「6月と7月はウクライナにとって怒涛のような2か月でした」ウクライナ船越宣教師報告2023年7月19日

クライナの船越真人宣教師から現地の情報が7月19日、さらに編集部あて寄せられた。一部編集して掲載する。

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いつもウクライナのために、そしてオデッサ宣教の前進のためにお祈りくださり、ご支援くださっていることに心から感謝いたします。

6月と7月はウクライナにとって怒涛のような2か月でした。6月5日にカホフカ・ダムが爆破され、決壊し、未曾有の大災害が起こりました。下流のヘルソンは浸水し、多くの人々が住まいを失い、命を失った人々も少なくありませんでした。現在、水かさは減りましたが、ヘルソンにはいまだにロシア軍による激しい砲撃が続いており、安定的に復旧作業に入ることができない状態が続いています。

カホフカ・ダムの決壊が起こったと同じ週に、ウクライナ軍による本格的な反転攻勢が始まりました。これは、ウクライナの領土からロシア軍を自国領に押し返すための作戦で、この作戦が成功するかどうかでウクライナという国家の今後の命運が決まる重大な作戦です。この作戦は現在も進行中です。西側から供与されている兵器に(種類、量ともに)限りがあるため、ウクライナにはかなり不利な条件の中での作戦遂行となっており、当初期待されていたようなテンポでは進んでいませんが、ウクライナは一歩一歩着実に前進を続けていると見られています。

この作戦に関連して、ロシア本土とクリミア半島をつなぐクリミア大橋が7月17日に爆撃されました。国際社会の大方はクリミア半島がウクライナ固有の領土であると認識しており、クリミア半島はロシアによって不法に占拠された占領地であり、したがって、クリミア大橋は「違法建造物」であり、しかもその違法建造物を通ってどんどんと兵器がロシア本土からクリミア半島に搬送され、それを使った無差別攻撃でウクライナの民間人たちが犠牲になっている。爆撃はその経路を絶つためための措置である、ということなのですが、プーチン氏はこの爆撃を「許されざる残忍で非人道的なテロ」と呼び、その報復措置として7月18日と19日の夜間にオデッサに向けて合計20発のカリブル巡航ミサイル(全長約7m)と55機の自爆型ドローン・シャヘド(全長約3.5m)を発射しました。発射されたミサイルとドローンはほぼすべてが迎撃されたと報道されていますが、すさまじい爆発音(迎撃音)が町中に響き渡る恐怖の夜となりました。

そんな中ですが、日中はHOPEサマーが続けられています。
6月27日から30日はマリフカ村で小学低学年の子供たちのためにHOPEサマー1週目(夜の宿泊なしのキャンプ)を行い、7月4日から7日まではマリフカ村で2週目(高学年のためのキャンプ)を行いました。特に7月6日はザポリージャ原発で「事故(と称したテロ行為)」が起こる可能性があると言われていたため、オデッサよりも150kmザポリージャに近いマリフカ村に滞在することに対する奉仕者たち(オデッサ教会からの12名の兄姉たち)の不安や迷いもあったと思いますが、彼らはみなマリフカ村に最後までとどまってキャンプをまっとうしました。そして、現在に至るまで原発での「事故」が起こっていないことを主に感謝し、みなさまのお祈りに心から感謝いています。

7月11日から14日まではマリフカ村の隣村のイングルカ村でキャンプを行い、毎日80名近い子供たちが参加し、本当に素晴らしいキャンプとなりました。
18日から21日まではオデッサ教会で小学低学年の子供たちのためのキャンプが行われており、約40名が集っています。
25日から28日までは小学高学年のためのキャンプを行います。
これら一つ一つの働きを通して集っている子供たちがイエス・キリストの愛に触れられることができるように、続けて祝福をお祈りください。

HOPEニコラエフの働きも継続中です。この働きを通してマリフカ村とイングルカ村で聖書学びスモールグループが始まりました。オデッサ教会からジェーニャ兄、サーシャ兄、ディマ兄が参加し、それらのグループを導いています。

HOPEオデッサも継続中です。

HOPEソルジャーズでは、従来の前線の兵士たちへの救命道具の提供とともに、オデッサの病院で治療を受けている負傷兵たちへの訪問を始めました。この働きの祝福と発展のためにお祈りください。
また、ヘルソン(チェルノバイフカ)教会が主導している「破壊されたヘルソンの家を修復するプロジェクト」にオデッサ教会も参加していきます。このプロジェクトが祝福され、用いられるように、ぜひお祈りください。

勇貴は6月26日にオデッサに到着、活躍しています。オデッサ教会での働き(ユースの働き、8月6日の礼拝での説教、7日から11日までのEnglishキャンプのリード、14日から18日までのファイナル・キャンプのリード)、またHOPEプロジェクトのさまざまな分野で活動しています。お祈りに心から感謝いたします。

反転攻勢における戦況は厳しく、ウクライナ軍、ロシア軍両方に多大な犠牲が出ています。それに伴い、私たちの周囲でも徴兵委員会に出頭するように命じられる男性が増えてきています。
また、クリミア大橋爆撃以来、ロシアの上下両議員たちの間でオデッサを本腰を入れて制圧するべきだという声が高くなっています。そのような中での連日のミサイル攻撃を受け、オデッサの人々は大きな不安の中にあります。
一日も早くロシアが侵略を断念し、ロシア軍の撤退を決意し、ロシア兵たちもウクライナ兵たちも早く無事に自分たちの家に帰ることができる日が来るように心から願うばかりです。
そして、今のこの厳しい戦時下にあって、教会がキリストにある福音の希望をしっかりと伝えていくことができるように、続けてお祈りください。

みなさまの上に主の豊かな祝福がありますように、オデッサで心から祈っています。

船越真人・美貴