詩画作家の星野富弘(ほしの・とみひろ=写真=)さんが、4月28日に呼吸不全のため、群馬県みどり市大間々町の恵愛堂病院で逝去した。78歳だった。1946年群馬県勢多郡東村(現みどり市東町)に生まれる。70年群馬大学教育学部保健体育科卒業。中学校の教諭になるがクラブ活動の指導中頸髄を損傷、手足の自由を失った。72年に病院に入院中、口に筆をくわえて文や絵を書き始めた。74年病室でキリスト教の洗礼を受けた。

79年前橋市で最初の作品展を開く。同年退院。81年には結婚し、雑誌や新聞に詩画作品や、エッセイを連載。82年の高崎市での「花の詩画展」以後、全国各地で開かれた「花の詩画展」は、大きな感動を呼んだ。91年故郷の群馬県勢多郡東村に村立富弘美術館開館。ニューヨーク、ホノルル、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ワルシャワなど海外でも展示をした。群馬県名誉県民(2006年)。第一回群馬大学特別栄誉賞(11年)。21年に開館30周年を迎えた富弘美術館の入館者は700万人を超えた。

2018年には第24回日本福音功労賞(日本福音振興会)を受賞。受賞に寄せたメッセージでは「病院で絵を描いたり詩を書いたりすることは、私にいちばん合っていると知った。できることはすべてなくなったと思っていた私に素晴らしいものを神様は与えてくれた。それを続けていくために祈ってくれる友も与えられた。今日は素晴らしい賞を与えられたが、ともに祈っていてくれる皆様とともにいただいたと思っている。私の描いたものを目にしてくださった方が、ほんの少しでも神様のことを感じてくださったら、こんなにうれしいことはない」と語った。

著書は『新版愛、深き淵より。』『新編 風の旅』『風の詩』(学研プラス)、『かぎりなくやさしい花々』『鈴の鳴る道』『速さのちがう時計』『あなたの手のひら』『花よりも小さく』『山の向こうの美術館』『種蒔きもせず』(偕成社)、『新版 銀色のあしあと(三浦綾子氏との対談)』、『新版 たった一度の人生だから(日野原重明氏との対談)』『いのちより大切なもの』『あの時から空がかわった』『ことばの雫』『花に描かせてもらおう』(いのちのことば社)など。

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