

イスラエルのナザレに妻と3人の成人した子どもたちと暮らすマンスール氏は、イスラエル系アラブ人福音主義者としての生い立ち――彼自身は「少数派の中の少数派」と表現する――が、分断の時代にこの新たな役割を担うために必要な経験を積ませてくれたと信じている。マンスール氏は10月に開催されるWEA総会で正式に就任する予定だ。

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