国籍も障がいの有無も超えた日韓の演奏者たち

関西を拠点に活動するクリスチャン音楽家グループ「アンサンブルメゾン」主催、韓国の知的障がいのあるクリスチャン音楽団体「J Art Ensemble」共催の日韓音楽プロジェクト「平和のリボン」が、1月27日に大阪市阿倍野区の阿倍野区民センターで開かれた。日韓の障がい者アーティストと健常者アーティストの共演は関西初。公益財団法人日韓文化交流基金人物交流助成を受けて実現した。

国籍も障がいの有無も超えて、平和や差別撲滅の願いを込めて賛美する姿に会場は感動に包まれた。障がい者差別が根強く残る社会に一石を投じる、大きな意義のある音楽会ともなった。ロビーでは協賛団体のハンガーゼロによる能登半島地震のための募金も行われた。

アンサンブルメゾンはピアニストの小堀英郎さん率いる、チェロの山本善哉さん、マリンバの伊藤朱美子さんと伊藤多美子さんのアンサンブル。クラシックや讃美歌、オリジナル曲等の音楽を通して、各地でキリストを証ししている。

J Art Ensembleは芸術監督を務めるマリンバ奏者のチャン・エリョンさん率いる、音楽の賜物を持つ知的障がい者のアンサンブル。ピアノのキム・チョハさんとイ・ドルリムさん、オーボエのキム・ユンサンさん、マリンバのシム・ヨンゴンさん、ドラムのキム・ユナさんらは、大学で音楽教育を受け、海外でも音楽交流を盛んに行っているプロの演奏家集団だ。

聴き合い、息合わせ、喜びに 日韓文化友交コンサート「平和のリボン」開催

それぞれがクラシックを中心にした多彩なプログラムを披露。音楽の美しさが会場を満たし、さらにそのパッションが聴衆を惹(ひ)きつけた。フィナーレは日韓協演の「赤とんぼ」「アリラン」「花は咲く」。終演後観客からは「音楽があらゆる壁を超えて人の心を一つにするのを目の当たりにした」という声があった。

元京都芸術大学教授で打楽器奏者の山本毅さん(京都シャローム教会牧師)は「よかったですね! 韓国のアンサンブルは世界からみてトップクラスではないかもしれないが、今日はまちがいなくほとんどの人が幸せな気持ちになり、何かプラスのチャレンジを受けたと思います。音楽の本当の在り方、芸術の役割を考えさせられた音楽会でした」と、話していた。

芸術監督のチャンさんは日本在住。「障がいがあってもいろんなことができる、神様がしてくださるという思いで結成したアンサンブル」と、語る。音楽を通してキリストを伝え「日韓の架け橋、障がい者と健常者の架け橋になりたい」と、意欲を燃やす。

小堀さんは2024年は心痛む幕開けだったと振り返り、「音楽を通して希望を届けることができるように」との思いを語った。

 

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