「失う時には失う」しかし教会は守られた 阪神・淡路大震災30周年記念礼拝
1995年1月17日の「阪神・淡路大震災」発生から30年となり、オープンバイブル・神戸キリスト栄光教会(菅原亘主管牧師)では、1月12日、福音歌手の森祐理さんをゲストに迎えて「震災30年メモリアル礼拝」が行われた。震災で実の弟を亡くした後、災害被災者支援に力を注いできた森さんの賛美とともに、菅原氏が震災の中生かされてきた恵みと、神への信頼を語った。
教会は、震災後毎年記念礼拝を20年間続けた後、今年の30年を迎えた。菅原氏はそのことに触れて「ヨセフがエジプトの宰相になったのも、ダビデが王になったのも、イエス様が公生涯に入られたのも30歳。それを考えると感慨深い」として、映像とともに当時を振り返った。
森さんは、弟の渉さんを亡くしたことを通して、それ以降災害があれば、現地に赴き被災者に歌ってきた。「これは私のライフワークです」。2023年に大地震があったトルコでは、地震で12人の親族を失った女性から、「弟を失っても、何も恨まず、希望を届けている、あなたのような生き方がしたい。あなたの神様を信じたい」と言われた。「弟の命がここでもつながった。神は命を無駄にはなさらない方だ」
「どんなに悲しみがあっても、クリスチャンは神様を見上げることができる。弟は22歳の命だったが、なすべきことを終えて天に帰った。生かされている私たちは、まだ地上でなすべきことがある。震災を通ったこの神戸キリスト栄光教会だからこそ、届けられることがあると信じます」と語った。
菅原氏は説教の前に、震災当日に発生した火災について話した。教会堂が危ないと聞かされた時、ヤコブが末息子のベニヤミンをエジプトに行かせる時に言った「失う時には失うのだ」という言葉を思い出し、教会は献堂して7年ほどだったが「会堂が燃えたとしても、またやり直せばいいと思った」と言う。実際には、教会は類焼を免れた。一面焼け跡となった町の端に、十字架をいただく教会の姿を映した写真が、翌朝7時に撮影され、共同通信社が配信した。その写真を映しながら「失われた多くの命があったことを忘れてはいけないが、教会が守られ、神様に感謝したい」と語り、森さんを講壇に招いて、「しあわせ運べるように」を会衆とともに歌った。
説教は、ローマ書8章から「主に信頼し、全てが益に変えられることを信じよう」と題して語り、その後、会衆とともに「ゴッドブレスユー」を賛美した。
当日の動画は、youTubeで配信されている。
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