フルートの紫園香さんと、ピアノの菅野万利子さんによる「Duo Stella」は、9月に新譜「星々の彼方」をミクタムレコードからリリース。記念コンサートも11月16日に行う。

『星々の彼方』
Duo Stella、ミクタムレコード、2,970円税込

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 2003年に出会って以降、ふたりでの演奏活動を続けてきたが、活動20周年を迎えた2023年に「Duo Stella」の名前が誕生した。ミクタムレコードでプロデュースと制作を、との願いが今回のタイミングとちょうど合い、実現に至った。ふたりでのCD制作は17年ぶりとのこと。

Duo Stellaのふたり

 曲目は、多彩なジャンルを演奏するふたりならでは。チェンバロ独奏のための「イタリア協奏曲ヘ長調 BWV971」(J.S.バッハ)は、ピアノとフルートのためにユニークな編曲がされている。「海のヴォカリーズ」は作曲者からも「鳥肌ものの演奏」との評。「エストレリータ(小さな星)」はメキシコの歌曲。そして「見上げてごらん夜の星を」。
 この曲目の構成をどうするか、プロデューサーの高叡華さんは熟考したという。「コンサートプログラムの場合、まず最初にクラシック曲を据え、そこからポピュラー楽曲へ、という曲順が一般的ですが、それだと福音の意味が伝わりにくいので、『最初から福音を前面に出しましょう』とおふたりに相談しました」
 曲順は「イエスの御名」、「キリストにはかえられません」に始まり、最後には「そこに住まいがある」(小坂忠)。これは高さんも、コ・プロデューサーで一部編曲を担当した柳瀬佐和子さんも、候補にあげていた。
 「入口はイエス様、出口は天国。星々の彼方におられる主を表している。このCDには、輝き、励まし、慰め、などのキーワードがある。作品の目的は伝道です」


 ふたりが去年刊行した証し集『ヒャッホウ! おばあさんだって冒険したい~闇夜にまたたく星 それは道しるべ~』とも呼応する。演奏家としてだけでなく、被災者や傷負う者の隣人となり、音楽で証しする活動を広げてきた。その背景には、進路、家族、病など演奏家人生を失いかける経験があった――。暗い夜、夜を照らすまことの光、そしてその先にある永遠の朝を知る二人が、共著とCDで証しする。

 CDリリース記念コンサートは11月16日。東京都渋谷区、MUSICASA(ムジカーザ)で。14時半開場、15時開演。3,500円。ミクタムレコード主催。
TEL. 04-2941-6816 (山野)
URL: https://michtam.com/events/