パリオリンピックでは、選手たちの精神的ケアも重要になる。世界教会協議会(WCC)の報告によれば、フランスのローマカトリック、正教会、プロテスタントの牧師たちは、フランスオリンピック委員会が設置した宗教諸派テントで、ユダヤ教、イスラム教、ヒンズー教、仏教などの宗教者たちと協力して活動している。

 

フランスキリスト教会協議会は、 パリ2024大会のための祈りを、世界に呼びかけている。教区会館での展示会、カフェ屋台、教会での競技映像放映。カトリック教会による「Holy Games」イニシアチブでは、音楽、フェスティバル、祈りの集会、福音派教会による「Go+」イニシアチブでは、牧師、コミュニティリーダー、アスリート、ボランティアが集まり、オリンピックが神の王国に利益をもたらすために一緒に何ができるかを模索している。

 

5 月、オリンピックの聖火がフランスに到着すると、ピエール・ド・クーベルタン・スタジアムでエキュメニカル・フェスティバルが開催され、スポーツと団結が祝われた。

 

アスリートやサッカーのスター選手が信仰について語り、聖歌隊がさまざまな言語や伝統で歌い、パリのキリスト教の多様性と多文化性が示された。福音派、ペンテコステ派、カトリック、正教会、ルーテル改革派プロテスタントの各教会が参加し、団結と相互尊重というオリンピック精神が強調された。

 

パリのカトリック大司教は「オリンピック休戦」の始まりを記念するミサを9月まで続ける。全国放送のテレビでは、プロテスタントの超教派礼拝が放映され、オリンピック休戦の重要性を繰り返し説いた。多民族、多言語の聖歌隊が結成されて活動するなどもしている。

ヨーロッパの福音派メディア「エバンジェリカル・フォーカス」は、パリオリンピックに向けた教会活動を調整、発信する「アンサンブル2024」が、フランス福音派全国評議会およびフランスプロテスタント連盟との共同で、「ラブ・フランス」キャンペーンを立ち上げたことを伝えた。

 

「ラブ・フランス」は祈りとオリンピック期間の出来事の発信をする。2021年東京オリンピックで実施された、ホームページのボタンをクリックして祈りを表明する「100万人の祈り」にも今回取り組む。「50日間の祈りガイド」を作成して、毎日の祈りの指針を発信している。

 

ほかにも、パリ・プレイズ・フェスティバルでは、8月4日までの間、フランス、日本、韓国、台湾、米国のキリスト教アーティストとボランティアが、教会や公共の場で、美術や書道の展示、ワークショップ、コンサートを実施する。

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