キリスト者流に「新しい年を神に感謝する」 勝本正實(日本聖契キリスト教団 元牧師)教会で過ごす年越・お正月 3人に聞く①

特集「3人に聞く」今回のテーマは「教会で過ごす年越・お正月」。勝本正實(日本聖契基督教団 元牧師)に聞く。

キリスト者流に「新しい年を神に感謝する」

【日本人にとっての初詣の意味】
 日本の代表的な「年間行事」のうち、正月とお盆行事は、最も大切にされてきた伝統です。今、これらが徐々に簡素化されています。特に都市部の核家族や単身や高齢世帯において顕著ですが、それは生活スタイルの変化というだけではなく、霊的な存在についての関心も薄れていることにも由(よ)ります。もともと正月とお盆は、「先祖の霊」(年神)を家に迎える「魂祭り」を意味していました。のちに、正月は神道色に、お盆は仏教色に彩られていきますが、もともと素朴な「自然宗教」としての大切な二大行事でした。亡くなった方も含めて家族こそ大切な絆(きずな)として祀(まつ)られていました。


 正月は、家族として先祖を迎えて家庭で祀り、そののち近所の氏神様に新年の初詣をしてきました。特に家長が氏神様を祀った神社に大晦日の夜から元日の朝まで泊まり込み、新年の豊作や家内安全を祈願する、「年籠り」の習慣がありました。家から離れた場所にある神社・仏閣に、正月の三が日に初詣に行くようになったのは平安時代以降であり、国が統一された江戸時代で拡大し、「恵方参り」と呼ばれる吉の方向にある神社に参ることや、「七福神巡り」と呼ばれる縁起を担ぐ参拝も定着していきます。明治になって交通網が発達したことで、参拝の範囲は一層拡大しました。

(次ページで、正月祝いをクリスチャンがどう過ごすか、注意点とともに語ります)