伊藤愛さんはこどもの頃から教会に通い絵を描き続けています。礼拝中も絵を描いています。ぜんそくやてんかんなどいろいろな障がいや病気とともに生活されています。学校や通所施設でいじめられたり、無視されたりすることも多く体験してきました。

河合進一さんは生まれた時から視力障がいをもっています。子どもの時には、「めくら!!」と言われてつばをかけられたこともあります(めくらは差別用語です)。2年前の水平社100年の時に洗礼を受けました。捕らわれている人に解放を、目の見えない人に視力の回復を、圧迫されている人に自由をもたらせるイエスを信じることを促されたからでした。「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」(ルカ4・21、聖書協会共同訳)というイエスの言葉を最も大切に感じています。

伊藤さんは文字の読み書きが苦手です。河合さんには愛さんが描いた絵が見えません。でも、伊藤さんが描いたやさしい楽しい絵の説明を聞き、何枚かの絵を組み立てて奇想天外なお話を河合さんが、考えました。

ボーリングをしていたら、気づけば、タイムスリップをしていたというところから始まる物語。文は、何ともほんわかする関西弁。ページを開くごとに、私たちの目の前にも、優しい色合いの景色が広がります。

それが今回の絵本『ボーリングをしていたら』です。購入ご希望の方は、1部千円(+送料)で近江平安教会・鳥井までお申し込みください。
TEL. 090-9628-8188
Mail: ohmi.heian.church@gmail.com
(記・鳥井新平=近江平安教会牧師)

絵本を手にする、河合さん(左)と伊藤さん(右)

 


『ボーリングをしていたら』
絵:いとう あい
文:かわい しんいち
ケーアイブックス
B6判26頁、千円

2024年06月02・09日号 10面掲載記事)