「日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会」がこれまで取り組んで来たことの中に、首相の靖国神社、伊勢神宮参拝に対して「参拝しない要請文」または「参拝抗議文」を送るということがあります。それらの文章はNCCホームページ(URLncc-j.org/)に掲載されていますのでお読みください。

伊勢神宮は靖国神社と共に、かつて日本が犯した侵略戦争と植民地支配推進の精神的支柱としての役割を果たしました。また当時帝国政府は、政府と特別な関係があるものとして伊勢神宮を国家管理下に置き、天照大神(あまてらすおおみかみ)への参拝を全市民に強要させました。そのような伊勢神宮に首相が参拝することは、国家神道体制や武力による戦争抑止力を遺(のこ)そうしようとするある種の意図を想い起こさせます。

伊勢神宮は宗教法人神社本庁の「本宗(ほんそう)」であり、皇祖神(こうそしん)とされる「天照大神」を祀(まつ)る宗教施設です。そこへの参拝は、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と規定している憲法第20条3項の「政教分離原則」に違反しています。しかも、参拝後に神宮司庁内で政府としての公式な年頭記者会見を例年行うことによって、伊勢神宮と日本政府が特別な関係にあるかのような印象を与え、結果として伊勢神宮への特別な配慮を示しました。

特に今年石破茂首相は、年頭の会見を伊勢神宮参拝の報告から始めたことは、あたかもそれが首相としての必須の職務であるかのような印象を与えるものでした。

以上の理由から、私たちNCC靖国神社問題委員会は、今年も行われた違憲行為である、首相の伊勢神宮参拝に対して強く抗議をしました、、、、、

2025年02月09・16日号 06面掲載記事)