「既存宗教も足元固めて」　統一協会問題対策・回復支援求め声明　霊感商法対策弁連

旧統一協会（世界平和統一家庭連合）問題に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会（弁連）の東京集会が9月16日に都内でオンライン配信を交えて開かれ、被害実態の報告とともに、具体的な対策、課題が共有された。

弁連は、安倍元首相銃撃事件を受けて、相談件数の増加や、社会的な注目が集まる中、各方面に向けた要求を含む声明を同日発表した。

旧統一協会に向けては、本人の信仰の自由を侵害する「正体隠し」の勧誘の是正、損害賠償、資金などの記録の透明化、子どもへの信仰継承の是正を求めた。

各省庁・教育機関などに向けては、旧統一協会の解散請求、カルト対策、「二世」問題への施策、カルト救済団体へのサポートなどを求めた。

あわせて旧統一協会信徒らに向けた「私たちはサタンではありません…」で始まる呼びかけの文書も発表し、相談窓口を紹介した。

弁連の弁護士からは被害実態や動向、勧誘手法が解説・報告された。元信者からは勧誘の実態、脱会後のトラウマや生活再建の課題が話された。また脱会者で、教祖文鮮明の息子らなどからも内情が話された。相談を受けている牧師からは、「二世」を取り巻く実情と幅広い対策・ケアの必要も語られた。

フランスの反セクト法の解説に加え、政治と旧統一協会のかかわりについても、研究者、ジャーナリストから解説、報告があった。旧統一協会に協力した聖職者らについても言及された。

質疑応答の中では、消費者契約法など法制整備の動向、解散の実現性などが議論されたほか、既存宗教について、スピリチュアルニーズへの対応や、宗教法人法の今後の在り方への理解などの課題が上げられた。