群馬県高崎市にあるLittle Light(リトルライト)教会。アメリカからの宣教師が同じ町内にある小児科・上中居ファミリークリニックの待合室を借りて、2016年に教会をスタートした。宣教師が患者として小児科に子どもを連れていった時「開拓教会を作りたいのだ」と院長でクリスチャンの清水清美さんに話すと「うちの待合室を使えばいい」と言ってくれたのが始まり。
現牧師のジョサイア・ヘンダーソンさんはカリフォルニア出身。高校を卒業後、ニューヨークの聖書学校に行き日本宣教の気持ちを与えられた。母親が日系のアメリカ人でもあり、また日本の社会問題でもある「孤独」「自殺」の多さが自分とも重なった。
「私も学生時代にうつ病を患い、自殺を考えたこともあります。日本にも大勢そのような人がいる。神様の愛が必要だと感じ日本に導かれたと思います」

ノエルさん(左)とジョサイアさん(右)と子どもたち

教会とカフェ 〝両輪〟の働きへ

聖書学校のクラスで席が隣同士だった、日本人のノエルさんと結婚。卒業後二人で軽井沢に。所属していた宣教団体が行っていた英会話カフェをきっかけに、インターナショナルワーシップで奉仕。次第に高崎が拠点となっていく。
2022年牧師に。教会は若い子どもを持つ家族や外国から来ている人たちが集まる場として成長していった。

カフェ「リトルライトコーヒー」は19年に同じ敷地内につくられた。従業員はほぼ全員クリスチャン。「お客さん一人一人と関係を築く中で、みんなが神様との関係を持てるように。共に光を放ちながら働く」ことを心掛けている。
ジョサイアさんは学生時代、スターバックスでアルバイトをしていた。コーヒーが好きになり、聖書学校を卒業後、来日するまでの間、新しくオープンしたカフェでマネジメントを、またバリスタトレーナーとして働いた。「そのカフェは結局閉店しましたが、将来のカフェ運営に必要な経験と知識を得る貴重な機会として神様が与えてくださったのです」
いまリトルライトコーヒーには地元の人、遠方からもお客さんが訪れる。品質のよいものを提供するカフェとして愛されている。「クオリティの高いカフェを経営することで神様に栄光を帰すことができる」と言う。

このカフェと教会は、宣教のためのいわば車の〝両輪〟。様々な人が訪れる。普段教会に来ている人も、教会に全く興味がない人でも、いろいろな人に福音を伝えることができる。
「さびしい人、ふだん良いコミュニケーションの機会がない人たちも来られます。そうした人たちが教会やカフェにもっと来て欲しい。福音に自然にふれる機会を持ってほしい」
カフェで行っているバイブルスタディを受けたのち、洗礼に導かれたお客さんがいた。「それをみたとき、わたしたちがこうなったらいいなと考えている以上に、神様が教会とカフェを導いておられる、と確信することができました」
カフェは教会のメンバーの励ましの場にもなっている。
カフェは平日に開いている。日曜日だけでなく平日もキリストの一つの体として、聖書の学びや交流する時間が持てる。彼らの居場所でもあるのだ。

「変化は新しい大事な時。神は必要なものを与えてくださる」と話す。いままさに新しい礼拝の場所を探している。「みんなに伝えているのは気持ちを落ち着かせ、祈ってすすめよう、ということです。神様への信仰を育て、教会として神様に近づけるプロセスなのです」
1年後、リトルライト教会の方々がこの記事を見たとき、きっと次の礼拝場所は決まっているだろう。「神様が必要を満たしてくださった、とみんなが知ることになるでしょう」
神の愛を皆が知ることになる。そのときが待ち遠しい。

親子連れを対象にしたマザーズケアイベント
トレーラーハウスの中を改良してカフェに


・リトルライト教会
〒370- 0851群馬県高崎市上中居町418―1
https://www.littlelightcoffee.jp/church