WVの支援で設置された給水設備から水をくむ少年(写真提供=WVJ)

2021年8月のアフガニスタン政変から2年。世界の子どもを支援する国際NGОワールド・ビジョン(WV)は、改めてアフガニスタンで持続的人道支援を継続していくことを表明した。

WVアフガニスタン事務局長のアスンタ・チャールズ氏はこう述べる。

「最も支援を必要としているアフガニスタンの人々に対する国際支援が衰退している。彼らは文字通り、飢えている。彼らの基本的ニーズ、中でも最も基本的な権利である『いのち』を守るため、私たちの支援は必要だ。国際社会が女性や少女に対する劣悪な人権侵害に注目する一方、人道支援を必要としている人々は2,440万人から2,920人に増加。アフガニスタンで暮らす1,500万人が今年、『危機レベル』の食料不安に直面し、うち270万人が『緊急レベル』のカテゴリーに入る。世界で4番目に高い数字だ。数十年に及ぶ紛争、気候変動による影響の拡大、国際社会からの孤立に伴う経済悪化の結果だ。にもかかわらず、アフガニスタンへの国際支援は激減している」

診察を受ける母子(写真提供=WVJ)

「タリバンは、各支援団体による活動の制限を強めている。だが、仮に今日、活動制約の方針が撤回されたとしても、国際社会から提供される支援物資では到底足りない。WVアフガニスタンは、この半年で最も危険にさらさっれているアフガニスタン西部の116万9,914人に支援を届けた。その中に60万5,156人の女性と少女、55万7,160人の子どもが含まれている。保健と栄養の提供、水衛生の支援、ぜい弱な立場に置かれている子どもや大人の保護、教育支援などを届けている」

ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)人道支援課長の伊藤真理は、次のように話す。

「アフガニスタンの子どもたちや人々を心に留め、想いを寄せ、また寄付を通して共に支えてくださった皆様に心から感謝を申し上げる。アフガニスタンでは、人口の約7割に上る人々が非常に厳しい状況にある。引き続き、アフガニスタンのことを忘れず、関心を寄せ続けてくださると幸いです」

アフガニスタンの少女(写真提供=WVJ)

WVは、紛争や自然災害の影響を受ける子どもたちや家族の人道的ニーズに応えるため、2001年に緊急支援を開始。以後22年あまり、WVはアフガニスタンのコミュニティーの人々と連携し、西部のヘラート州、ゴール数、バギス州、ファリャブ州で、人道支援並びに早期復興、レジリエンス強化、開発支援を提供してきた。活動の優先分野は、母子保健、栄養改善、水衛生、生計向上、食料安全保障、教育、子どもの保護、多目的な現金給付プログラムなど。2021年8月以降、166万746人の子どもらを含む332万8,708人に支援を届けた。

WVJは難民支援募金を受け付けている。詳細はURL https://www.worldvision.jp/donate/refugee.html