日本初の軽費老人ホーム「筑波キングス・ガーデン」の初代施設長だった三谷六郎氏=写真=が8月25日、岐阜市の自宅で亡くなった。93歳だった。10月26日、筑波キングス・ガーデンのチャペルを会場に、「お別れ会」が開かれた。

キングス・ガーデンは、三谷夫妻に与えられた「老人ホームを、引退牧師や高齢の信徒に」とのビジョンから生まれた。アメリカの「キングス・ガーデン・シアトル」で見た福祉の姿に感動。キリスト教会、牧師の賛同を得て、80年に「社会福祉法人日本キングス・ガーデン」は設立され、現在その働きは、複数の高齢者施設・サービスとともに、障害者福祉にまで広がる。

お別れ会では、ビデオによる三谷夫妻の証しの後、元施設長の久場健三・張博一両氏、草加キングス・ガーデン施設長の栗原基氏が三谷氏の思い出を語った。

夫人の惠子(しげこ)氏は、「『今年は信仰の総仕上げ』と言っていた。召された朝は、朝食を美味しそうに食べ、大きな目を見開いて壁の十字架を見ているうちに、言葉もなく静かに目を閉じていった。神様が立てたキングスを、みなさんの良き働きを通して神の栄光をこれからも現していただきたい」。

最後に、法人理事長で総合施設長の宇都宮和子氏は「三谷先生からは、電話、手紙でアドバイスをもらった。大切にしたいのは、『主が良くしてくださったことを何一つ忘れるな』との御言葉。新たな気持ちで働きをスタートしていきたい」と語った。
【髙橋昌彦】

2023年11月12日号 07面掲載記事)