全国の教会や団体に「はこぶね便」を発送する有限会社トップ・スペース(加藤信取締役社長)は、2月12日、「宣教支援ツール LIFT(リフト)」(以下、「LIFT」)の立ち上げを発表した。現在、全国のキリスト教会情報は、「キリスト教年鑑」(キリスト新聞社)、ネット上での「クリスチャン情報ブックWeb」(いのちのことば社)で閲覧が可能だが、今後教会は、オンライン上でこの「LIFT」の情報を更新することにより、それぞれの媒体に、最新の情報を掲載することが可能になる。


「LIFT」トップページ

宣教戦略を進める各種データ

「LIFT」は、いのちのことば社、キリスト新聞社、カバレッジプロジェクト、日本宣教リサーチ、JEA宣教委員会研究部門と協力し、はこぶね便事務局が開発・運営する、教会や宣教団体を情報面からサポートするための新たなプラットフォームとなる。「未来に備えるためには、現状を正確に把握することが不可欠です。そこで初期フェーズとして、上記6団体が協働し、クリスチャン情報ブックWebやキリスト教年鑑に掲載されている教会情報を簡単に更新できる仕組みを構築しました。長年、古い情報がそのまま掲載されていたり、まだ反映されていない開拓教会があったりする問題を少しでも解消し、正確な教会情報を共有することがねらいです。これにより、教会を探す方や地域宣教の現状を把握したい方へ、より確実で有益なデータを提供できるようになります」。

現在「LIFT」には、すでに全国約8,000のプロテスタント教会の、基礎となる情報が登録されており、各教会は自分の教会の情報を確認し、必要に応じて修正、更新を、自身で行っていくことになる。具体的には、自分の教会の情報を閲覧し、修正できる権限を持った人(複数)を登録し、その人に一連の作業が委ねられることになる。「LIFT」へのアクセス方法や、詳細な操作方法は、「はこぶね便」を通じて、3月中にも各教会に届けられる予定だ。

「LIFT」開発を行った、トップスペース社長の加藤氏は、次のように語る。「福音宣教を進めるうえで一番基礎となるのは、教会の現状把握だと思います。精度の高い教会の情報が、『年鑑』や『情報ブックWeb』で提供されることは、教会や宣教団体が、宣教戦略を考える上での資料となりますし、当然教会を探そうとしている人にも、役立ちます。各教会にはまず、ご自分の情報の確認をお願いします」

教会事務の効率化も視野に

この教会情報を第一段階として、さらに宣教支援のツールとしては、以下の機能拡充を予定している。「統計・分析機能」:地域ごとの礼拝出席状況や年齢構成などの教勢データをビッグデータ化し、現状を把握する。「教団・宣教団体との連携」:情報を共有することで、団体ごとに行われている調査など、作業の簡略化、業務効率化のツールを提供する。「教会活動管理」:各教会が、それぞれのメンバーやスタッフ、各種活動を管理できるようにし、教会内での事務、運営作業の効率化を図る。「オンライン献金システム」:インターネットを通じて、一律の低額手数料で、献金が全額、教会・団体に届く仕組み。

この「LIFT」について、協力団体である「カバレッジプロジェクト」技術部門マネージャーの近藤健二氏は、自身が住む三重県の教会情報を集めた地図を制作した経験を踏まえ、「宣教戦略を考える上で、今近隣の奈良、和歌山県でも地図制作を進めているが、最新の教会情報が提供されれば、作業が省力化されるし、各地域でも同様の働きに資することになるだろう」。
JEA宣教委員会研究部門でチーフを務める福井誠氏は、「教勢データを活用すれば、経年での宣教状況の変化も把握でき、宣教方策を考える資料になる。また、教会や団体の運営面でも、事務処理の省力化など、期待できる」。
日本宣教リサーチ研究員の柴田初男氏は、「宣教の具体策を考えるには、現状認識が不可欠。その上で、今後必要となる、教団教派の壁を超えた宣教協力を構築していくためのシステムとなってほしい」と語った。

3月は既存教会を優先し、新規教会の登録は4月以降を予定。登録には、はこぶね便2月号に掲載されている教会コードが必要になる。更新された教会情報は、「情報ブックWeb」に、随時反映されていく。
問い合わせは、はこぶね便事務局(有限会社トップ・スペース)まで。

「LIFT」
URL: https://liftsupport.jp/
Mail: info@liftsupport.jp

2025年03月02日号 01面掲載記事)