「第55回キリスト教功労者」に、「幸せなら手をたたこう」作詞者の木村利人(きむら・りひと)氏、元慈愛園乳児ホーム施設長の潮谷義子(しおたに・よしこ)氏、元東北学院学長の松本宣郎(まつもと・のりお)氏が選ばれた。
顕彰式が10月21日、東京・中央区の日本基督教団銀座教会で行われた。

木村氏は人間科学博士で、ベトナム・サイゴン大学教授、世界教会協議会エキュメニカル研究所副所長、国際バイオエシックス・バイオ法研究所所長などを歴任。現在、日本基督教団霊南坂教会員。戦争体験やフィリピンでの経験から、生涯にわたり平和活動を実践。ベトナム戦争の枯葉剤被害を目の当たりにし、新しい学問分野「バイオエシックス」を開拓した。

潮谷氏は家庭で育てられなくなった乳児を預かる「乳児ホーム」で施設長を務めた。熊本県副知事を1年、知事急死にともない知事を2期8年務め、バリアフリー、ユニバーサルデザインを推進。ハンセン病回復者差別事件では熊本地検へ告発、水俣病被害者救済の要望書を環境省に提出するなど、信仰に基づき社会福祉に貢献した。現在、日本福音ルーテル神水教会員。

松本氏は、札幌農学校で内村鑑三に私淑した祖父から信仰継承。初期キリスト教、ローマ帝国史、西洋史を研究。イタリアでの遺跡発掘調査、イギリスでの在外研究も行う。日本ではキリスト教史学会、日本基督教学会にも参画。宮城学院学院長、東北学院大学学長、同院長に従事。東北のキリスト教教育、キリスト教女子教育に尽力した。現在、日本基督教団仙台広瀬河畔教会員。

同顕彰式は「キリスト教文化に関わる教育・福祉・医療・社会事業・文化活動等の分野で貢献した方を顕彰することによって、更なる活動と研究を促し、キリスト教文化を通して、隣人を愛し、思いやりのある優れた文化の醸成を図る」ことを目的に毎年開催されている。