山田火砂子・映画監督逝去 福祉や社会改革に尽力したキリスト者などの作品を広く
2023年「わたしのかあさん」制作発表記者会見で
荻野吟子や石井十次など、福祉や社会改革に尽力したキリスト者を描いた作品などで知られる、山田火砂子監督(株式会社現代ぷろだくしょん代表取締役社長)が、1月13 日、都内の病院で、誤嚥性肺炎・敗血症のため逝去した。92歳だった。近親者での葬儀の後の発表となった。3月25日、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会 にて、「お別れの会」を開催予定。
1932年東京生まれ。新宿精華女学校に3年まで在校。休学して大映のニューフェイス(4期)に聴講生として参加する。敗戦後は女性バンド「ウエスタン・ローズ」として活躍後、浅草で舞台女優として活動した。
1972 年製作の「ゴロスケの唄」から、現代ぷろだくしょんの映画製作・宣伝に参加。代表取締役社長だった山田典吾と再婚。当初から資金繰りに奔走した。
60年代に知的障がいの長女を出産し、当時は障がい者支援が未整備で苦労したことが、社会に先駆けて障がい者福祉映画に取り組む動機となった。その後も実写版の「はだしのゲン」三部作、「春男の翔んだ空」、「裸の大将放浪記」など数多くの映画を製作・公開した。
96 年、初監督作品のアニメ映画「エンジェルがとんだ日」は、重度の知的障がいがある長女とともに歩んできた半生を題材とした。
2004年、「児童福祉の父」で、キリスト者石井十次を題材にしたて「石井のおとうさんありがとう」(出演:松平健、永作博美 )で実写監督デビュー。05年度日本児童福祉文化賞を受賞した。10 年、日本映画テレビプロデュサー協会功労賞受賞。同年第55回映画の日執行委員会表彰、2011年、児童福祉文化賞 特別部門賞受賞。24 年には10作目「わたしのかあさん ―天使の詩―」(出演、寺島しのぶ、常盤貴子)を完成。
25年2月~3月、国立映画アーカイブの特集上映「日本の女性映画人」の第3弾「1990年代」篇にて、「エンジェルがとんだ日」がニュープリントフィルムで上映・収蔵予定。
映画作品に「筆子・その愛―天使のピアノ―」(07年出演:常盤貴子)、「大地の詩・留岡幸助物語」(11年、村上弘明、工藤夕貴)「母 小林多喜二の母の物語」(17年、寺島しのぶ、渡辺いっけい)、「一粒の麦 荻野吟子の生涯」(19年、若村麻由美、山本耕史)、「われ弱ければ 矢嶋楫子伝」(22年、常盤貴子、石黒賢)など。
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