河野 優 石神井福音教会協力教師 前日本同盟基督教団法人事務主事

教会を法律に合わせるのではなく

「教会の敷地に牧師の車を常時駐車していたら、駐車面積分のみ固定資産税が課税になると言われた」。これは固定資産税の非課税手続をしていた教会から受けた報告である。牧師やその家族が所有する車を教会の敷地内に駐車することは、さほど珍しいことではないだろう。そのことで固定資産税が課税されるとは、それまで私は聞いたことがなかった。この事例では丁寧に説明をすることで全面的に非課税と判断されたが、どこでもあり得るような事例と感じたので、ここに紹介し、ともに考えてみたいと思う。

概略は次のとおり。教会の土地建物に関する固定資産税の非課税手続で行政担当者が現地調査に来た。担当者は教会の駐車スペースにとめてある1台の車両を見て、「申請書類では来会される信徒用の駐車スペースとあったが、車両の所有者と使用状況はどうなっているか」と質問した。教会側は牧師の所有でプライベートと教会活動のために使用しており、常時駐車している旨答えた。担当者は、「牧師個人が使用する車を常時教会の駐車場に駐車することは『牧師による境内地の私的な使用』に当たり、専ら本来の用に供しているとは認められず、車両1台分の面積分のみ固定資産税が課税となる」と語った。

さて、あなたが申請者である教会の立場にあったら、どうするだろうか。私の場合、宗教法人実務にかかわる前であれば仕方ないと受け入れていたかもしれない。というのも、役所の判断は正しく、車1台分の敷地の固定資産税であれば税額もたかが知れているだろうし仕方がないと思うからだ。

今回の事例で問題となったと思われるポイントは、申請時の説明と現況の相違、牧師館が会堂と別の場所にあったこと、車両の所有者が教会ではなく個人であったこと、当該車両を「常時」駐車していたことなどがあげられる。これらの点をふまえて、担当者にあくまで非課税を主張するとしたら、どのような説明をすればよいだろうか。

おもに考えられるのは、、、、、

2023年07月02日号 03面掲載記事)

 

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